かって、奥美濃の山々を登り、帰路、酷道156号線や、その後、完成した東海北陸道に車を走らせながら気に掛けて通り過ぎていた郡上八幡、このたび機会があってようやく訪れてきました。
岐阜県の中央に位置する郡上八幡は、長良川の支流吉田川と長良川が合流する付近に市街地が広がり、八幡藩の城下町として古くから栄え、郡上地域の中心都市として現在に至っています。しかも、奥美濃の山々からの湧水や流れ出た清流が街中を縦横に流れ、独特の水文化を育み、名水の町として、国の重要伝統的建造物群として、選定を受けた古い町並みとともに落着いた雰囲気を醸しだしています。また7月から9月まで32夜を通して踊り抜く「郡上おどり」として全国的に知られています。
郡上八幡の玄関口、長良鉄道 「郡上八幡駅」です。元JRの「越美南線」ですが昭和61年に第三セクター「長良鉄道」として現在は運行されています。
「郡上八幡めぐりを」頂いた「町巡りのモデルコース」を地図を頼りに、「郡上八幡博覧館」から始めました。城下町として防御の必要から辻の突き当たりには必ず「8家9宗」のお寺が配置され、狭い町中に現在も13のお寺が甍を連ねています。博覧館前の殿町にある「浄因寺」です。
「浄因寺」から柳町通りを南下していきます。柳町通りの町並みです。
「柳町通り」の「わらべ地蔵」です。
同じく「柳町通り」の「安養寺」です。「郡上御坊」とも言われています。
広い境内と立派な伽藍が建ち並んでいます。壮大な本堂は岐阜県で木造で最大のものといわれています。郡上八幡城への登り口になっています。
「鐘楼」です。
柳通りを南下し、吉田川に突き当たります。その橋の袂、北側にある「神農薬師」です。
同じく「神農薬師」の横にある「折口信夫」の歌碑です。 古典学者、民俗学者として有名な折口信夫の歌碑です。
長良川最大の支流「吉田川」です。 新橋より眺めたところです。この橋上から夏になると子供たちが瀬をめがけて飛び込む姿がニュースになり、よく知られています。
「吉田川」アユ釣りの人々が多く見かけます。
吉田川に掛かる新橋を渡ると、南側橋畔にある「犬啼水神」です。
同じく南橋畔にある「郡上踊り発祥の地記念碑」です。
「郡上八幡旧庁舎記念館」（登録文化財）です。郡上は古くから養蚕が盛んで、明治15年（1882年）この場所に開業した製糸会社「開祥社」の建物で、大火の後、昭和11年（1936年）八幡町役場として現在の建物が建築されました。
吉田川に沿って小径「いがわこみち」です。水路と歩道によるこの小径は、有志の人たちの手で管理され、鯉や岩魚、あまご、鱒、鮎などが放流され、用水路として生活用水としての重要なものとなっています。
「いがわこみち」に泳ぐ魚群たちです。
生活用水として今も大いに利用されている「いがわこみち」
「いがわこみち」を歩き、さらに南下し、愛宕町を経て河原町へと歩を進めます。「左京稲荷神社」です。このあたりは旗本金森左京の屋敷跡で、守護神であることから左京稲荷神社と呼ばれています。
「河原町」この辺りも古い民家が軒を連ねています。
「河原町」です。 乙姫川と上流の乙姫町です。乙姫川を南下し
乙姫町の突き当たりに建つ「妙高山 最勝寺」です。 貞永2年（1233年）法名専修の建立といわれています。
最勝寺のすぐ側に建つ「慈恩護国禅寺」です。城主遠藤慶隆によって慶長11年（1606年）建立されました。
「慈恩寺」付近から眺めた「郡上八幡城」です。
河原町まで戻り、西行して「立町」を歩きます。
立町にある「願蓮寺」です。
立町から北上して「新町」通りを吉田川に沿って東行します。新町の格子のある民家です。
「新町」「郡上おどり」の幟がはためく新町通り。
新町に続く「やなか水のこみち」です。小石を敷き詰めた小径で、清流が流れ柳も芽吹いてしっとりと落着いています。
「吉田川」の 宮が瀬橋を渡り、本町、鍛冶屋町、職人町を北上して、出発地へと戻っていきます。
「本町通り」へやってきました。
本町通りからの横道「宗祇水」（そうぎすい）へ石畳の小径です。
「宗祇水」は日本名水百選の大1号に指定された記念すべき湧水です。文明3年1471年連歌の宗匠飯尾宗祇がこの泉で歌を詠み交わした由縁から宗祇水と呼ばれています。
「本町」から鍛冶屋町、職人町と古い家並みが続きます。郡上市内で一番美しい町並みが見られます。
商店も絵になります。
「鍛冶屋町」の昔懐かしい郵便ポストです。
「職人町」です。誇らしげに各家にこのように吊下げています。
「蓮生寺」です。お寺の多いのには吃驚します。
「職人町」の町並みから正面に「長敬寺」が見えます。各家に隣家の境に「袖壁」が見られます。何度かの大火に見舞われた延焼を防ぐこの町の智慧なのでしょう。
出発地に戻ってきました。「長敬寺」山門です。
「本堂」です。
「長敬寺」門前から西に突き当たりにある「大乗寺」です。山門です。
「大乗寺」境内です。
「大乗寺」から眺めた郡上八幡城です。
郡上八幡博覧館を出発して、ぐるりと郡上市街をひと回りして出発地に帰ってきました。どこを歩いても、細い露地でも軒下の用水路を清流が流れていて、まさに名水の町に恥じない情緒ある町歩きができました。
