伏見稲荷大社の「お火焚祭」

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 私達の一番身近に親しまれている稲荷神社は、全国に30.000社あるといわれています、その総本宮が伏見稲荷大社です。
 商売繁盛、五穀豊穰の神様として、1300年にわたって庶民の信仰を集め、「お稲荷さん」と広く親しまれています。
 
 その稲荷大社のお火焚祭が毎年11月8日に執り行われています。秋晴れの当日、参拝してまいりました。
「火焚祭」は一年間の五穀豊穰を感謝して行われる祭事です、

 子供の頃は神社だけでなく、民間でも広く行われておりました。
 わが家でも、神棚の前で、鉄床に護摩木を井桁に組んで、天井から御幣を吊り下げ、お火焚きをしておりました。火の勢いで、御幣が高く舞い上がると、吉兆の印として喜んでおりました。
 住まいが、中京区の商家の多かった地域でもあり。近所のお宅にも子供同士連れ立ってお参りし、お供えしてあった、お下がりの宝珠の印の入った紅白饅頭や、おこし、お芋などを貰うのが大いなる楽しみの一つでした。
 現代の飽食の時代には考えられない事で、懐かしさがいっぱいです。


 JR稲荷駅前の新しく整備された参道です、大鳥居が出迎えてくれます。
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 「楼門」です。天正17年(1598年)豊臣秀吉の造営とされています。
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 「ご本殿」です。(重要文化財)
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 誰もが一目でわかる、「千本鳥居」です。TVドラマや映画でお馴染です。
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 火焚祭りは、その千本鳥居を入った、左側の神苑斎場において、執り行われます。
 既に準備万端、整っています。
 中央祭壇の左右に積み上げられているのが、全国からの願い事を書いて、奉納された護摩木の火焚串です、その数、約10万本といわれています。
 祭壇を中心に、火床が三ヶ所設けられています。
 火床は、3メートル四方で高さ1.5メートルあり、四方に檜の葉を被せてあります。既に、火焚串が入れてあり、その上に、今年、神田で収穫された稲藁が円錐形に立てられています。
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 本殿の祭典が午後一時からおこなわれ、その後、午後二時より、この場所で、火焚串が炊きあげられます。
 宮司さん以下、神官の皆さんが列席の中、お祓いに始まります。
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 参列者の見守るうち、厳かに各火床に行われました。
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 中央に置かれた「櫃」には本殿から移された、神に捧げる鎮めものが納められています。
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 鎮めものを取り出し、各火床に納められます。
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 祝詞を捧げられ、納められます。
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 その後、祭壇に祀られていた、火焚の為の基火を取り下げて、いよいよ点火となります。
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 基火を移しています。
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 いよいよ点火となります。
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 もうもうたる煙が、辺りを覆います。

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 神職の方が、拝礼をしながら、火炊串を次々、火床に投げ入れていきます。
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 炎が上空に舞い上がります。
 大きくならないよう、柄杓で水を掛けて回ります。
 中央祭壇から、火焚串を運ぶ人など、猛烈な熱さの中、多くの神職の方が忙しく立ち回ります。
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 立ち上がる紅蓮の炎の高さに圧倒されます。
 また、その熱さに後ずさりしなければならないくらいです。
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 その間、神職の方々が、各火床を回り、神の御加護をお祈りいたします。
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 炊き上げられている間、宮司さん始め神職の方々が、大祓詞を唱えられ、家内安全、無病息災、罪障消滅、万物招来を祈られます。
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 炊き上げれている間、巫女さんによる、御神楽の奉納が三度あります。
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 宮司さんを始め参列者の皆さんが、最後の炊き上げが終わるまで、祝詞を奏上して終わります。
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 午後二時に始まったお火焚祭も、無事終わりを告げました。
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このページは、Kが2013年11月 9日 12:13に書いたブログ記事です。

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