新幹線は早くて快適で素晴らしい、また対極にある各駅停車のローカル線は、また違った楽しみをもたらしてくれます。
いずれにしろ、電車やバスに乗って見知らぬ土地を訪ね、その風土に接し、車窓から四季折々のいろんな風景を眺めることは私の楽しみの一つです。
今回、私の住む近くの駅、花園駅から山科駅までを、最短距離で行けば、乗継ぎ時間を入れても20分余りの所要時間のところを、大都市近郊区間の運賃計算の特例を利用して、最長距離で大回り、いわゆる一筆書きをしようと実行してきました。
特例では、実際に乗車する径路にかかわらず、最も安くなる径路で計算した運賃で乗車できるということ。ただし途中下車は出来ない、同じ駅を重複して利用出来ないということです。
そこで下記の径路を考えだしました。
(合計の乗車キロ数は497,2キロ 運賃合計は7,880円のところ、花園駅〜山科駅片道240円、往復480円で乗車してきました。)
大阪近郊区間路線図です。
( 上記地図は、JRのホームページより転載し、朱で加筆しました )
当日の乗車時刻表です。
午前5時40分出発した、JR花園駅です。
1番ホームに京都駅行、5時49分発、京都駅6時着の221系電車が到着してきました。
京都駅5番線に6時8分発、快速姫路経由網干行、221系電車が入ってきました。
東海道線を西に走行します。
尼崎駅1番線に6時52分着、急いで7番線に移動、6時56分発、JR東西線、快速木津行321系電車に乗車します。
快速木津行は、尼崎駅を出て、神崎川を渡ると間もなく地下に潜っていきます。
加島、御幣島、淀川の下を通り、海老江、新福島、北新地、大阪天満宮、大坂城北詰を経て京橋駅に着きます。
京橋駅近くになると地上に出て、7時15分京橋駅に到着です。
ここでは、3分で環状線に乗換え天王寺駅に向かいます。
平日の出勤時間、すごい人波で急いでも前に人で進まず、気持ちに余裕がまったくありません。
京橋駅です。
天王寺駅で乗換え、関空、紀州路快速、天王寺駅7時51分発の電車に乗車して、和歌山駅に向かいます。
関空快速225系5000番台4両車が、紀州路快速223系2500番台4両を連結して引張っていきます。
乗車して、ようや窓の外も眺められる余裕が出てきました。
駅を出発すると、目まぐるしく風景が変わります。
堺、三国ケ丘を過ぎ、西側に仁徳天皇陵を眺めつつ、鳳、和泉府中、東岸和田、熊取、と続き、日根野駅に到着します。
日根野駅到着、車内も混雑もなくなり、快適です。
関空快速225系5000番台4両車と、紀州路快速223系2500番台4両の連結部分です。
ここで列車の切り離しが行われます。
先に関空快速が、日根野駅を出発していきます。
紀州路快速223系2500番台4両が続いて日根野駅を出発します。
関西空港線が右に大きくカーブしていき、一路和歌山に向かいます、田園地帯から和泉砂川を過ぎ、和歌山県の山間部に入りトンネルを数本抜けると平野部に入り、紀伊、六十谷、紀の川を渡り、市街地に入ると終点和歌山駅です。
和歌山市に近づいてきました。
間もなく和歌山駅2番線に9時2分到着です。2分間の乗換えです。陸橋を渡り和歌山線7番線に急ぎます。
和歌山駅9時4分発、高田経由奈良行105系普通電車です。
2両連結のワンマンカーです。
運転席とワンマンカー特有の運賃箱です。
和歌山駅から五条駅までは、ローカル線特有の、のんびりした各駅停車で、おまけに単線で対向電車待ちと、ゆっくり車窓を眺めることができます。
主な馴染の駅、岩出、粉河、高野口、橋本、各駅などを通り五条駅に到着します。
田植えの終わった田園地帯や、丘陵地、風景に似合わないようなプレハブ住宅に、昔ながらの民家の集落、全国チェーンのスーパや飲食店などが点在し見飽きることがありません。
列車待ちで、対向電車が入線してきました。
同じく列車待ち、105系の電車です。
五条駅までやってきました。10時22分着、8分の停車です。
105系の和歌山行の電車が停車しています。
ここで乗務員交替です。
ラッピング車「旅万葉」号です。
五条駅を出発、次の停車駅は北宇智駅です。
この北宇智駅は、2007年3月まで「スイッチバック」で知られていました、蒸気機関車時代の勾配の急な仕様の名残です。
現在無人駅で、停車は1分間、乗降が終わればすぐ出発で、ホームに降りることも出来ず、車内から撮りました。
現在の駅舎の北側に、スイッチバック当時のホームや駅舎、レール残されています。
車内から一瞬の1枚です。
105系電車の運転室です。
吉野口駅です。
吉野口駅では、隣接する近鉄のホームに、あべの行の急行電車が発車を待っています。
高田駅までやってきました。11時3分着です。
ここで桜井線(万葉まほろば線)に入ります。
この沿線には万葉集由縁の名所旧跡が多く見られます。
畝傍、香久山、桜井、三輪、天理、帯解、駅名を聞くだけで万葉のロマンを感じさせ、三輪山、大和三山などを車窓から眺めることができます。
高田駅で桜井線へ、電車は同じでも運転席が前後入れ替り11時9分発車です。
桜井駅を11時24分着です。
そして終着駅、奈良駅に12時丁度に到着です。
奈良駅には、奈良線の京都行の普通電車103系が停車しています。
やがて5番線に、大和路快速加茂行221系が到着です。
12時20分発です。
定刻、奈良駅を発車しました。221系の運転席です。
同じ221系電車とすれ違いです。
加茂駅12時34分着です。ここで関西本線に乗換です。
関西本線、加茂駅12時42分発、普通列車亀山行 キハ120系に乗車します。
この路線は非電化区間で、今日初めて気動車に乗車します。1両のワンマンカーで運行されています。
主な駅として、笠置、大河原、月ケ瀬、伊賀上野などを経て柘植駅に到着します。
エンジン音を高く響かせて、木津川を左に見ながら川沿いを走り、トンネルも幾つか通り抜けます。
伊賀上野駅近くになると、左右に田植えの終わった田畑が広がり、長閑な風景が車窓から眺めることができます。
柘植駅13時38分着です。ここで気動車とお別れです。
この駅は、関西本線と草津線の接続駅で、すでに同じホームの向かいに、草津線の草津行列車が待っています。
柘植駅14時1分発、草津行111系電車です。
柘植駅を出ると、主な駅、油日、甲賀、貴生川、三雲、石部等を経て、終点草津駅に至ります。
電車は最初は「江州米」の本場穀倉地帯を走り抜けていきますが、草津駅に徐々に近づくにつれ工場群が点在し、住宅、マンションなど都市化が急速に進んでいる姿を見せています。
草津駅14時45分着です。ここで東海道本線(琵琶湖線)に乗換です。
草津駅15時20分発新快速近江塩津行223系3000番台の電車です。
前4両が近江塩津行で、後部車両は米原駅で切離しとなります。
守山、野洲、近江八幡、能登川、彦根など停車して米原着となります。
223系3000番台の運転席です。
米原駅から北陸本線に入り、新快速は近江塩津駅まで各駅停車となります、
主な駅は、長浜、虎姫、木ノ本、余呉、などで近江塩津駅となります。
新快速電車とすれ違いです。
車窓左側、遠くに余呉湖が見えてきました。トンネルを何本か通過すると近江塩津駅です。
滋賀県の駅では、最も北に位置する、近江塩津駅16時34分着です。湖西線の終着駅で無人駅です。ここで湖西線に乗換です。
敦賀駅始発の、新快速網干行223系2000番台が近江塩津駅に到着です。
ここで山科駅までの最後の乗車です。16時40分発車です。
近江舞子までは、各駅停車で永原、マキノ、近江今津、安曇川、近江高島などで近江舞子となり、志賀、堅田、比叡山坂本、大津京で山科駅着となります。
近江塩津駅を出て、城山トンネル、峰山トンネルなど山々を抜けていくと、やがて琵琶湖が遠くにみえるようになり田園風景になってきます。
終始、琵琶湖を眺めながらひたすら南下し、大津と京都の国境、長等山トンネルを抜けると湖西線の終着駅、山科駅は目の前です。
花園駅〜山科駅間の目的地、山科駅に17時52分着です。
ここで初めて改札を出て、約12時間の旅を終了しました。
その後、山科駅を改めて入場し、京都駅を経由して花園駅へ無事帰着しました。
参 考 ( JRのホームページより転載しました )
運賃計算の特例
● 大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例
● 図の大都市近郊区間内のみを普通乗車券または回数乗車券でご利用になる場合は、実際にご 乗車になる径路にかかわらず、最も安くなる径路で計算した運賃で乗車することができます。
● 重複しない限り乗車径路は自由に選べますが、途中下車はできません。
途中下車される場合は、実際に乗車された区間の運賃と比較して不足している場合はその差額 をいただきます。