「神戸」。 京都とは全く違った雰囲気をもった町として、憧れのような気持ちを常に持たせてくれます。
前に海を望み、背後に六甲の山並みが迫り、旧の居留地などを歩くと、異国情緒を感じさせる建物などが見られて飽きることがありませんし、潮風に吹かれながら海沿いを歩くのも、港町神戸の醍醐味でしょう。
その神戸にもう一つの顔、「彫刻の町こうべ」があります。市内には500点を超える彫刻作品が野外に設置されていて、それらを鑑賞しながら、神戸の町を散策するのも、新たな発見もあって楽しいのではないでしょうか。
今回は三ノ宮周辺の野外彫刻の作品群をご紹介します。
神戸の町を、北は山陽新幹線の新神戸駅から、JR三宮駅、阪急三宮駅を経て、南は税関前まで南北に通じるフラワーロード、その道路沿い両側に設置されています。
阪急三宮駅を降りて、始まります。
阪急三宮駅を降りた、三宮駅北交差点の広場にあります。
女体が組合された、高さ3mの異様な姿が人目を惹きます。
風の標識No.45 大成浩 作 さんきたアモーレ広場
同じくその広場に設置されています。フット昔遊んだ磁石を思い出してしまいましたが。
「長い午後」掛井五郎 作 ニッセイ三ノ宮ビル前
三宮駅北交差点を北へ、西側歩道を山手へ歩いてすぐにあります。
おどけたような顔と、なんとも言えない足の恰好が、独特のユーモアを提供してくれて楽しくなります。
その場所から、JR三ノ宮駅北交差点付近を振返ったところです。
同じ場所から、北方向山手を眺めたところです。
「MEDETAI」流政之 作 代々木ゼミナール前
同じく西側歩道を歩いていくと、ビルの敷地内に設置されています。
目出鯛そのままで、大きな目でちょっと通りすがりの人を眺めています。愛嬌のある姿にちょっと頭を撫でてやりたいです。
「家族」女神と天使そして男 加納町三丁目交差点南西
加納町三丁目交差点の南西の角にあります。
現代の姿を反映しているかの如く、偉丈夫の如き女性に皆が「おんぶにだっこ」これで家庭は平穏無事に過ぎていきます。
「少女」大桐国光 作 加納町三丁目交差点北西
同じ交差点を渡ったところにあります。
今度は清楚な少女像です。恥じらいのあるその姿もまた現在の女性を表しているでしょう。
「なほ」岩野勇三 作 加納町二丁目
尚も歩道をしばらく進むとあります。
美しい引き締まった顔に、右肩をぐっと上げて、意思の強固さを押し出しています。
「WIND」津野充聡 作 布引町4丁目
加納町三丁目交差点まで戻り、東側に渡り、今度は東側歩道を三宮駅方向に帰ります。
長いつばのあるわら帽子でしょうか、その立ち姿は、そして左手は進むべき道を指し示しているようです。
「浮遊する物体」石黒鏘二 作 JR三ノ宮駅北
三宮駅北交差点まで戻ってきました。
駅前のロータリーの真中にあります。左右の強固な物体に支えられて、回転しそうな感じです。
三宮駅北交差点から、また西側の歩道に戻って、今度はフラワーロードを海岸に向って南下し、税関前まで行くことにします。
「雲の中の海」吉田隆 作 三ノ宮センター街入口
周りが雲で中の円形が海なのでしょうか、僕には周りは得体のしれない宇宙空間で中の円形が雲、その下の僅かな空間が海でもあり、陸でもあるような気がしますが。
「レダ」桜井祐一 作 神戸Fビルディング前
国際会館前の交差点北西にあります。
この女性は何に向かって何を訴えているのでしょうか。それとも何かを拒絶しているのでしょうか。
「追憶」山本正道 作 金沢三宮ビル前
国際会館前の交差点西南にあります。
過去のなにを思いだしているのでしょうか。
「潮風」一色邦彦 三宮三和東洋ビル前
国際会館前の交差点東南にあります。
「どんな感じ」と媚びるような感じで問い掛けてきています。
「潮風に吹かれて気持ちいいんでしょう」と答えます。
国際会館前から山手方向を眺めています。
「わたしと私」井上玲子 作 花時計前
神戸市役所2号館の前の植込みにあります。
一対の左右の像、一方は実体のある像、一方は外形だけの像。人間の二面性を表現しているのでしょうか。
「帽子・裸婦」佐藤忠良 作 第一南ビル前
神戸市役所2号館前東側歩道にあります。
お馴染の作家です。
ちょっと首を傾げて物憂げに立っています。
「道標・鴉」柳原義達 作 タイホービル前
同じく神戸市役所2号館前東側歩道にあります。
毎朝、夜が明けると鴉の鳴声に悩まされて、この彫刻を見るだけで、嫌な思いがよぎります。
「WOMAN」朝倉響子 作 フラワーロード東側
神戸市役所1号館前東側歩道にあります。
芸術一家に育ったお馴染の作家ですね。
この女性の像は見ているだけでこちらが疲れてきそうです。
踊りを踊っているのでは下半身が躍動していないし、押し潰されそうな人生なのでしょうか。
フラワーロード西側、神戸市役所南隣にある、東遊園地公園です。
この公園の中にもあります。
「シオン」船越安竹 作 フラワーロード西側にあります。
「MARINA」新谷琇紀 作 東遊園地北側
作家のイタリア人の奥さんがモデルのこの像、ヨーロッパの芸術の影響を強く受けているような気がします。
「エーゲ海に捧ぐ」木内克 作 東遊園地北側
髪が長くて、下半身をことさら強調したこの女性像に乾杯。
「スプリング・ストーン」環境造形Q 作 フラワーロード西側
東遊園地フラワーロード西側にあります。
「日本近代洋服発祥の地記念彫刻」環境造形Q 作 東遊園地ステージ東側にあります。
「W・Jモラエス翁像 長谷川雅司 作 東遊園地グラウンド南西にあります。
ポルトガル領事をつとめ、日本を世界に紹介した人物の顕彰碑です。
東遊園地です。
「老人」本郷新 作 フラワーロード西側にあります。
頑固一徹そのものの老人。前に置いた左右の手は、「来るなら来い」と意気軒昂としています。
素晴らしい老人像だと僕は思いました。
「スペース・アイ」多田美波 作 フラワーロード西側
「ふれあいの滝」新谷英夫・琇紀・澤子・英子 フラワーロード西側にあります。
水とモニュメントの戯れを楽しませてくれます。
「海の栄え」久保浩 作 フラワーロード西側にあります。
風薫る五月、さわやかな若葉の風を身体一杯に受けて、希望の明日へ歩もうとしています。
「愛 仔馬の像」柳原義達 作 東遊園地噴水東にあります。
世界に向けて、平和のシンボルを背に、今まさに飛び立とうとする、神馬の如き趣を感じさせます。
税関前の陸橋から、フラワーロードを通して北方を眺めています。
陸橋を渡り、フラワーロード東側歩道を三ノ宮駅に向って帰ります。
「星の肖像」新宮晋 作 フラワーロード東側にあります。
風の動きにつれて、くるくる回転しています。
燃料も電気も要らない、自然の力と恩恵をフット呼び覚まされます。
「歩く鉄」土谷武 作 フラワーロード東側
不安定な鉄塊を支える足、今にも歩き出しそうな気配を感じます。
「マスクA」清水久兵衛 作 フラワーロード東側にあります。
「困っている道祖神」木村賢太郎 作 フラワーロード東側にあります。
神戸市民を災難から守る、守り神として立てられたと思われる道祖神。
男女一対のものが仲良く並んでいるのが多いようですが、別々の方向を向いているので困っているのでしょうか。
三ノ宮界隈の野外彫刻群の鑑賞は終わりです。神戸市内にはまだまだ他にもあります。
また次の機会に、はてなと考え込んで、巡ってみたいと思います。
(作品名と作家名は神戸市のホームページより引用させていただきました)
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