京都市内の町内の、あちらこちらで「地蔵盆」が催されている、丁度、同じ時期の、8月の23日と24日2日間、奥嵯峨、化野念仏寺で毎年行事の千灯供養が行われます。また、この日に合わせて、地元の皆さんや、嵯峨芸術大学などの協力で「愛宕古道街道灯し」(あたごふるみちかいどうとぼし)が夜の奥嵯峨を彩ります。奥嵯峨の有名な化野念仏寺の千灯供養は、この地が昔からの葬送の地として知られ、葬られたお墓や多くの石仏、石塔が長い歳月を経て散乱していたのを、地元の人々の手で集められ「西院の河原」としてお祀りしたもので、この日、ローソクに火を灯し供養しているものです。一方「愛宕古道街道灯し」は今年第20回目を迎えるもので、化野念仏寺を中心に、愛宕神社一の鳥居から祇王寺に至る約1キロあまりの街道沿いの各家の軒先に行灯が置かれ、芸術大学の学生さんが竹と和紙を用いて制作した巨大な提灯、行灯が和紙を通して照らす灯が、奥嵯峨一帯に幻想的な風景を醸し出して、訪れた多くの人々を魅了しています。
宵闇が迫る、「高雄パークウエイ」高架下に吊下げられた「巨大提灯」です。
街道沿いの「お地蔵様」も飾られてお化粧しています。
「茅葺の民家」沿いに立てられた「巨大行灯」です。
多くの人が「愛宕古道街道灯し」の「点灯式」のために「愛宕神社一の鳥居」に集まってきます。
23日午後6時30分「点灯式」が始まり、松明に火が付けられ、各行灯に火がもたらされます。
祭り太鼓も華やかに式典を盛上げます。
鉦や笛を千頭に行列が愛宕街道を練り歩きます。
多くの人が見守る中、行列は進んできます。
「ひょっとこ踊りの会」の小さなお子さんから大人までのユーモア溢れ、思わず微笑む「ひょっとこ踊り」の行列です。
各家の前にも「行灯」が並べられて、山あいの集落をほのかに照らしています、その数800だそうです。
「千灯供養」が行われる「化野念仏寺」への参道です。
境内に入ると「西院(さい)の河原」までは、お地蔵さんの提灯が吊下げられ、卒塔婆の立つ「西院の河原」は数千体の無縁仏に、ろうそくが供えられて、辺りを明るく照らしています。墓地の周りは、手にお供えのろうそくを持った人々のお参りで混雑しています。
見上げれば木の間越しに、お月さんも顔をだしています。
「念仏寺」を後に、「愛宕街道」を多くの「行灯」や「提灯」を眺めながら、ぶらぶら散策しました。
ぐるりと巡って、うまく制作された、巨大な行灯や提灯を楽しく眺めながら「愛宕神社一の鳥居」まで帰ってきました。鳥居のそばの「つたや」さんです。
こちらは「平野屋」さんです。
「点灯式」の賑わいが嘘のような「一の鳥居」が、静かに行灯に照らされています。
「平野屋」さんの茅葺の屋根の上にも月が顔をのぞかせ、暑い京都といっても、さすがに奥嵯峨、9時近くになると、冷気が辺りを包みます。