岐阜県中津川市(旧、恵那郡加子母村)にある、芝居小屋「かしも明治座」で毎年開催される、地元の人々による、歌舞伎公演を鑑賞しに訪れました。
初日は周辺の観光地を巡り、下呂温泉で一泊。翌日、歌舞伎公演を鑑賞するという行程です。
まず、八百津町出身で、多くのユダヤ人の命を救い、日本のシンドラーと尊敬された、外交官の杉原千畝氏を記念して建設された記念館訪問です。
そして、同じ八百津町で、棚田100選に選ばれた、上代田棚田を見物、翌日、加子母村へ移動し、歌舞伎公演を鑑賞して帰京しました。
人道の丘公園として、整備された一画に、杉原千畝記念館があります。
杉原千畝の銅像が建立されています。後方の建物が杉原千畝記念館です。
銅像を見ながら進むと、人道の丘モニュメントがあります。
人道の丘のシンボルであるモニュメントです。
噴水、照明とともに音楽を奏で、平和の光とともに世界へのメッセージを発信しています。
記念館内部です。岐阜県の特産である、地場産業の桧材で建設されています。
多くの展示品や、千畝の執務室の再現、八百津町を見晴らす展望室等で構成されています。
日本の棚田100選に選ばれた、上代田(かみだいだ)棚田です。
県内外のオーナーによる、「棚田オーナー制度」によって維持されています。
景観として見るならば、惜しむらくはアスファルト道路が棚田を何ヶ所か、横切っていることですが、作業の観点から見れば仕方の無いことでしょう。
天然記念物、加子母の大杉です。(加子母小郷大杉権現)
高さ 約31m 幹周り 約12m 樹齢 約1000年です。
加子母明治座、歌舞伎公演(岐阜県指定重要有形民俗文化財)
江戸時代から、美濃や飛騨地方では、地元の人々による歌舞伎興行が盛んに行われ、この加子母も例外ではなく、芝居小屋が建てられ、加子母歌舞伎保存会により、現在も守り育てられています。
尚、歌舞伎公演だけでなく、様々な芝居や、コンサートなど、イベントにも使用されています。
構造は木造で、回り舞台や、奈落なども備えられており、客席は1階と2階とにあり、2階から観劇しました。
当日の公演パンフレットです。
加子母明治座の全景です。三々五々、人々が集まってきます。
客席には、当公演のための各界からの、奉加金の短冊が賑やかに貼り出されて、ローカル色豊かです。
村人たちが、お弁当や飲み物を持ち寄り、賑やかに、昔の唯一の娯楽だった時代を彷彿させます。
公演中のスナップ写真です
御目見得寿曽我対面 工藤館の段
恋女房染分手綱 重丿井子別れの場
付記
映画 大鹿村騒動記 2011年 7月 16日 公開
南アルプスの美しい景観と300年以上の伝統を、今も守り続ける、長野県下伊那郡大鹿村の、農村歌舞伎を舞台に「仇も恨みも是まで是まで」と涙と笑いの物語でした。
村民、約300人がエキストラ等として協力し、映画完成を支えました。
主演の、原田芳雄さんが、病を押して凄まじい気力と演技力で乗切り、映画公開3日後の7月19日に亡くなりました。71才でした。
この映画が遺作となり、キネマ旬報の主演男優賞など、数々受賞されました。
監督 阪本順治 脚本 阪本順治 荒井晴彦 キャスト 原田芳雄 三国連太郎 岸部一徳 石橋蓮司 大楠道代 松たか子 佐藤浩市 小野武彦 他