京都の年中行事の中でも、節分行事は一般家庭でも広く行われている行事の最たるものの一つでしょう。
子供の頃は、毎年あちらこちらの神社仏閣の節分会に、父に連れられていった思い出が数多くあります。
「やっこ払いまひょう、厄払い」と声高に厄払いが町を回ったとも聞いています。
昔と違って年々お参りの人々が増えて、どこもかしこも人波に揉まれて吃驚します。
今年は、2日、3日と暖かいのを幸いに出歩いてきました。
壬生寺節分厄除大法会
京都の数ある節分行事の中で、吉田神社と共にその名を全国的に知られている壬生寺です。
その厄除法会も、900年の長い歴史と伝統を今に伝えています。
また京都の裏鬼門に(南西)に位置し、京都の節分鬼門詣りに多くの人がお参りします。
大法会は、2月2日から4日まで三日間にわたって行われ、有名な壬生狂言「節分」は2日、3日と上演されます。
参詣者で賑わう表門前です。
参道には、素焼きの焙烙を求める人が多く見られ。家内安全など願事を焙烙に書いて奉納するという珍しい風習があって、その焙烙は、4月の壬生狂言の「焙烙割」で割られる光景は、例年テレビ等で放映されているので全国的に良く知られています。
本堂には多くの参詣者が詰め掛けています。
日本髪の美しい女性も、ちらほら見かけました。
2日午後2時から、聖護院山伏衆の大護摩祈祷が行われ、信者から奉納された多くの護摩木を焚いて、厄除け開運を祈願されました。
多くのお参りの方々の見守るなか、儀式は弓矢や刀、斧などでもって、厄や災難を取り払います。また、壬生寺住職や山伏座主による祈祷文の奏上などがあります。
山伏衆の祈祷のうちに、護摩木が順次お祈りしながら投げ入れられていきます。
勇壮な炎が立ち上るうちに終わりを告げます。
法輪寺(達磨寺)の節分
通称は達磨寺、号は大宝山、臨済宗妙心寺派です。
だるま寺の名で多くの人に親しまれています。
亨保12年(1727年)万海が創建されました。
三国一と称する、起上り達磨をはじめ、諸願成就に奉納された、達磨約8000体を祀る達磨堂は有名で、節分は参詣者が多く賑やかです。
だるまさんの飾りで賑わう門前です。
諸願成就を書いたお札さんを、達磨さんに貼付けて祈念します。
衆生堂です。いたる所に達磨さんで一杯です。
方丈の縁には、大小様々な達磨さんが並べられています。
また、ご覧のように、方丈の南側には「十牛の庭」と命名された美しい庭があります。
方丈の縁に、屏風が並べられていました。
奉納された大きな達磨さんが、愛嬌のある睨みをきかしていました。
北野天満宮の節分祭・追儺式
北野天満宮は、天暦元年(1947)京都西北「乾の隅」、北野の地に皇城鎮護の願いを込め建立されて以来、災難除・厄除の社、また福の神が宿る社として、人々の篤い畏敬を集めてきました。
節分祭(立春前日)には古くより「北野の追儺式」が行われて招福、無病息災が祈られています。
また京都では「四方詣り」と称して節分ゆかりの四社寺を参詣する習慣が続いており、当宮は、その四方詣りの最後を担う最も重要なお社として信仰されています。
(下記福豆の裏面、ゆかりの説明書きを転載しました。)
福豆の図柄が今年は三種類となりました
3日当日は午前10時から、本殿にて節分祭が行われました。
節分祭の追儺式「鬼やらい」は神楽殿にて午後1時から行われ、まず、茂山千五郎社中の皆さんによる、摂社福部社の御祭神である福の神が鬼を払う「北野追儺狂言」が奉納され、 その後、上七軒歌舞会による、春に因んだ日本舞踊が奉納されて、奉納された皆さんによる豆まきが執り行われました。
鬼の登場です。
福の神に追われて、鬼が逃げて来ました、逃げ込む場所は「乾の隅」西北の隅となっています。
賑やかな掛声と、笑いの渦の内に鬼は退散しました。
最後に豆まきが行われました。
茂山社中の皆さんや、上七軒の舞子さん芸者さん達による豆まきです。
福を授かろうと、凄い熱気の内に無事終わりました。
千本釈迦堂
おかめ福節分祭が午後3時から始まりました。
まず、番匠保存会による木遣音頭奉納により始まります。続いて住職をはじめとして、茂山七五三社中皆さんが、鬼やおかめの姿で本堂からおかめ像まで法螺貝の音ともに行列し、おかめ像の前で、おかめ法要が行われました。
終わると、本堂にて厄除け祈願法要が営まれます。
その後、伝統古式に則り、鬼追いの儀の奉納があり、最後に関係者一同による豆まきが行われて終わります。
境内に掲示されていたポスターです。
当日の門前から参道です。
本堂前には、既に多くの参詣者が集まっていました。
おかめ像です。普段と違って、節分当日は場所柄、西陣織で着飾って鎮座しています。
節分祭に先立って、上七軒のお茶屋さんによる、日本舞踊が奉納されました。
茂山七五三社中による、鬼追いの儀の奉納です。
鬼が打出の小鎚を振りまわし、暴れまわるのを、おかめが面白い仕草で鬼を降参させるという筋書きです。
笑いとどよめきのうちに終了です。
おかめの愛嬌あるお面としぐさです。
最後に、関係者一同による福豆の豆まきです。
右端は、鬼役の茂山宗彦さんです。左端は、壬生寺住職さんです。
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