April 2009アーカイブ

ボストンに3連敗

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 Yankeesは、今シーズン最初のボストンとの3連戦で、3連敗という結果に終わりました。Yankeesに勝つチャンスは、何れの試合もありました。しかし、投手交代のタイミング、投手の配球ミス、野手のエラーによって、因縁のライバル決戦の幕開けを最悪の形で終えることになったのです。
 特に、このシリーズの流れを決めたのは、初戦、守護神Riveraが9回2死から、BostonのJason Bayに同点ホームランを喫して、今シーズン初のBlown Saveを記録したことです。Yankeesの完全な勝ち試合を台無しにしたことが、後の2戦に影響を与えたといえるでしょう。かつてDodgersのクローザー、Eric Gagneが84回連続セーブというとてつもない記録をうちたてましたが、どんなにすばらしいクローザーでも年に5回ほどのBlown Saveをするものです。Riveraが、打たれたことは仕方のないことでしょう。
 問題は、その試合で、Riveraを投入したタイミングです。Boston戦の前に、このところ8回のSetup Manとして安定した投球をしていたBruneyが肘に違和感を感じ(結局のところ、DL入り)、彼は、少なくとも、第1戦を欠場することになっていました。そこで、Girardi監督は、Riveraを8回から準備させ、4−Out Saveを求めました。ただし、その決断に迷いがあり、Riveraを投入したのは、8回2アウトから、Albaladejoが死球を与え、次の打者に1ストライクをとった後でした。試合後、Girardi監督は、打者、Ellsburyとのマッチアップを考えて決断したと話していましたが、どうも歯切れの悪い答えでした。Albaladejoの調子はとてもよかったと思います。その試合のSetupを任せてもよい状況でした。確かに、死球を与えたことで、不安がよぎったのかもしれません。それでは、なぜ、1ストライクをとった後に、交代という決断になったのでしょうか。こうした迷いが試合の流れを変えてしまった気がするのです。
 また、Riveraは、Boston戦を得意にしているわけではありません。キャリアのBlown Saveは、59ですが、実に、その20%以上にあたる、12回が対Boston戦です。絶対的な守護神といわれるRiveraでさえも、苦手意識があるといわざるを得ません。さらに、ここまで、絶好調にみえたRiveraですが、シーズンオフに手術をして、絶好調時のスピードを取り戻していません。この時期に、4−Out Saveを求めるのは、早すぎるのです。
 この試合は、結果として、今シーズン最高の出来をしめしたMarteが、延長11回に、Youkilisに特大のサヨナラホームランを打たれて、決着がつきました。シリーズの流れは、完全にBostonに傾く結果となったのです。

先発投手陣崩壊(Mets)

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 Metsは、最初のホームスタンドを3勝3敗で終えました。18日のMilwaukee Brewers戦は、ここまでのベストゲームといえる投手戦を制しました。絶好調のエース、Santanaが7回を7三振、無失点で切り抜け、PutzとK-Rodが完璧に抑え、1対0の勝利でした。翌日は、接戦を4対2でおとし、12試合をおえて、6勝6敗の成績でした。この時点で、Santanaとともに、Metsをささえていたのは、ブルペンでした。防御率1.89は、メジャー1番の成績です。2位のSeattleが2.33ですから、Metsブルペンの安定感は際立っていました。
 しかし、その後、アウェイでのSt. Louis Cardinalsとの3連戦、3連敗という結果におわりました。ブルペンも疲れをみせましたが、問題は、先発投手陣の頼りない投球でした。Oliver Perez、4.2回4失点、John Maine、5.2回5失点、Livan Hernandez、4.1回7失点で、誰一人、6回、3点以内という、先発投手に求められる"Quality Start"という役割を果たせませんでした。これまで、5人の先発陣の成績をみると、Santana 2勝1敗(ERA0.46)を除くと、Perez 1勝1敗(ERA7.80)、Maine 0勝2敗(ERA7.47)、Hernandez 1勝1敗(ERA7.31)、Pelfrey 1勝1敗(ERA7.80)で、4人ともに、防御率7点以上という悲惨なものです。これでは、ブルペンの負担も増してきます。早急に、先発投手陣を立て直す必要があります。
 

今年のマツイ選手

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 Yankeesの最初のホームスタンドは、22日、14回裏、Melky Cabreraの劇的なWalk-off(サヨナラ)2ランホームランで勝利(9対7)した結果、4勝2敗でした。第2シリーズのOakland Athletics戦は、初戦、雨天順延となりましたが、2連勝でスウィープしました。この2日間、心配されていたブルペンがもちこたえたのが勝因です。特に、22日、先発のSabathiaが、またしても、期待に答えられず、6.2回、7失点という結果でしたが、その後、6人のリリーフ陣が、7.1回を無失点に切り抜け、勝利をおさめたのです。
 さて、今まで触れてこなかったMatsuiの今シーズンここまでの成績を振り返りたいと思います。手術した左膝の状態が思わしくなく、アウェイ開幕戦でホームランを打ちましたが、その後、完全に沈黙し、スタメンを外れたり代打だけの出場もあり、アウェイでの成績は、24打数3安打、得点圏では、11打数ノーヒットという悲惨な状態でした。後の報道によると、16日のホーム開幕戦後、膝の水をぬき(本人は否定)、Cortisone Shot (痛みを緩和する注射)をしたことで、膝の状態がかなり改善したようです。その結果、ホームスタンド6戦では、17打数7安打、得点圏でも、2打数2安打でした。22日の試合でも、最初の打席でホームランを打ち、復活の兆しを見せてくれました。
 Matsuiというと、日本でのイメージが強すぎて、どうしてもホームランを期待してしまいますが、Yankeesとの契約最終年を迎えた彼にとって、鍵は、「レフトへ強い打球を打てるか」ということだと思います。そのためには、膝が万全でなければならないでしょう。2003年、Yankeesの一員となった年、前半戦、外角に逃げる球に手こずり、引っ掛けたゴロの山を築き、"Ground Ball King"といううれしくないニックネームをつけられてしまいました。翌年、Matsui自身がそのことを意識して、「レフトに強い打球を打つ」ことに力を入れ、結果として31本のホームランを打ったのです。しかし、翌年、ホームランを意識しすぎて、今までのバッティングに戻り、ホームランも23本に減少しました。その後、手首骨折の大けが、両膝の手術と過去3年間、ほとんど目立った活躍をすることはありませんでした(2007年、25HR, 103RBIという数字を残しましたが、右膝の怪我のため、シーズン終盤は結果が残せませんでした)。
 ゴジラの逆襲を信じて疑わないファン(私もそのひとり)にとって、Matsuiの今年の活躍を祈るばかりです。そのためには、初心に帰り、左中間への長打を意識してほしいものです。実際に、18日のIndians戦(22失点の試合)、途中から出場して左中間への2塁打、21日のAthletics戦でも、レフトへの2塁打を放ち、調子が上がってきたようでした。24日から、いよいよ、今年最初のBoston Red Soxとの3連戦です。かつて、BostonのFrancona監督が最も手強いと感じていたMatsuiの姿を見せてほしいものです。
 
 Yankeesのホーム開幕シリーズでもう一つ話題となったのは、開幕戦を除いた3日間、ネット裏とその両側のダッグアウト背後を占める最もよいセクション(インフィールドから9列目までの25のセクションで、全部で1895席)に空席が目立ったことです。私が球場を訪れた第2戦目、両翼に近い最前列セクションには、ひとりも観客がいませんでした。これらのベストシートが配置されている部分は、"Legends Suite"と呼ばれ、年間シーズンチケットとして販売されたもので、1試合1席、500−2625ドルするプレミアムシートです。ネット裏背後のセクションは、2500−2625ドルに設定されています。今日の経済危機の中で、こうした高額な席が完売することはなく、テレビに最も映るフィールドに近い席がまばらな状態になっています。
 その一方で、"Bleachers"とよばれる外野席は、当日券でも14ドル、そのうち、バックスクリーンとなっているスポーツバーの脇にある視界が妨げられている席は、5ドルに設定されており、連日、満席でした。その他の席を見ると、チケット代の価格が低い、Grand Stand(4階席)、Terrace(3階席)、Main(2階席)は、ほぼ満席状態でした。
 2003年、私が初めてYankee Stadiumを訪れたとき、3塁側の前列から5列目あたりの席が85ドルであったことを記憶しています。その席は、いまや、10倍以上の価格となっています。ベースボールという"National Pastime" は、一般大衆の楽しみのはずですが、YankeesのGameは、その概念から逸脱しているようにも感じられます。
 Yankeesのホーム開幕シリーズ(対Indians 4連戦)は、2勝2敗という結果でした。このシリーズで最も話題となったのは、ホームランの数です。4試合で、20本、その数は、新球場開幕4試合では、最も多い数です。第3戦だけでも、9本です。Metsの新球場、Citi Fieldでは、開幕6試合で、10本のホームランだけです。New Yankee Stadiumは、いわゆる "Hitter's Park"とみなされるのでしょうか。
 ホームランが出やすい理由については、いくつかの説が浮かんできました。ひとつは、新球場の構造、とくにGrand Standと呼ばれるUpper Deckが旧球場よりなだらかで、また、スタンドのレベルを隔てるトンネル構造が気流に影響を与えているというものです。また、21日付けのNew York Times電子版、"Over the Wall and Under the Microscope in the Bronx"によると、新球場と旧球場のフィールドの広さは全く同じであるといわれていますが、実際には、新球場の右中間は、旧球場よりも最大9フィート短いというのです。これは、その部分に埋め込まれた新しいスコアボードをストレートにしたことによるものです。その記事で引用された専門家の推測では、ライトスタンドに入った14本のホームランのうち、6本は、旧球場では、フェンスを越えることはありませんでした。
 このように、様々な分析が始まりましたが、New Yankee Stadiumが打者に有利か否かの結論は、シーズン終了後のデータが出るまで待つことにしましょう。現在、最もホームランが出やすい球場トップ3は、CincinnatiのGreat American Ball Park、ChicagoのU.S. Cellular Field、PhiladelphiaのCitizens Bank Parkです。New Yankee Stadiumがそれらの球場と肩を並べることになったら、ホームランバッターが多いYankeesにとっては、決して悪いことではないかもしれません。
 

歴史的大敗

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 ホーム開幕第3戦は、Yankeesの屈辱的な敗北となりました。結果は、22対4で、フットボールのスコアを彷彿させるものでした。Indiansは、2回表、先発のWang(1.1回、8失点)とメジャーデビューとなった若手のAnthony Claggett(1.2回、8失点)を相手に、38分に及ぶ猛攻撃で、13安打、3本塁打を浴びせ、14得点をとりました。その時点で勝負ありといえる試合で、観客の中には、席を立つ人もいました。最終的に、Indiansは、25安打、7得点で、22点をとったのです。ホーム開幕戦でも、1イニングで9点をとられ、今回は、14点、Yankeesの投手陣は、一体どうなっているのでしょうか。
 すでに、ブルペンの問題には触れましたが、今日の問題は、先発のWangです。今シーズン、今日を含めた過去3回の成績は、3.2回で7失点、1回で8失点、1.1回で8失点で、通算成績は、6回、23失点、防御率34.50、0勝3敗です。昨年は、シーズン前半で怪我のため退く結果となりましたが、それでも、Wangは、8勝2敗という成績を残しました。その前の2年は、19勝ずつあげ、Yankeesのエースとみなされました。今年は、また、20勝近くの勝ち星を期待されていた投手です。昨年の足の怪我は、完治しているといわれており、本人も体に問題はないといっています。武器であるハードシンカーが低めにおちず、その球速も本来の95マイルに及ばず、90マイル程度にとどまっています。契約上、マイナーリーグに落として調整させるという選択肢もありません。Girardi監督は、「彼を矯正させる」といっていますが、本人は、かなり自信を喪失しているようにも見えます。Wangが本来の姿をみせてくれることを望むばかりです。
 今年の先発投手陣は、メジャー1番といってもよい顔ぶれです。Yankeesは、SabathiaとBurnettを補強し、Pettitteとも再契約をし、Wangの復活とChamberlainの成長を期待しています。しかし、ここまで、安定しているのは、BurnettとPettitteの2人だけです。Sabathiaは、例年、スロースターターですから、徐々に調子が上がると考えられますが、Jobaの先発には、まだ、疑問の余地も残されています。Wangが復活して、4人の最強の先発陣を構成することが、Yankeesのポストシーズン進出に不可欠です。
  
 17日のホーム開幕第2戦に行ってきました。Yankeesが初戦の敗北からいかに立ち直るかという興味もありましたが、新球場の内側の様子を見ることが一番の目的でした。GATE 6から入場すると、そこには、"The Great Hall"と名付けられた広く開放感のある通路がありました。Babe Ruthに始まり、伝説的な名選手の写真が映し出されたバナーが左側面の壁に等間隔で飾られていました。外壁を覆っていた現在のスター選手の写真と対照的に、ここでは、Yankeesの伝統が守られているようでした。
 GATE 6から前方右側に進むと、外野席に通じるなだらかなスロープがあり、センターバックスクリーンの下に配置されたMonument Parkと新しく創設されたNew York Yankees Museumに通じていました。試合開始2時間前に行ったのですが、長蛇の列を見て、今回は、両施設に行くことを断念しました。そのまま、外野席の方向に進み、後方からスタジアムの全体像をとらえることにしました。「とにかくでかい」というのが、最初の印象です。前のスタジアムよりも63%も大きいそうです。航空写真で、2つの球場を比較すると、大きさの違いは歴然としています。また、センターのバックスクリーン後方に備えられたスクリーンは、旧球場のものの2倍近くあり、とても見やすいものです。
 レフトの外野席から3塁側の席(Main Levelと呼ばれる2階席、外野の一部を含む)に進む通路はなく(階段で行くことは可能ですが、試合終了後まで閉鎖されています)、球場内を一周できないのは不便でした。最近の新しい球場は、どこでも、球場内を巡ることが可能で、全体像を把握するには、とても便利な構造となっています。
 そこで、GATE 6に戻り、Great Hallの前方からField Levelに進み、ホームプレート側から球場全体を見渡しました。レフト後方の頂きにある"YANKEE STADIUM"の青い文字が鮮明でした。バックスクリーンは、黒いガラス板で覆われ、その内側には、スポーツバーがあります。そこから、試合中、バックスクリーン直撃弾を見ることができたら、とてもスリリングな体験となるでしょう。
 私の席は、Main Levelのレフトポール後方にありました。ホームランボールを期待できる場所でしたが、残念ながら、大飛球に恵まれませんでした。しかし、試合は、Yankeesが5本のソロホームランで勝利(6対5)をおさめました。特に、5対5の8回裏に、"Captain Clutch"という名がつくほどチャンスに強く、一番人気のJeterがライトスタンドに決勝ホームランを放ったときは、球場全体がおおいに盛り上がりました。新球場でのYankees初勝利に立ち会うことができて、とても充実した一日でした。


 New Yankee Stadiumでのホーム開幕戦が、16日、快晴のサウスブロンクスに48,271人の観衆を集めて行われました。試合前のセレモニーでは、40人を越える往年のYankeesのスター選手が紹介され、3年前までピンストライプを着ていた、90年代後半から2000年までの4回の世界制覇に貢献した名選手、Bernie Williamsが、"Take Me Out to the Ball Game"をギターで演奏し、初代アメリカンアイドルのチャンピョン、Kelly Clarksonが国歌を斉唱し、最後に伝説的な名捕手、Yogi Berraが始球式を行いました。新たな歴史をつくる"The Cathedral of the Baseball"にふさわしい幕開けでした。しかし、試合は、7回表にブルペンが崩壊し、Indiansに一挙9点を奪われたYankeesの敗戦(10対2)となりました。先発のSabathiaは、前回(2試合目)のような切れ味に欠きましたが、悪いながらも要所をおさえ、5.2回を1失点で切り抜けました。ただし、投球数は、122球を数え、あたかも完投したかのような数字でした。せめて、7回まで投げきっていたら、展開は変わっていたでしょう。それにしても、今年の開幕戦の時に触れましたが、ブルペンの不安を露呈した試合となりました。今回は、Veras3失点、Marte6失点です。Verasは、1アウトもとれずに3安打(2塁打2本)を許して降板、代わったMarteは、押し出しの四球を含め、IndiansのSizemoreにGrand Slamを献上するなど、キャリア最悪の登板となりました。Old Yankee Stadiumの開幕戦は、Babe Ruthのホームランで勝利をおさめましたが、新球場では、幸先の悪いスタートとなりました。
 15日、Metsのホーム開幕第2戦に行ってきました。この日は、62年前、人種の壁を乗り越え、アフリカ系として初のメジャーリーガーとなったBrooklyn Dodgersに所属していた故Jackie Robinsonの偉業をたたえる日です。今年から、メジャー全球団の選手、コーチ、監督全員が、全球団共通の永久欠番となっているJackieの背番号42番をつけてプレーしました。試合前には、Jackieの未亡人、Rachel Robinsonが、Metsの監督、Jerry Manuelのエスコートのもとにフィールドに現れ、スピーチをしました。彼女の前には、Jackie Robinson Foundationから支援を得て大学に行った9人の奨学生が輪をつくって並び、Jackieが大切にした9つの価値観:Courage, Excellence, Persistence, Justice, Teamwork, Commitment, Citizenship, Determination and Integrityを提示しました。そして、Jackieが活躍した姿が巨大なスクリーンに映し出され、観客がそろって、特別な日を祝いました。
 Citi Fieldの正面は、レンガ色の円形の建物となっています。その部分は、Jackie Robinson Rotundaと名付けられていて、彼の偉業をたたえ、栄誉を与える場所となっています。Metsは、New Yorkを去ったDodgersとGiantsの後を引き継いだ球団という意識があり、特に、Brooklynで少年時代を過ごしたオーナーのFred Wilponは、Ebetts FieldのRotundaに思い入れが強く、それを新球場で再現することを望みました。その円形ホールをBrooklyn Dodgersの偉大な選手であったJackieに捧げたのです。そこには、彼が最も大切にしている言葉、"A life is not important except in the impact it has on other lives." が、9つの大切な価値観とともに、円形の窓枠に刻まれています。また、真っ青なドジャーブルーの色で表現された42番をかたどったモニュメントが置かれています。まさに、Jackieを讃えるMuseumといえる場所です。Jackie Robinson Dayを祝うのに、これほどふさわしい場所はないでしょう。
 Citi Fieldは、球場内を一周できる構造となっており、特に、センターの背後に大きなスペースをとって、フードコートと子供が楽しめる場所を提供しています。ファン・フレンドリーな球場といえるでしょう。また、57343人を収容したShea Stadiumから大幅に縮小し、新球場は、42000人収容のBallparkにしました。観客により身近な感覚で試合を楽しんでもらうためです。Citi Fieldは、とても親しみやすい、美しい球場です。
 この日の試合は、7対2でMetsがPadresを降し、新球場の初勝利をおさめました。特別な日に、歴史的な勝利を上げ、ファンはとても盛り上がっていました。
 

シティフィールド

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 Metsのホーム開幕戦から一夜明けた14日、シティフィールドに行ってきました。この日は、開幕戦が延期された場合の予備日として、試合のない日でした。小雨が降るあいにくの天候でしたが、全体像を把握するには、ほとんど人もいなく、適切な日でした。
 地下鉄の駅をでると、目の前に、レンガ色をした円形の外観が現れました。Yankee Stadiumのような荘厳なイメージはありませんが、暖かみのあるレトロな雰囲気のある美しい景観です。建物の頂きには、"Citi" の白い文字と"Field" のレンガ色の文字が浮き出ています。"Citi" は、Naming Rightを20年400万ドルで買い取ったCiti Bank の名前をつけたものですが、その銀行が金融危機により国の支援をうけたので、その冠を残すべきか物議をかもしだしたものです。
 球場を時計回りに一周しました。驚いたことに、開幕したにもかかわらず、外野の外側と球場の内側で一部工事が行われていました。また、さらに目をひいたのは、ライト側の壁面と道路を隔てて向かい合うように並んでいるスクラップ工場です。真新しい景観とあまりに対照的なものでした。
 球場の名前や付近の景観に問題があるようですが、1992年、BaltimoreにOriole Park at Camden Yardsという新しいレトロ球場ができて以来の流れをくんだ、とても美しいボールパークです。Citi Fieldは、かつてBrooklyn DodgersがホームとしていたEbetts Field のデザインを取り入れたといわれています。今はなきEbetts Fieldは、写真をみると、確かに円形のレンガ作りの建物です。Metsは、そのイメージだけでなく、ファンと密着したチームとして知られた昔のDodgersの伝統をも引き継ごうとしています。
 Metsは、今シーズンの開幕戦(6日)を、エース、Johan Santanaの好投、Marinersから移籍してきた、Sean GreenとJJ Putzへの継投、そして、クローザーFrancisco Rodriguezの力投で、2対1のスコアで制しました。その後、チームは波に乗れずに、12日は、Santana の7回、13三振、自責点0の好投もむなしく、2回、レフトのDaniel Murphyのエラーによる失点が命取りとなり、2対1で負け、Santanaにも黒星をつける結果となりました。ここまで、3勝3敗の成績です。
 そのような状況の中で、Metsは、13日、ホーム開幕戦を迎えました。41007人の観衆を集めたCiti Fieldでは、往年のスター選手、Tom SeaverとMike Piazzaのバッテリーが始球式を行い、ニューヨーク州知事PattersonやBud Selig コミッショナーも招かれ、派手さはないものの祝賀ムードがただよっていました。Metsにとって、新たな時代の幕開けです。
 試合は、歴史的な夜に水を差す形で、6対5でMetsの敗戦となりました。先発した若手の成長株、Mike Pelfreyは、初回、San Diego Padresの先頭打者、Jody Gerutにホームランを献上するなど、終始、不安定な内容で、5回、5失点で降板。その回の裏、David Wrightの記念すべきCiti Field第1号となる同点3ランホームランがでましたが、6回、右翼手Ryan Churchのエラーとリリーフ投手、Pedro Felicianoのボークで、Padresに決勝点を奪われました。後味の悪い敗戦となったのです。
 しかし、結果はどうであれ、多くのファンは、歴史的な一日を体験することができ、満足して帰路についたようです。 
  
 ホームオープナーを数日後に控えた10日、New Yankee Stadiumに行ってきました。試合がなく人があまりいない日に、外観だけでも確認しておきたかったからです。地下鉄の駅を出て右側を見ると、目の前には荘厳な白亜のパレスがそびえていました。"GATE 6"とヤンキーブルーで刻まれた文字、その建物の頂きに輝く、"YANKEE STADIUM"と刻まれた黄金の文字が目に焼き付きました。GATE 6(右翼ポール側)の右側には、"TEAM STORE"と世界の都市でお馴染みの"HARD ROCK CAFE"が並んでいました。ホームプレートの背後にあるGATE 4に進むと、GATE 6と同じデザインの建物の前に、Yankeesのロゴ(NYマーク)が地面に刻まれていました。スタジアムを時計回りに進み、外野席の背後にくると、その壁には、Yankeesのスター選手の写真が大きなボードに飾られていました。レフト側からライト側まで、Matsuiに始まり、A-Rodまで(GATE 6から進めば、最初のボードはA-Rodです)11人の選手が勇ましく壁を覆っていました。オリジナルのYankee Stadiumは、1923年に創設され、当時から、"Cathedral"を意識してつくられたといわれていますが、New Yankee Stadiumもその名に値する "Classic" と "Modern" をうまくブレンドしたモニュメントでした。
 今年のMLBがついに開幕しました。Yankeesは、6日ボルティモアで、Oriolesと対戦。エース、Sabathiaをマウンドに送り、DL入りのA-Rodを除いて、ベストのラインナップで望みました。結果は、10対5の敗戦。試合は、Sabathiaが4.1回で6点を奪われるという予想外の展開となりました。球威(速球は90マイル程度)も制球力も欠いたエースには、本来の姿がみられませんでした。しかし、Yankeesに勝つチャンスが全くなかったわけではありません。継投の失敗が致命傷であったといえます。3番手の左投手、若手のPhil Cokeを6回途中から8回まで投げさせたことに疑問が残ります。明らかに、3イニング目は、力が衰えているようでした。8回のCokeの2失点がゲームを決めたといえるでしょう。Yankeesの今年の課題は、ブルペンです。手術をした抑えのRiveraも心配ですが、セットアップが確立していません。Bruney(Cokeを継いで2失点)、Veras、あるいは、左のMarteを併用するようですが、頼りない気がします。その前を任されるCoke、 AlbaladejoとRamirez。Cokeは、昨年中継ぎとしてかなり活躍しましたが、まだまだ経験不足です。Albaladehoは、未知数です。チェンジアップを武器とするRamirezは、好不調が極端です。試合結果をみると、Sabathiaの不調がすべてのように見えますが、継投をうまくしていれば、6対5のまま、終盤に流れを呼び込むことが出来た気がします。

 MLB New York では、在ニューヨーク球団である New York Yankees と New York Mets を中心に、メジャーリーグ情報をお届けします。2009 年、両球団とも新球場がオープンして心機一転優勝を目指しています。Yankeesは、FAで、CC SabathiaとAJ Burnettという2人の主力投手のみならず、今年の市場で最も評価の高かったMark Teixeira一塁手を獲得しました。また、Metsも、昨年メジャーのセーブ記録を塗り替えたK-Rodこと、Francisco Rodriguezと、昨年は怪我に泣いたものの、Marinersのクローザーとして活躍したJJ Putzを獲得して、盤石な守りの体制を築きました。注目のシーズンになることは、間違いないでしょう。

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