十輪寺(じゅうりんじ)は山号を小塩山といい、天台宗の寺院です。ご本尊は延命地蔵菩薩で、京都洛西観音霊場第三番の札所です。創建は、嘉祥3年(850年)文徳天皇の皇后染殿皇后が安産祈願をしたことが始まりとされ、また在原業平が、晩年このお寺に隠棲したとの由縁から「なりひらでら」と通称で呼ばれています。応仁の乱などにより寺運が衰えましたが、寛文年間花山院定好によって再建されました。
正面参道ですが、参詣には、右の駐車場横からの参道を使用します。
「山門」です。
「山門」を入ると正面に「書院」があり、受付があります。参詣にあたって、ご住職から堂塔の説明や、在原業平との由縁など事前に説明を受けてから、本堂に向かいます。
「中門」を潜ると目の前に庭園と本堂が現れます。
「庭園」です。
「本堂」(重要文化財)です。創建当時の伽藍は、応仁の乱で焼失し、寛延3年(1750年)の再建です。屋根はお神輿の屋根によく見られる鳳輦型を型どった、非常に珍しいものです。
「庭園」の一画に「鐘楼」(重要文化財)があります。
「鐘楼」です。寛文6年(1666年)の建立で「不迷梵鐘」(まよわずのかね)と呼ばれています。
「業平紅葉」です。
「本堂」「業平御殿」に向かう「髙廊下」です。一段と高くなったこの廊下から眺めるお庭は、天上界から見下ろす天人になったつもりで感ずるという。
「庭園」「三方普感の庭」(さんぽうふかん)です。寛延3年(1750年)右大臣藤原常雅公が、本堂再興した時に造られたもので、髙廊下、茶室、業平御殿の三箇所から場所を変え、見る人に様々な想いを感じさせる癒しの庭です。大きな石3個は、過去、現在、未来を現し、この庭に大宇宙を観ずるというもの、中央はなりひら桜です。
「なりひら桜」です。樹齢200年ぐらいで、業平御殿から横に寝て手枕で眺めた「天蓋の桜}は緑濃いなりひら桜で、勧められた通り全くの違った趣を感じ取ることができました。
「本堂」から裏の山道を辿ると在原業平の旧跡が散在します。
「在原業平」のお墓です。
在原業平旧跡「塩竈の跡」です。平安時代の歌人、在原業平がその晩年に隠棲し、難波の海水を運び、塩焼きの風流を楽しんだと伝えられています。毎年11月23日には「塩竈清めの祭」が行われます。
「本堂」の「鳳輦型」の屋根の様子がよく分かります。
洛西大原野に点在する社寺を巡り、帰路、十輪寺に寄り、一日を終えました。さすがに疲労感は濃く、これほど多くを巡ったのは初めてでしたが、それぞれの社寺の仏像などをゆっくり拝観し、充実した気持ちで帰宅しました。
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