轡田郁子・吉見久子 「モロッコ 諸々展」

| コメント(0)
 轡田郁子・吉見久子、お二人による、「モロッコ」を題材とした写真展を鑑賞した。
場所 ギャラリー&喫茶 繭(まゆ) 下京区仏光寺通烏丸東入一筋目上る

 祇園祭、山鉾巡行の翌日とあって、付近はまだ熱気が漂っている雰囲気である。

 私にとっては、モロッコと聞くとアフリカ大陸の北の果て、という印象しかない。隣国アルジェリアと同一視してしまう程の知識の無さだ。「砂漠とカスバ」映画 「外人部隊」「望郷」「カサブランカ」などフランス植民地時代の名画を思い起こさせてくれる存在でしかなかった。
 お二人による「モロッコ旅行」での美しい砂漠の風景や、この地、特有の街の風景などが飾られて、観る者を楽しませてくれる。
 しかし同じモロッコの被写体でありながら、ファインダーを覗く、それぞれ、お二人の意図によって、かくも違った印象を与えるものかと思う。

 轡田さんは構図の中に、必ず人物や動物が写し込まれており、その瞬間まで待つと話されており、人物等、を通して自然や風景などを捉え、そこに、生き物と自然との対話を求めているように思はれる。
 かたや、吉見さんは、人物等は意図的に排除し、大自然のそのままの姿を、あるときは荒々しく、または繊細に表現し、自然と人間との対話を、無言の内に鑑賞者に働きかけ、答えを見つけ出させようとしているように思はれる。
 今回のように、視点の相違する、二人の作品を並べる事により、二人展の意味と成功があるように思う。

 いずれにしろ、同じ方向から物事を捉えるのではなく、違った方向から物事を捉え、考察する事の大切さを痛感し、約10年前に上演された「赤シャツ」を思い出しながら、帰途についた写真展であった。


写真展、お誘いの葉書
m1.JPG


ギャラリー「繭」 仏光寺通りから、綾小路通りへの抜け路地の中ほどの一角にある。
知る人ぞ知る、隠れギャラリーの感あり、写真展が多く開催されており、毎年訪れている。
IMG_0004.JPG


ギャラリー内部、奥のコーナー、一画に5.6人が座れる喫茶部分があり、常連さんが集まって談笑されている、家庭的な雰囲気のギャラリー。
IMG_0001.JPG


青年座 公演「赤シャツ」作 マキノノゾミ 演出 宮田慶子  出演 長谷川稀世 他
 赤シャツとは、ご存知、漱石の「坊ちゃん」に登場する、坊ちゃんの敵役です、坊ちゃんは、一人称で主観によって語られており、本当に赤シャツはあんな嫌な奴だったのか、マキノノゾミさんは、赤シャツの視点からみた、坊ちゃんを描いて、物事には表裏から、視点を変えて、捉える重要さを笑いの中に取り入れて、楽しい舞台を作り上げていました。
赤シャツ.JPG

コメントする

2020年3月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

このブログ記事について

このページは、Kが2013年7月19日 06:18に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「祇園祭あれこれ」です。

次のブログ記事は「「瀬戸内国際芸術祭2013」を訪ねて 1 小豆島」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.2.10