大文字など、五山の送り火も無事に終わり、京都のお盆行事の締めくくりとして、雲ケ畑、広河原の松上げや、化野念仏寺の千灯供養と共に、嵯峨の送り火として、大覚寺の宵弘法が行われます。
大覚寺の宵弘法とは、弘法大師が除災招福を祈念し、毎年1回執り行われる大切な法会です。
夏の風物詩でもあるこの行事には、多くのお参りの方が訪れて、ご先祖さんを偲ぶと共に家内安全を願い、往く夏を惜しみます。
当日の案内板です。

行事は、寺域の東側の大沢池畔を中心に執り行われます。
大沢池の石碑が立っています。

時間の余裕もあるので、薄暮の境内を拝観してきました。
石舞台前から見る唐門(勅使門)です。
御影堂にお参りし、外陣から、石舞台と唐門を見ています。
御影堂です。
御影堂や宸殿等を往き来する、廻廊が連なっています。
御影堂から五大堂を見ています。
伽藍の周囲は庭園で囲まれています。
唐門、石舞台、御影堂と一直線に位置する「勅封心経殿」です。
中庭を通して、霊明殿を見ています。
宸殿と御影堂を結ぶ廻廊です。
この大覚寺には多くの障壁画があります。
宸殿 「鶴の間」です。
宸殿 紅白梅図 狩野山楽筆 重要文化財 桃山時代
紅白梅図 狩野山楽筆 重要文化財 桃山時代
紅白梅図 狩野山楽筆 重要文化財 桃山時代
障子の腰板にも繊細な兎図が。
正寝殿です。
午後7時近くになって、辺りにたそがれが迫ってきました。
石舞台と御影堂です。
石舞台に供えられたお参りの方の献灯です。
大沢池に迫り出して祭壇などが作られて、送り火法要の準備が整っています。

法要を営まれる僧侶たちの行列が、静々と宸殿前を進んできました。
僧侶の皆さんでの御影堂に拝して、読経が始まりました。
送り火法要の祭壇に向かわれています。

読経が始まりました。
和船が池の上に設けられた、お護摩祈願の送り火に点火されますと、炎と煙が池面を明るく照らし敬虔な祈りが捧げられています。
大きな炎が火の粉とともに、夜空に舞い上ります。

送り火が徐々に小さくなり、辺りに静寂が戻ってきます。
送り火点火に先立ち、和船による「流し火供養」が始まります。
色とりどりの多くの送り火行灯が、池面をゆらりゆらりと漂っています。
幻想的な感動を与えてくれます。
お参りの人々が、三々五々家路を急ぐころ、大沢池の辺りにも静寂が戻って、秋の気配が濃厚な涼しい風が水面を渡ってきました。
この日、福知山や兵庫丹後、そして広島の土砂災害の被害の実情が報道されて、その被害の甚大さに驚くと共に、一日も早く元の生活に戻られる事を願い、また多くの亡くなられた方のご冥福を改めて心からお祈りします。
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