●ちょっと、寄り道の最近のブログ記事

 2014年」昨年もまた、メディアが伝える映画評で、興味を持った作品を幾つか鑑賞してきました。後半は時間の余裕がなく、本数も少なくなりました、ちょっこと感想です。
 
 
 
14eiga1.jpeg 遙かなる勝利へ」 ロシア映画 1月 京都シネマ
  監督 ニキータ・ミハルコフ 出演者 オレグ・メンシコフ ヴィクトリア・トルストガノフ 他
 戦争というものは勝者敗者に関わらず、その渦中に巻込まれた人間の人生を翻弄し、運命を変えていくものです。
、この映画は政治犯の汚名をきせられ、第二次世界大戦のソ独戦争の最前線に送られた、ロシア革命の英雄だったコトフの姿をその家族の生き様と共に描いています。
 政治家(スターリン)の思惑一つで政治犯から将軍へ、その流れの中、ドイツ軍の堅固な要塞との戦いの中で、消息不明だった娘のナージャ(従軍看護婦)と喜びの再会を果たし、親子の絆を確りと確認し喜びもつかの間、衝撃的な結末となり、観るものの心を揺さぶります。
 
 
 
 
14eiga2.jpeg 「ある精肉店のはなし」邦画 2月 京都シネマ
 監督 纐纈あや(はなぶさあや)
 祝の島」(ほうりのしま)で監督として注目された、纐纈監督の二作目のドキュメンタリー映画です。
 貝塚市で、家族で支えあい、代々受け継いできた精肉店の日常を、温かい眼差しで淡々としたタッチで活写しています。
 自分たちで育てた牛を、家族の緻密な連携による屠畜場での解体、そして食肉として店頭で販売するという過程。親の代からその仕事に携わってきた思いを、各人が静かに語っているのが印象的で、「命を食べて我々の命は生きている」という言葉は重く、我々人間は、食としてあらゆる動植物への感謝を常に持ち続けなければならないとの思いを深くしました。
 
 
 
 
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 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」米国 2月 TOHOシネマズ
 監督 マーティン・スコセッシ 出演者 レオナルド・ディカプリオ ジョナ・ヒル 他
 ウォール街のウルフと呼ばれた実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を映画化したドラマです。
 1980年代から1990年代、なんの経験も人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行へ入行、そこで巧みな話術と発想で瞬く間に実績を上げていき、26歳で証券会社を設立して独立。約49億円の年収を稼ぐようになる、金遣いも荒く、セックスとクスリに溺れながら世間の話題を集めて、その後、証券詐欺の容疑で逮捕され転落し、破滅していく様を描いています。
 ウォール街を扱った映画をいろいろ観ていますが、この映画はアメリカンドリームに潜む裏の世界を見せられ、金に群がり、金に躍らされ、金に翻弄される、狂気の世界を描いていました。
 
 
 
 
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 「大統領の執事の涙」      米国  2月  京都MOBIX
 監督 リー・ダニエルズ 出演者 フォレスト・ウィテカー オプラ・ウィンフリー 他
 ホワイトハウスに実在した、黒人執事の人生をモデルにした映画です。
 セシルは南部の奴隷から懸命に働き、ホテルのボーイからスカウトされて、大統領の執事となります。 その間、七人の大統領に仕え、アメリカ現代史の表裏を垣間見ながら、妻と二人の男の子の家庭を守り働き続けます。
 黒人差別の激しい時代に、白人の従者である父に反発し、公民権運動に身を挺する長男、ベトナム戦争に参加して戦死する次男、酒に溺れる妻、家庭を巻込みながらの波乱の人生を描いています。
 最後はオバマ大統領の誕生を見て、家族との平穏な人生を味わって終わります。
 アメリカの暗部である、人種差別の問題を鋭く突いて、見応えのある映画でした。
 
 
 
 
 
 
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 「ワレサ 連帯の男」 5月 京都シネマ
 監督 アンジェイ・ワイダ 出演者 ロベルト・ビェンツ キェビチ  アグニェシュカ・グロホウスカ 他
 ノーベル平和賞を受賞した、レフ・ワレサ元大統領の生き様を、家族と共に絡めて描いた作品です。
 ポーランドの造船所の一電気工だったワレサが、1970年の物価高騰に対する抗議行動から、徐々に中心的存在となり、連帯の委員長として、東欧の民主化の英雄的存在となっていく過程が描かれています。
 家族との日常、特に奥さんとの固い絆と、彼の人間的な面も丁寧に描かれています。
 いつの時代であっても、どこの国でも、権力者に対抗していくには、本人はもとより周囲を取巻く人々の余程の覚悟がなければその意思を貫いていくことはできません。
 ワレサの人生を、少し美化しすぎたきらいはあるように思いますが、大統領にまで昇り詰めた彼の偉大さが伝わる映画でした。
 
 
 
 
 
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 「朽ちた手押し車」邦画 6月 京都シネマ
 監督 島宏 出演者 三国連太郎 田村高廣 初井言栄 長山藍子 他
 昨年亡くなられた三国連太郎の唯一のお蔵入りだった主演映画が30年ぶりに公開された映画です。
 新潟県の漁村一家の物語で、そこには認知症で徘徊する元漁師と、難病の末期患者の老夫婦を抱えた家族の苦悩を描きながら、現在大きな社会問題になっている、高齢化社会や安楽死といった問題を、その家族を巻込んで鋭く表現して我々に真正面から問い掛けている素晴らしい作品です。
 三国連太郎が、80歳の痴呆症の老人をものの見事に演じ、初井言栄など芸達者なキャストが素晴らしい演技を見せています。
 30年前に、この問題を正面から取り上げて世に問い、この映画制作に携わった人々の慧眼に驚きを禁じ得ません。
 
 
 
 
 
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 「太秦ライムライト」邦画 6月 TOHOシネマズ
 監督 落合賢 出演者 福本清三 山本千尋 本田博太郎 萬田久子 他
 時代劇の黄金時代を支えてきた大部屋の演技者たち、その中でも、日本一の名斬られ役として、その名を知られる福本清三さんをモデルに制作された映画で、主演はモデル本人の福本清三さんです。
 時代劇が、映画やテレビから減少し衰退していく中で、時代劇を愛する人たちの現在の姿を、撮影所の内幕も絡めて赤裸々に描き出している人間ドラマです。
 「老兵は死なずただ消え行くのみ」そこに悲哀と希望がないまぜになって、京都の映画のメッカ太秦の、時代劇を愛する誇り高き職人集団と、本物の時代劇再生を心から願わずにはいられません。
 
 
 
 
 
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 「春を背負って」邦画 6月 TOHOシネマズ
 監督 木村大作 出演者 松山ケンイチ 蒼井優 豊川悦司 檀ふみ 他
 立山連峰、大汝山の山小屋を舞台に、繰り広げられる山岳映画です。
 都会に勤める息子が、山小屋を経営する父の急死によって、周りの多くの善意の人の協力によって、山小屋の経営を引継ぎ、成長していく姿を描いています。
 監督はカメラマン出身で、映像には素晴らしいものがありますが、それ以上のものでなく、シナリオは、通俗的なホームドラマに終始して、最後に若い二人が踊るシーンは「アルプスの少女ハイジ」の世界で、全くの期待外れでした。
 
 
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 映画 「中村勘三郎」 邦画 8月 京都シネマ
 監督 松木創 出演 中村勘三郎 他
 2012年12月5日、急性呼吸窮迫症候群のため57歳で急逝した歌舞伎俳優、18代目中村勘三郎の生き様を描いたドキュメンタリー映画です。
 テレビ番組などで放送された、長期にわたる密着取材の映像をまとめたもので、平成中村座のニューヨーク公演に始まり、勘三郎襲名の全国行脚などを織り交ぜ倒れるまで走り続けた、希代の歌舞伎役者の情熱を傾けた舞台上の姿、そしてまた楽屋の準備や稽古姿に、数々の名言、示唆を含む言葉など、家庭でのプライベートな素顔など、余すところなく描いています。
 勘三郎の人気の原点が何処にあったのか知る事のできるドキュメンタリーでした。
 
 
 
 
 
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 映画 「パガニーニ」 ドイツ映画 8月 京都シネマ 
 監督 バーナード・ローズ 出演 デビッド・ギャレット  ジャレッド・ハリス 他
 19世紀イタリアの超絶技巧を駆使した、天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ。この悪魔のヴァイオリニストと呼ばれたパガニーニの女、酒、ギャンブルにまみれた破天荒な人生を描いた映画です。
 1830年敏腕マネージャ、ウルバーニの手腕により、富と名声を欲しいままにし、自堕落な生活を送っていたパガニーニは、ロンドン公演で指揮者ワトソンの娘、シャーロットと出会いその美しい歌声と共に、真実の恋に目覚めるというお話です。
 パガニーニ役を欧米で絶大な人気を誇るドイツ人ヴァイオリニスト、デビッド・ギャレットが演じて、スクリーンで超絶技巧を見せ、名曲を聴かせてくれます。
 
 
 
 
 
 
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映画 「白ばらの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」 ドイツ映画 12月 京都シネマ 
監督 マルク・ローテムント 出演者 ユリア・イェンチ アレクサンダー・ヘルト 他
 
 2005年公開の映画ですが、リバイバル上映されたの機会に鑑賞してきました。
 
 第2次世界大戦中のナチスへの抵抗運動を、史実に基づいて描いた人間ドラマです。
 ミュンヘン大学の女子学生、ゾフィー・ショルは兄のハンス、と共に反ナチス抵抗組織「白バラ」のメンバーとして大学構内で反戦ビラをまき、兄と共にゲシュタポに逮捕されます。
 最初は組織と無関係と主張しますが、執拗な追及の末、つぎつぎと証拠品が押収され、友人クリストフも逮捕され、ついに彼女は覚悟を決め、厳しい尋問に屈せず、ナチスを糾弾し、自らの信念と良心に従って行動していきます。
 その結果、国家反逆罪によりわずか5日間の尋問の末、兄、友人と共に21歳という若さで処刑されます。
 この映画は第55回ベルリン国際映画祭で、最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞しました。
 自分の信念に基づき、国家権力へ抵抗することは誰もが成し得ることではないでしょう。時の流れの中に身を任せていることの方がが無難だからです。日本が無謀な太平洋戦争に突き進んだころ、身を賭して抵抗した人は少数だったことを改めて思い浮かべました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 京都の新春恒例行事となっている「全国女子駅伝」これまで沿道で応援する事はありましたが、西京極陸上競技場までは足を運んだことはありませでした。今年は、競技場の雰囲気を楽しみ、また郷土の期待と名誉とそして誇りをかけた選手たちの活躍を見たいと、1月10日から11日と出掛けてきました。

 

 大会のPRチラシです。全国女子駅伝は、正式には「皇后盃 第33回全国都道府県対抗女子駅伝競争大会」と言います。今年で33回目を迎え、これまでこの大会に参加した中学生、高校生を始めとして、多くの選手が、女子の日本陸上界を背負って立つ、アスリートとして活躍しています。

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  「10日に京都市右京区のハンナリーズアリーナ」で開会式が行われました。

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  全国から選ばれた各地の選手や関係者が一堂に会しました。

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  前列には昨年優勝チーム京都を始め、上位チームが整列しています。

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  スタンドの一隅に「北海道を先頭に沖縄」まで、各チームの主将が都道府県旗を持って入場を待っています。

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  各チームの入場に合わせ、チームの解説がアナウンスされ、都道府県旗が順次立てられていきます。

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  各選手緊張の面持ちで見守る中、前年優勝チーム京都から、優勝旗や皇后盃などの返還が行われました。

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  日本陸運の横川会長や来賓の挨拶が行われています。

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  最後に和歌山チームの「菊池主将」の選手宣誓が行われ、開会式が無事終了し、明日の健闘を誓い合いました。

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  レース当日11日の西京極陸上競技場です。

 

  陸上競技場の一画に全国女子駅伝 「栄光の歴史」第1回〜32回のパネル展示が行われていました。左端は第1回の「増田明美」さんです。

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  競技場周辺では、京都在住の各県人会の皆さんの人気のふるさと屋台村が開村されていて、ふるさと自慢の郷土料理が提供され、多くの人々で賑わっています。

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  各、屋台は多くの人々の行列です。

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  一方、この大会を支援し、成功させるための後方支援(伴走車)や、テレビ中継のための車両などが待機しています。福知山自衛隊の後方支援車です。

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  レースのタイムを、刻々報せる5台の「タイマー車」です。

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  NHKの「テレビ中継車」です。いろいろな機材を装備した大型車です。レースに支障を来さないよう、運転も大変緊張されるだろうと感じました。テレビ中継では画面でよく見かけますが、間近でゆっくり見るのは初めてでした。

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  「テレビ中継車」の後部です。1号車と2号車とあり、装備などが相違しており、珍しいナンバープレートで品川1と品川99-22でした。

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  ちょっとお断りして車内を撮らせてもらいました。運転席方向の正面に、モニター画面など機材がぎっしり並んでいました。

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  「アナウンサー席」のある、機動力のある,取材用の「大型バイク」です。

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  同じく「カメラマン席」のある取材用の「大型バイク」です。

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  陸上競技場では少女ミニ駅伝が行われ、その応援に来られた、NHK連続テレビ小説「マッサン」出演の「浅香航大」さんがインタビューに答えていました。

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  競技場では第2区走者より順番に選手紹介が行われ、トラックを半周してスタンドの応援を盛んに受けながら、呉越同舟でバスで中継所に向かいました。

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  12時25分いよいよレースの始まりです。スタート地点に、花の1区を走るランナーが緊張を全身にみなぎらせて勢ぞろいです。

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 「12時30分」号砲一発、スタートです。陸上競技場をスタートし、国立京都国際会館前で折り返す、9区間、42.195キロの新春の都大路を、長年の練習の成果を発揮すべく、たすきを繋ぎながら走り続けます。健闘を祈るばかりです。

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  全員一丸となって「トラック」を一周して、競技場のゲートをくぐり抜けていきます。

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  「第2中継所」の様子です。(NHKテレビ中継画面より)

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  「第3区中学生区間」を力走する選手たち(NHKテレビ中継画面より)

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  「第5中継所」の混戦の様子です。(NHKテレビ中継画面より)

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  「第7中継所」でトップで走ってくる京都選手を迎える、本年最年長の39歳ママさんランナーの「小崎マリ」さんです。(NHKテレビ中継画面より)

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  トップで京都チームを迎える「第8区中継所」の様子です。(NHKテレビ中継画面より)

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  「第9区」のアンカー「京都、奥野有紀」さんと「大阪、松田瑞生」さんが西大路通りを熾烈なトップ争いをしながら並走しています。(NHKテレビ中継画面より)

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  陸上競技場の大型ビジョンでレースの成り行きを見ながら、競技場に帰ってくる選手の勇姿を待つ、スタンドの皆さんです。

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  待ちに待った選手が、競技場のゲートを潜って帰ってきました、そのトップを争う二人の姿をみて、スタンドは一瞬、興奮状態のどよめきのような歓声と続いて拍手がスタンドを揺るがしました。

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  競技場内に入り、トラックでの決着となり、観衆の興奮は更に高まります。

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  トラックを一周します。お互いにラストの仕掛けを図りながらの力走です。

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 「第4コーナー」を周り最後の直線です。逃げる京都、追う大阪、持てる力をすべて出し切り、競技場が沸き返る中、ゴールに向かいました。

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  大接戦の末、ゴールテープを切りました。トップは最後に京都をかわした「大阪チーム」が1秒差で逃げ切りました。両者の大健闘にスタンドからは万雷の拍手がいつまでも続いていました。優勝タイムは、2時間17分26秒で4位までのタイム差は3秒という、まさに大会史に残る記念すべき名勝負で、42.195キロを走っての1秒差、1秒の重みを痛感したレースでした。

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  優勝した「大阪チーム」の「岡本監督」とアンカーの「松田選手」へのインタビューが続いています。

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  レース終了後、午後4時から「ハンナリーズアリーナ」で「表彰式」が行われました。

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  「表彰式」です。

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  出場選手や大会関係者が集まる中で式が始まりました。

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  優勝した「大阪チーム」に優勝旗と皇后盃が渡されました。中央に大阪チームが勢ぞろいです。

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  準優勝の「京都チーム」です。背後に居並ぶ各チームの選手たちも、戦いすんで安堵感や満足感などのにこやかな表情が読み取れます。

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  「京都チーム」にもカップなどが贈呈されています。

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  レース終了後30分もしない内に「京都新聞の号外」が発行されているのには驚きました。競技場内に号外発行車が配置されて、直ちに印刷されているようでした。

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 勝っても涙、負けても涙、美しい涙を流す選手たち、このレースの為に、奮励努力し精一杯持てる力を出し尽くした結果を、順位など関係なく大いに称賛したいと思います。本当に良いレースでした。大いなる感動を与えてくれて有難う、選手を始め、大会の成功のために努力された関係者の皆さんお疲れさまでした。

 

 

 

 

 「2013年」この一年、ある時は新聞記事で、また雑誌の評論で、そして送られてくる案内パンフレットで、思い立った時ふらりと見てきた映画。
 それをこの正月にとりとめもないものですが、まとめてみました。


「カミハテ商店」 邦画 1月 京都シネマ
山本起也監督 高橋恵子主演 寺島 進 あがた森魚 他

 山陰の小さな港町上終(かみはて)そこに小さな商店を営む初老の孤独な女性千代(高橋恵子)その商店のそばの断崖絶壁は自殺の名所として知られ、そこを訪れる死を望む人は必ずといって最後にその商店に立ち寄り、千代が焼いたパンを求めていく。
 翻意を促すでもなく、ただ黙ってその死を見詰め、生とはなにか、死とはなにか、とを問題提起している作品でした。
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「ソハの地下水道」 ポーランド、ドイツ、カナダ合作 1月 京都シネマ
監督 アニエスカ・ホランド 出演 ロベルト・ヴィエツキー ヴィッチ 他
 
 ナチス支配下のポーランド。下水道修理業者のソハは副業として空巣を働く小悪人で、ある日、下水道にナチスゲットーから逃亡し、隠れているユダヤ人の集団を見つける。
 ナチスに密告する前に、ユダヤ人が持っている金を巻上げようと企み、そのまま下水道に匿うことにする。
 何度かナチスに発見されそうになるが、下水道の隅々まで知尽しているソハに助けられる。彼らと接している内に徐々にソハは人間として目覚めていき、生死を彼らと共にするようになる。
 そしてユダヤ人解放の日が訪れ、共に喜びを分ち合う、人間讃歌の映画でした。
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「レ・ミゼラブル」 イギリス映画 1月  TOHOシネマズ二条 
監督トム・フーバー 出演ヒュー・ジャックマン アン・ハサウェイ 他

 1985年初演以来、ロンドンで今なおロングランを続けミュージカルでお馴染のレ・ミゼラブル。
 その舞台そのまま映画化した、アカデミー賞3部門受賞の作品です。
 ヴィクトル・ユゴーの不朽の名作。格差と貧困に喘ぐ19世紀のフランス社会を舞台にくり広げられるジャン・バルジャンを中心とした自由への解放の物語です。
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「プンサンケ」 韓国映画 1月 京都シネマ
監督 チョン・ジェホン 出演 ユン・ゲサン キム・ジョンス 他
 
 南北に分断された朝鮮半島。その38度線を越えて韓国と北朝鮮を密かに命を賭して往来する何でも運んでくるという運び屋のプンサンケ。
 両国の秘密情報の争いの渦に巻込まれていく、過酷な運命を描いた作品でした。
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「声をかくす人」 アメリカ映画 2月 京都シネマ
監督 ロバート・レッドフォード 出演 ジェームス・マカヴォイ ロビン・ライト 他
 
 リンカーン大統領暗殺事件に関与して、女性として始めて死刑となった実在したメアリー・サラットを描いた作品です。
 犯行グループへのアジト提供の罪に問われ、死刑を求刑されても頑として無実を訴え続けながらも絞首刑となった彼女。その弁護を引受けた弁護士フレデリック・エイキンとの絆を絡めて、彼女が何を最後まで守ろうとしたのかを問い掛けています。
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「東ベルリンから来た女」 ドイツ映画 2月 京都シネマ
監督 クリスティアン・ペッツォルト 出演 ニーナ・ホス ロナルト・ツェアフェルト 他
 
 ベルリンの壁崩壊の9年前、1980年夏、旧東ドイツの田舎町の病院に、西側の移住を申請するが拒否され、大都会から左遷され、秘密警察に監視されながら女医が赴任する。
 彼女には西ベルリンに暮す恋人が存在し、彼の手引きで西側に脱出を図り、その時が刻々と迫ってくる。
 赴任先の同僚医師の優しさと、医師としての使命感に心打たれ心が揺れ動く。
 西側への自由への憧れと、医師として自分の使命感との選択を迫られる。
 最後に彼女がとった行動は観る者の心に感動を与えてくれる映画でした。
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「ひまわり」邦画 2月 教文センター
監督 及川善弘 出演 長塚京三 須賀健太 能年玲奈 福田紗紀 他
 
 沖縄の基地問題。本当は我々国民一人一人が真剣にどうあるべきかを考えなければいけない問題でしょうが、他人事のように目を逸らしているのが現実です。
 1959年、うるま市に起きたジェット戦闘機墜落事故、多くの死傷者をだし大惨事となりました。
 この問題を真正面から捉えた沖縄の大学生たち、基地の存続によって生活の成立つ人を含めて、私達に沖縄の基地はどうあるべきかを投げ掛けた映画でした。
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「屋根裏部屋のマリアたち」 フランス映画 3月 京都シネマ
監督 フィリップ・ル・ゲイ 出演 ファブリス・ルキーニ サンドリーヌ・キベルラン 他
 
 パリに暮す、資産家で裕福な中年男性ジャン。一方、同じ建物のその6階の屋根裏部屋に住むメイドたち。彼女たちは軍事政権が支配するスペインから逃れ、メイドとしてパリで働いています。
 新しくやって来た、その内の一人、マリアをメイドとして雇ったジャン、勤勉で有能なマリアを気に入り、それがきっかけで仲間の彼女たちと親しくなる、そして彼女たちと接する内に、本当の幸せとはなにかと思い始める。
 人間の幸せとはなんなのかと観る者に問い掛け、考えさせる映画でした。
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「千年の愉楽」 邦画 4月 京都シネマ
監督 若松孝二 出演 寺島しのぶ 高良健吾 高岡蒼祐 他
 
 急逝した若松孝二監督追悼映画会として上映された映画です。
 中上建次さんの原作で、三重県尾鷲市須賀利そこを舞台に色事師ややくざなど、土着の因習の中に蠢く若者の生態を描いて、そこに生(性)と死との問題を投げ掛けている映画と思いました。
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「シャドーダンサー」イギリス、アイルランド共同制作 4月 京都シネマ
監督 ジェームス・マーシュ 出演 アンドレア・ライズブロー クライブ・オーウェン 他
 
 1993年一人息子を育てる、シングルマザーのスコットは北アイルランド共和国(IRA)のメンバーとして活躍していたが、ロンドン爆破事件の容疑者としてイギリス情報局に逮捕され、投獄を免れる替わりにスパイとして働く事を強要される。    シャドーダンサーというコードネームで呼ばれる彼女は、幼い息子を育てる為、やむなくその任につく。
 アイルランド、イギリス両国の対立に翻弄される人々の悲劇を描き、愛する息子を守る為に、スパイとして生きる道を選んだ女性の悲しい物語でした。
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「二人日和」 邦画  6月  シルクホール
監督 野村恵一 出演 藤村志保 栗塚 旭 賀集利樹 他
 
 難病に冒され余命幾ばくもない妻と、神祇装束の店を営む職人気質の夫との、その日々の暮らしを通して、夫婦の何気ない暖かい思いやりと、固い絆を優しい眼差しで描いた物語です。
 京都本来の風景の中に、主演のお二人を始め、京都在住の縁の人々が演じる、本当の京都人と、市井の暮しが全編に溢れる秀逸の映画でした。
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「キング・オブ・マンハッタン」 アメリカ映画 6月 京都シネマ
監督 ニコラス・ジャレッキー 出演 リチャード・ギア スーザン・サランドン 他
 
 ニューヨークの大物投資家ロバート・ミラーは、一代で莫大な富と名声を得て、幸せな家庭を築いていたように見えたが、ある投資の失敗から巨額の損失を抱え、愛人の死亡問題など、次々とトラブルに巻込まれて、自滅への道を辿っていく。
 結末はなんだか気分はすっきりしないままに終わってしまったという印象を持ったと、記憶している映画でした。
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 「偽りなき者」デンマーク映画  6月 京都シネマ
監督 トマス・ヴィンターベア 出演 マッツ・ミケルセン 他
 
 デンマークの片田舎の保育園の教師ルーカス。幼い子供の作り話から、変質者の烙印を押されたルーカスは村八分の扱いを受け、孤立無援の中で自らの潔白を証明しようとして、人間の尊厳と誇りを懸けて苦闘する姿を描いていました。
 僕には最後は何か釈然としないままに、嫌な気分が残った映画となりました。
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「25年目の弦楽四重奏」 アメリカ映画 7月 京都シネマ
監督 ヤーロン・ジルバーマン 出演 フィリップ・シーモア・ホフマン クリストファ・ウォケン 他
 
 結成して25年を迎えようとしていた弦楽四重奏団。しかし常にまとめ役だったチェリストがパーキンソン病を発病し引退を伝える。
 それをきっかけに、嫉妬やライバル意識、家庭の不和など、いろいろな問題が発生し、完璧だったカルテットに不協和音が鳴り響き、解散の危機に直面するが、最後は新たなメンバーを加えて再出発する。
 人間とは色んな問題と直面しながらも、お互いに妥協して生きていかなければ一人では生きていけない、どう生きるかを問われている物語でした。
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「ニューヨーク恋人たちの2日間」フランス、ドイツ、ベルギー合作映画 8月 京都シネマ
監督 ジュリー・デルビ 主演 ジュリー・デルビ クリス・ロック 他
 
 ニューヨークで新しい恋人と暮す彼女のもとに、フランスから彼女の家族がやって来て巻き起こる、大騒動の2日間を描いたコメディー映画です。
 新聞評を見て足を運びましたが、小粋な洒落たコメディーには感覚的についていけないのが残念でした。
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「大統領の料理人」 フランス映画 9月 京都シネマ
監督 クリスチャン・ヴァンサン 出演 カトリーヌ・フロ ジャン・ドルメソン 他
 
 フランス大統領、ミッテランに仕えた、史上唯一の女性料理人ダニエル・デルプエシュの実話をもとに、女性シェフの奮闘を描いた物語でした。
 シェフに就任した彼女は、規律に縛れた官邸の厨房で孤立しながらも、美味しいさを追求し、大統領に提供していく、そしてその料理は大統領の心を捉えていく。
 心のこもった料理を通じて、大統領と料理人が心を通わせ、人間的な温もりを感じさせ、感動を与えてくれる映画でした。
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蠢動-しゅんどう-」 邦画 10月  MOVIX京都
監督 三上康雄 出演 平 岳大 若林 豪 さとう珠緒 栗塚 旭 他
 
 亨保年間の山陰因幡藩を舞台に、幕府の密偵として乗り込んできた剣術指南役。
 それを知り、その難局を乗切ろうとする城代家老。
 それぞれの立場から、正義、大義、武士道が交錯する中で藩命と友情の葛藤に苦しみながら、剣友を処断しなければならない武士の姿を描いていました。
 武家社会の不条理をあぶり出した、久し振に見る骨太の時代劇映画でした。
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「ハンナ・アーレント」 ドイツ、ルクセンブルグ、フランス合作 12月 京都シネマ
監督 マルガレーテ・フォン・トロッタ 出演 バルバラ・スコバ アクセル・ミルベルク 他
 
 ドイツに生まれ、ナチス政権の迫害を逃れてアメリカに亡命した、ユダヤ人政治哲学者ハンナ・アーレントの物語です。
 ナチス戦犯アイヒマンの裁判の傍聴記事を執筆発表し、世界中から激しいバッシングを浴び、特にユダヤ人社会の多くの友人が彼女の元から去っていく。
 それでも、生涯自説を曲げず、信念を貫き通し、強く生きていく姿を描いています。
 僕たちが経験した大東亜戦争、全体主義の中で抵抗し、信念を持って生きていく事の難しさ、人間の持つ弱さを改めて思い返させた映画でした。
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 思い返し、書いてみて、特に印象に残り素晴らしかったと思える映画は、まず「ソハの地下水道」です。次に「蠢動」そして「ハンナ・アーレント」でした。
 今年はどんな映画に出会えるか楽しみにしています。



 京都の夜を彩るクリスマスイルミネーション。
 ヨーロッパやアメリカ等のクリスマスイルミネーションに比べると、地味な趣ですが、でもその明るさは初冬の厳しい寒さを凌ぐように、暖かみを、そして楽しみを人々に与えてくれます。
 それらの一部をお目にかけたいと思います。


 「平安女学院、アグネスイルミネーション」
  (烏丸通り下立売)
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 「平安女学院、アグネスイルミネーション」
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 「京都ブライトンホテル」
  (新町通り一条)
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 「京都府立植物園」
  (北大路鴨川畔)
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 「京都府立植物園」
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 「京都府立植物園」
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 「京都府立植物園」
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 「京都府立植物園」
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 「京都府立植物園」
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 「北山教会」
  (地下鉄松ヶ崎駅付近)
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「北山教会」
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 「北山教会」
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 「北山教会」
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 「北山教会」
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 「北山教会」
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 「北山迎賓館」
 (地下鉄松ヶ崎駅付近)
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 「同志社大学、今出川キャンパス」
  (烏丸通り今出川)
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 「京都ホテルオークラ」
  (河原町御池)
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 「京都ホテルオークラ」
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 「京都ホテルオークラ」
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 「京都ホテルオークラ」
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 「新風館」
  (烏丸通り姉小路)
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 「新風館」
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 「新風館」
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 「新風館」
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 「新風館」
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2020年3月

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