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 Yankeesは、Fenwayでの3連戦を2勝1敗と勝ち越し、Red Soxとの差を7.5ゲームに広げました。この3試合は、両チームの打線が爆発した試合で、特に最初の2試合は、締まりのない時に見るに耐えない試合でした。結果として、このシリーズを制したYankeesがアリーグ東地区優勝に向けて一歩前進したといえるかもしれません。しかし、Yankeesに不安材料がないわけではありません。

 初戦は、20対11というFootballの試合を彷彿させるスコアでした。打線は、A-Rodが4安打、JeterとTeixeiraが3安打を放ち、Matsuiが2本の3ランホームランを含む7打点を記録し、怪我で1打席で退いたDamonを除いて、その代役のHinskeを含めた先発全員が打点を記録するほど爆発しました。しかし、先発のPettitteは、5回まで12点の援護をうけながら、攻撃時間が長過ぎて投球のリズムを崩したのか、5回で7失点(自責点5)を与え降板しました。その後、自責点が記録されていないものの、Bruneyが乱調で3四球を与え、DLから復帰したMarteは好リリーフをしましたが、最後に登板したMitreは、2回で4失点を献上しました。守備においても、Damonに替わってレフトについたHinskeとセンターのCabreraが何でもない飛球をお見合いしてヒットにしてしまうお粗末なプレーもありました。Yankeesは勝利を得ましたが、実にSloppyな試合でした。
 
 第2戦は、初戦の勝利で気がゆるんだYankees打線が、Red Soxの先発、ルーキーのTazawaに6回無得点と沈黙し、結果は、14対1でRed Soxの大勝でした。前回ホームでの第2戦でTazawaと対戦(A-Rodのサヨナラホームランで勝利)して、ヒットを含めよい感触を得ていたYankees打線が、相手を甘くみていたのがこの結果を生んだといえます。先発のBurnettは、自己ワーストの9失点(5回)で、今後のビッグゲームにおける先発に不安を残しました。この試合で特に注目されたのは、BurnettとPosadaとの呼吸が全く合っていない点です。Burnettは、Ortizにホームランを献上した後、マウンドで、"Why?"という言葉を6回も発し、"Why would you throw that?"と自分が投じた速球に疑問を投げかけたのです。試合後、Burnettは、自分の投球を責めたと応えていましたが、明らかに、その場面で速球を要求したPosadaへの不満の声でした。この試合で、Burnettは、制球が定まらない速球ではなく、カーブやスライダーを多投したかったのですが、バランスを重視したPosadaは、変化球を連投するのでは相手に見破られるので、時折速球を要求しました。そこで、2人の間に溝ができ、この試合の行方に大きな影響を与えました。Girardiは、この2人がこれまでよい結果を残していると主張し、今後も2人を引き離すことはないといっています。果たして、その方針がよい結果につながるか疑問が残ります。
 また、この試合のGirardiの采配で不可解な面がひとつあります。怪我でスタメンをはずれたDamonに替わって、Hinskeをレフトで起用したことです。Hinskeは、外野両翼が守れるということですが、これまでの出場はライトに限られ、その守備も極めて不安定なものです。前日、センターのCabreraとの息が合わずにヒットにした状況を考えれば、当然ながら、守備の上手いHairstonを先発で使うべきです。案の定、この試合でも、Hinskeは、記録に残らないエラーを2つしています。彼の守備は、見るに耐えないものです。

 最終戦は、SabathiaとBeckettとのエース対決で、白熱した投手戦が期待されました。しかし、結果は、両者ともに本来の力を十分に発揮することができませんでした。ただし、Sabathiaは、6.2回、4失点で試合をつくり、8回8失点のBeckettに投げ勝ちました。Beckettは、前回のBlue Jays戦でも7失点をして、不調の波に飲み込まれているようでした。Yankeesは、Beckettの乱調に助けられ、5本のホームランを浴びせて、8対4の勝利を収めたのです。

 このシリーズを終えて、両者の今シーズンの成績は、Red Soxの9勝6敗となりました。ここ7試合では、Yankeesの6勝1敗です。残りは、9月終盤のYankee Stadiumでの3連戦だけです。それまでに、両者の差がどのようになっているのでしょうか。これから、まだまだ、ひと山もふた山もありそうな気がします。

ヤンキース好調を維持

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 Yankeesは、ホームでBlue Jaysとの3連戦を2勝1敗で勝ち越し、後半戦、ひとつの山場であるWest Coast Road Tripにでました。結果は、Marinersに3勝1敗、Athleticsに2勝1敗と何れも勝ち越し、Red Soxの本拠地Fenway Parkに乗り込んで来ました。両者のゲーム差は、Yankee Stadiumでの対決後と変わらず、6.5ゲームです。
 
 Red Soxを4−Game Sweepした後、Yankeesは、いわゆる気のゆるみ(Letdown)が心配されました。Blue Jaysとの初戦では、その心配が的中し、先発のMitreのエラーが試合を決める結果となりました。しかし、その後の2試合、7対5、4対3(延長11回)という接戦を制し不安をを一蹴しました。ロードに出て、Athleticsとの初戦で、Yankeesから事実上解雇されたTomkoとブルペンに完封された試合でも荒いバッティングが目立ちましたが、その他の試合では安定した力を発揮し、Marinersとの2試合とAthleticsとの最終戦は何れも接戦でしたが、確実に勝利を収め好調を維持しました。

 この間、先発3本柱は、安定した投球をみせました。しかし、投球回数制限を言い渡されたJobaは、通常の登板間隔で2試合に先発したのですが、何れも不安定な投球をしました。成績は、6回4失点で勝利と5回4失点で敗戦の1勝1敗でした。次回は、登板間隔が8日も空く、ホームでのRangers戦です。どうも投球回数制限の話が出てから、Jobaのリズムが崩れたような気がします。5番手のMitreは、5回5失点の敗戦と5.1回2失点の勝利という結果でした。また、Jobaの代役として先発したGaudinは、4.1回で無失点という成績でした。今後もこの2人が5番手とJobaの穴埋めの役割を担うことになりそうです。チームが好調であるからこその余裕の起用といえそうです。

 打線は、それほど好調であるとはいえませんが、効果的なホームランがチームの勝利につながっています。MatsuiとPosadaの連発、Matsuiの1試合2発、Teixeiraの決勝弾2発、SwisherとJeterのホームランなど、日替わりでのLongballがよい結果を生み出しています。果たして、ライバルのRed Soxに対して、どのような試合をするか楽しみです。
 

ボストンに4連勝

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 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesは、宿敵Red Soxをホームに迎え、4連戦をSweepして、今シーズン8連敗という嫌な流れを断ち切るとともに6.5ゲームの差をつけました。

 初戦は、13対6というスコアの乱打戦でしたが、残りの3試合は、白熱した投手戦でした。Yankeesの3人の先発投手は、BurnettとSabathiaが各7.2回、Pettitteが7回を無失点に抑える完璧な投球を示し、好投したRed Soxの先発陣、Beckett(7回無失点)、Buchholz(6回2失点)、Lester(7回1失点)に投げ勝ったのです。最も、3人全員に勝ち星がついたのではなく(Sabathiaのみが勝利投手)、ブルペンの踏ん張りと貴重なホームランがチームに勝利をもたらしたのでした。
 第2戦は、Burnettの後を継いだブルペン全員がRed Sox打線を封じ込み、延長15回裏のA-Rodのサヨナラ2ランホームランを生み出しました。第3戦もSabathiaをリリーフした、HughesとRobertsonが相手打線を完璧に抑えました。2日連続で、Red Soxを2対0、5対0と完封したのです。最終戦は、PettitteをリリーフしたCokeが8回に打たれ逆転を許しましたが、その裏、DamonとTeixeiraの連続ソロホームランで逆転して勝利をおさめました。

 結果としては、YankeesがRed Soxを圧倒したのですが、初戦を除いた3試合は、どちらが勝利してもおかしくない接戦でした。Yankeesにとっては、Boston打線が後半に入り不調であることが幸いしたともいえますが、Yankeesが接戦をものにする強さを示したともいえます。しかし、この両者の状態が今後も続いていくとは思われません。今月21日からのFenwayでの対決がさらに熱気を帯びていくでしょう。そこで、YankeesがSweepするようなことになれば、アリーグ東地区の行方が見えてきそうです。
 Yankeesは、後半戦に入り8連勝という最高のスタートを切り、ホームスタンドで9勝1敗、その後、ロードに出てRaysに2勝1敗、White Soxとの4連戦で3連敗しましたが、最終戦に勝利した後、Blue Jaysとの2連戦をSweepして、ロードを5勝4敗で終えました。この間、3ゲーム差で首位を走っていたRed Soxが予想外に失速(7勝10敗)して、Yankeesは、逆に、2.5ゲーム差をつけて、2位のRed SoxをYankee Stadiumで迎え入れることになりました。

 Yankeesが好調な要因は、紛れもなく、先発陣の安定した投球です。後半戦19試合で、先発投手が5回を投げきることができなかったのは、わずかに3試合です。6回を3失点以内に抑えたQuality Startをしたのは、11試合でした。エースのSabathiaとBurnettは、それぞれ、持ち前の力を発揮しました。特に心配されたJobaは、All-star Breakでの気分転換が功を奏したのか、3試合で3勝、21.2回を投げて失点2という完璧な投球をしました。また、同じく不安視されていたPettitteも、4試合で26.2回を投げて失点8という安定した投球をしました。その内で、4失点を記録した試合では、自らが残した3人のランナーをブルペンがすべてかえした3失点でした。この満塁のピンチにおける交替は、疑問が残るもので、この3失点がなければ、ほぼ完璧に近い内容でした。Wangの代役としてローテーションに加わったMitreは、4試合で、5.2回4失点、5回4失点、3回5失点、4.1回3失点という成績で、決してよいものではありませんが、その内、3試合は、チームが勝利を収めました。最低限、試合をつくることができたということでしょう。
 ブルペンもチームの躍進に大きく貢献しました。特に、序盤の7連勝中は、すべて3点差以内の接戦で、その間でも、2対1という僅差のゲームが3試合続きました。特に目立った活躍をしたのは、Hughesです。この間、4試合で6回を投げ、失点なしの好投をして、メジャー初セーブも記録しました。

 このような好調の波に乗って7月を18勝9敗で終えたYankeesは、31日のNon-waiver Trade Deadlineまでに、特に目立った動きを見せませんでした。Utility Playerとして、RedsからJerry Hairston, Jr.を獲得しただけでした。Hairstonは、一塁以外の内外野、どこでも守ることができ、機動力を発揮できる貴重な戦力です。その後、Yankeesは、8月6日に、PadresからChad Gaudin投手を獲得しましたが、今シーズン、4勝10敗という成績の先発投手が、どれほどチームに貢献できるか疑問が残ります。

 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesですが、不安材料がないわけではありません。そのひとつは、好調なJobaの投球回数制限です。多くのチームが、初めて1年間ローテーションを任せた若い先発投手を怪我から守るために、通常の200イニングよりも少ない投球回数を想定しています。Jobaの場合は、150−160イニングといわれています。これまで、すでに110.2回を投げていますから、1試合6回で計算すると、残りの先発回数は、7−8回となります。55試合を残しているYankeesは、ローテーション投手に後11回の先発を期待していることになります。Jobaの先発をいかに減らし、誰がその役割を担うか、大きな課題です。
 また、先発5番手、Mitreが今後もローテーションを守ることができるか、甚だ疑問です。Gaudinがその代役となるのか、あるいは、3Aから誰かを上げてくるのか、今後、首脳陣を悩ますことになるでしょう。
 
 
 Yankeesは、7月に入り、MinnesotaでTwinsをSweepして7勝2敗の好スタートを切り、地区首位のRed Soxに追いつきました。そして、All-Star Break前最後の3連戦に向けて、Anaheimに乗りこみました。結果は、Angelsに3連敗を喫して、その間、3連勝したRed Soxに3ゲーム差をつけられました。前半戦終了直前にSweepされたのは、何とも後味の悪いものでした。通算成績は、51勝37敗です。

 Angelsとの3試合は、すべて勝利するチャンスがありました。最初の2戦は、5対1、4対0と序盤から主導権を握っていましたが、各試合先発のJoba(4.1回、5失点)とPettitte(4.1回、6失点)が5回を保たずに降板し、その後、ブルペンも打ち込まれて、10対6、14対8と大敗しました。最終戦は、5対4の接戦となりました。先発のSabathiaは、6.2回まで粘りの投球をみせましたが、5失点という内容でエースの働きをすることができませんでした。しかし、Yankeesは、7回、8回と2度の無死満塁のチャンスを得ていました。8回は、2得点を上げることができましたが、7回は、Teixeiraが三振とA-Rodが併殺打でチャンスを潰してしまいました。Yankeesにとっては、非常に惜しい試合でした。
 Yankeesは、今シーズン、地元でAngelsに2勝1敗と勝ち越しましたが、このところ、Angelsには大きく負け越しています。2004年からこれまでの対戦成績は、Angelsの33勝18敗で、特に、Anaheimでは、18勝7敗となっています。なぜかAngelsを苦手としています。Small Baseballを巧みに取り入れたScioscia監督の采配に翻弄されているのです。
 Angelsに限らず、今シーズンのYankeesは、各地区1位のチームとの対戦成績がよくありません。Red Sox(0-8)、Angels(2-4)、Phillies(1-2)、Tigers(2-1)に対して、5勝15敗です。さらに、同地区昨年の覇者、Rays(4-4)を加えると9勝19敗となります。さらに、注目すべき点は、先発4本柱がこうした強豪チームを相手に結果を残していないことです。Sabathiaは、0勝4敗、Burnett、Joba、Pettitteの3投手は、各1勝2敗です。Yankeesの後半戦のひとつの鍵は、Red Soxをはじめとした強敵にいかに立ち向かうかということでしょう。

 Yankeesは、今年、Post-Seasonに進出することができるでしょうか。前半の成績を振り返りながら、考えてみたいと思います。まず、オフェンスのStatsを見てみましょう。495得点、132本塁打(Rangersと同数)、出塁率(358 Ave.) は、いずれもMLBで一番の成績です。打率(276 Ave.)は、Angelsについで2位です。数字は、申し分ないものです。しかし、勝負の分かれ目は、好機に結果を残すことができるかという点に絞られます。特に、強敵を相手にしたときは、尚更のことです。その役割は、何といっても主軸に求められます。主軸の前半戦の成績を見てみましょう。Teixeiraは、4月の大スランプを乗り越え、Yankees打線で最もよい成績を残しました。21HR、63RBI、275 AVE.です。A-Rodは、5月に怪我から復帰した後、6月にスランプに落ち入りましたが、17HR、50RBI、256 AVE.とまずまずの結果を残しました。次に、後半戦、5番でスタメンに登場する機会が多いと予想されるMatsuiの成績です。両膝の状態が万全ではない中で、14HR、40RBI、265 AVE.という成績でした。しかし、5番打者としては、物足りない数字です。以前にも指摘しましたが、Yankees打線の1つの問題は、A-RodをProtectする信頼できる5番打者が存在しないことです。Matsuiがその役割を果たすことができるか、注目したいところです。この3人は、好機でどのような結果を残しているでしょうか。得点圏打率は、Teixeira(245 AVE.)、A-Rod(278 AVE.)、Matsui(238 AVE.)です。Yankeesの主軸としては、お粗末な数字です。彼ら3人が好機で結果をだすことが、勝利への近道です。
 オフェンスでもうひとつ気がかりな点は、Outfielderの配置です。6月30日に、PiratesからトレードでEric Hinskeが入団しました。怪我で今シーズン復帰が不可能となったNadyの代わりとみなされています。外野(両翼)だけでなく内野(1、3塁)も守れるUtility Playerとしても期待されています。ところが、代打を含めて3試合で打席に立ったHinskeは、3本のホームランを放ち、存在感を示しました。監督のGirardiは、Damon、Cabrera、Gardner、Swisherを含めた5人のOutfieldersを交互に出場させると明言しました。はたして、そのような起用がよい結果を生むのでしょうか。現時点では、Damon、Cabrera、Swisherがレギュラーで、他の2人は、控えとして使う方がよいと思います。

 さて、Yankeeの大きな問題は、やはり、投手陣です。前半戦の成績は、チーム防御率、4.54で、MLB30球団で23位です。その下に25位のPhilliesと27位のAngelsがいますから、この数字だけで、チーム力を判断することはできません。Yankeesの場合、特に、序盤、絶不調のWangが大量失点で破れる試合が数試合ありましたし、ブルペンが崩壊した試合も多くありました。その結果が、通算の防御率に反映されています。最近は、ブルペンが安定してきていますから、後半戦には、よりよい数字が期待されます。
 投手陣の問題としてまず上げられるのは、7月4日の試合で怪我をして再びDL入りしたWang(1-6、9.64 ERA)の代わりを誰にするかという点です。Hughesは、8回のSet-upとして活躍が見込まれるので、先発に復帰することはないでしょう。Acevesも、前半最後の登板で先発しましたが、リリーフの方が適しているように思われます。Halladayのトレード話が注目されていますが、Yankeesは、おそらく、その話から距離を置くでしょう。そうなると、3Aで結果を残しているメジャーでの先発経験もあるSergio Mitreが有力な候補となります。はたして、Mitreがローテーションを守ることができるか。Yankeesにとっては、ひとつの不安材料です。
 その他の先発投手陣にも不安は残ります。特に、Joba(4-2、4.25ERA)とPettitte(8-5、4.85 ERA)は、最近、不安定な投球が続いています。Jobaは、制球難により、6、7回と長いイニングを投げきれず、勝敗なしの試合が極めて多い投手です。Pettitteは、昨年、後半戦に失速した経験があり、今シーズンもその不安を払拭することができません。この2人が試合を作ることができるかは、Yankeesの後半戦にとって、とても重要な要素です。
 エースのSabathiaは、8勝6敗、防御率3.86という数字で、必ずしも期待通りの仕事とは言い難いものですが、それなりの結果を出しました。Sabathiaの場合、例年、後半に期待がもてる投手ですから、額面通りの働きをしてくれるでしょう。一方、Burnettは、8勝4敗、防御率3.77と、先発陣で最もよい成績を残しました。特に、このところ、安定した投球が目立ちます。さらなる活躍が期待されます。

 攻撃陣と投手陣の問題点を指摘しましたが、勝敗の分かれ目は、ちょっとした1つのプレーに集約されることがあります。強いチームは、Fundamentalsがしっかりとしていて、Situational Hittingを確実にこなします。ひとつの犠打や進塁打が勝負を決めることがあります。YankeesがPost-Seasonに進むためには、その辺りも改善する必要があるでしょう。

 

6月のヤンキース

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 Yankeesは、6月の終盤を6連勝で終え、今月の成績を15勝11敗としました。通算成績は、44勝32敗で、首位Red Soxを2.5ゲーム差で追う展開です。6月は、序盤、よいスタートを切りましたが、Red Soxに3連敗して勢いを失い、インターリーグでは、Metsに5勝1敗と大きく勝ち越しましたが、Nationals、Marlins、Bravesを相手に4勝5敗と負け越したことが影響して、Red Soxに首位を明け渡しました。

 今月、特に話題となったのは、「Yankees打線は、初物に弱い」という評判です。実際には、初対戦の先発投手が登板した試合の勝敗は、必ずしも悪いわけではないというデータがあります。しかし、6月のインターリーグでは、MetsのNieve(6.0, 2R)NationalsのLannan(8.1, 2R)、Stammen(6.1, 0R)、MarlinsのVolstad(6.0, 3R)、BravesのHanson(5.1, 0R)という5人の投手に抑えられ、Yankeesは敗戦しています。さらに、Nationalsとの初戦でも、勝利を収めたものの、先発のMartisに6回、2点に抑えられました。MarlinsのJosh Johnsonは、確立された投手として評価が高いので、必ずしも初物として数えられませんが、Yankees打線にとっては、ほとんど対戦したことない投手です。Johnsonにも7回、1点と抑えられ、勝利を献上しました。
 このような結果となった理由は、いくつか考えられます。ベテランが多いYankees打線は、対戦により得たデータや経験をもとに、相手に立ち向かう傾向があるという点です。また、この時期、Yankees打線全体が不調の波にのみ込まれていたことも上げられます。さらに、DHを使えないナリーグ主催のゲームが続いたこともYankeesにとって不利な状況でした。ただし、Yankeesは、従来、インターリーグで成績が最もよいチームですから、やはり、打線が沈黙していた時期という理由が、敗戦の大きな原因でしょう。
 
 特に、6月、成績不振に悩まされていたのは、5月初旬にDLから復帰したA-Rodでした。6月の成績は、207 Ave.、5HR、22RBIでした。本塁打と打点は、5月の7本、17打点と比べて、それほど変わりません。しかし、A-Rodは、フロリダへのロードに出るまで、極度のスランプに落ち込んでいました。5月、打線に復帰後、DHでの出場があったものの、全く休むことなく試合に出続けていたのです。疲労困憊が不振の原因でした。フロリダで2試合スタメンを外れたことにより、充電することができたA-Rodは、6月の終盤8試合で、3本塁打、13打点と固め打ちをしました。Clean-up Hitterの活躍が、6連勝に大きく貢献したのです。打線の軸が強固であることは、勝利には欠かすことができません。A-Rodの調子が7月以降のYankeesの浮沈の鍵をにぎっているといえるでしょう。

ボストンに8連敗

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 6月を5勝2敗という好成績でスタートしたYankeesは、1ゲーム差の地区首位を守り、今シーズン勝ち星を上げていない宿敵Red Sox(地区2位)との3連戦に挑みました。結果は、またしてもSweepされ、通算8連敗となり、2ゲーム差で追う展開となりました。
 
 Yankeesは、今シーズン、なぜRed Soxに勝つことができないのでしょうか。この3連戦を振り返ると、まず、先発投手がその役割を果たしていないことが上げられます。最初の2戦、Burnettが2.2回5失点、Wangが同じく2.2回4失点という内容で、2人とも大誤算でした。第2戦目は、打線の奮起により、1点差(6対5)まで詰め寄りましたが、勝利をつかむ流れを呼び込むことができませんでした。先発投手が3回を投げきれずに降板する試合で勝つ確率は、極めて低いといえます。

 次に問題であるのは、何度も指摘している貧弱なブルペンです。Red Soxの強力なブルペンと比較するとその頼りなさは歴然としています。最終戦は、エースSabathiaが7回まで1失点という好投をしましたが、8回に崩れ、アウトをとれずに、1点を与え、ランナーを2人残して降板しました。2番手として登板したAcevesは、次の3人の打者に対して、連続ヒットと犠牲フライを打たれ、あっさりとSabathiaのランナーを2人返すとともに、彼に黒星を与えてしまいました。ここで、Acevesを責めることはできません。彼は、メジャー昇格後、ロングリリーフとしてすばらしい役割を果たしてきました。問題は、そのAcevesを8回、大接戦の試合で使わざるを得ないブルペンの弱さにあります。Yankeesには、確立したSet-upが存在しないのです。4月にSet-upの地位を獲得したBruneyがDL入りした後、5月以降、強力打線のおかげで、Set-upの問題がクローズアップされることなく、Yankeesは、その場しのぎで、ここまで戦ってきました。しかし、Red Soxのような強いチームと対戦する場合、いかにして1点を守りきることができるかが勝負の分かれ目となり、ブルペンの特にSet-upが重要視されます。かつてのJobaのような信頼できる投手がいたら、8回のピンチを凌ぐことができたかもしれません。実際に、第2戦目、Red Soxは、Okajimaが1.1回を完璧に抑えてYankeesの反撃を止め、クローザーのPapelbonにつなぎ、勝利を得ました。Okajimaは、今シーズン、かつてのような確立したSet-upとしてみなされているわけではありません。Red Soxにも8回を常に任せるSet-upが存在しているわけではありません。しかし、その日の状況で、Okajima、Saito、RamirezがSet-upとしての役割を十分に果たしています。残念ながら、Yankeesには、そのような信頼がおけるリリーフがいません。その差が8試合の結果に反映しています。

 もうひとつ指摘したい点は、強敵と対戦するときの作戦です。最終戦、Yankeesは、6回まで、Red Soxの先発投手、Pennyに完璧に抑えられていました。7回、2番手のDelcarmenから3点をとり、逆転しました。その時の攻撃で注目すべき点は、先頭のCabreraがヒットで1塁に出た後、次の打者、Cervelliが見事にヒットエンドランを成功させ、レフトへの2塁打を打って、Cabreraをホームに迎え入れたことです。1対0で負けている状況で、誰もが送りバントを予測している場面でのバスターという奇襲作戦でした。Cervelliの打球は、3塁手Lowellへのライナーで、ダブルプレーにつながる可能性があったものでした。まさに紙一重の打球です。成功したわけですから、Girardiの見事な采配とみなされますが、はたしてそうでしょうか。失敗して、ダブルプレーとなっていたら、その時点で、Yankeesの追撃は途絶えていたでしょう。行き詰まる接戦では、送りバントのようなSmall Baseballが重要になることがあります。結果がすべてですが、Cervelliに確実に送らせ、1番からの後続に期待する作戦の方がよかった気がしてなりません。強攻策による幸運な得点よりもチーム力を示す確実な得点の方が、勝利につながります。特に、強敵を相手とする場合、Fundamentalsを確実にこなすことが不可欠です。今シーズン、Yankeesは、Red Soxを相手に、その点でも劣っています。それが、8連敗という結果を招いているのです。

5月のヤンキース

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 Yankeesは、5月を17勝11敗で終え、現在、29勝21敗で、2位のRed Soxを0.5ゲーム離し、地区首位に立っています。5月は、A-Rod復帰後、9連勝するなど、持ち前の打線が力を発揮し、先発投手陣も安定してきたこととあわせて、一気に浮上してきました。驚くことに、Girardiが監督となって首位に躍り出たのは、はじめてです。
 
 前回のブログで指摘しましたが、好調な打線を牽引したのは、3番のTeixeiraです。彼の4月の成績は、200 Ave.、 3 HR、10 RBIでしたが、5月には、330 Ave.、13 HR、34 RBIと猛打が爆発しました。Yankeesが投資した多額の資金に見合う活躍をしたといえるでしょう。Teixeiraとともに、特に、5月の前半戦、チームを牽引したのは、Damonでした。彼の5月の成績は、304 Ave.、6 HR、21 RBIですが、サヨナラホームランを含め、Clutchな活躍が目立ちました。
 5月の終盤には、PosadaがDLから復帰し、最初の試合で2安打、次の試合でホームランを打ち、強力な打線に厚みがましてきました。また、今シーズン3度(5月に2度)のサヨナラヒットを放ち、センターのスタメンをGardnerから奪回して大活躍していたCabrellaが、怪我で1週間ほど戦列から離れていましたが、6月には、復帰する予定です。Yankeesは、ようやく、今シーズンベストのラインナップを組めることになります(NadyがまだDLにいますが、Swisherがその代役として十分な働きをしています)。
 
 Yankeesの5月の好成績を支えた要因のひとつとして、鉄壁の守備があげられます。昨日の試合まで、17試合連続無失策で、メジャー記録(2006年のRed Sox)に並びました。強力な打線がクローズアップされますが、Yankeesは、以外にも、安定した守備力を誇るチームです。しかし、野手全員がゴールドグラブに匹敵する守備力を持ち合わせているわけではありません。ファーストのTeixeiraは、まさにゴールドグラブとして別格ですが、他の選手は、確実なプレーを実践しているのです。

 5月は、先発投手陣もSabathiaを筆頭に安定した力を発揮しました。Hughesも不安定な面を見せることもありましたが、25日のRangers戦で、8回無失点という好投をするなど、先発の位置を確立しています。そこで、問題となるのは、Wangの役割です。DLから復帰後、中継ぎで3試合に登板し、過去2試合は5回を無失点で切り抜け、調子をあげています。得意の高速シンカーの切れと速度(93−94マイル)も改善され、もう先発に復帰できる状態といえます。そこで、先発5人の誰と入れ替えるべきかという問題がでてきます。候補者は、HughesかJobaです。Jobaは、21日のOrioles戦の初回、打球を足に当てて降板するなどの不運もあり、前回の先発でも4回3失点で、調子がよいとはいえません。しかし、GMのCashmanとGirardiは、Jobaをブルペンに戻すことに難色を示しています。多くの評論家が、Jobaを8回のSet-upにするべきであると指摘しており、私も同意しますが、球団首脳は、あくまでもJobaを将来のエースに育てたいようです。そうなると、先発として成長してきたHughesをブルペンに入れるという選択肢しかありません。果たして、それがよい結果を生むことになるのか、注目に値します。最も、前回の登板で、腰にはりを感じて5回で降板したPettitteの替わりとして、Wangが先発する可能性も残されています。

 先発投手は、現在ロングリリーフで大活躍をしているAcevesも含めると7人いることになり、とても豊富ですが、ブルペンは、相変わらず、貧弱なものです。Rivera以外、頼れる投手がいないといっても過言ではないでしょう。6月の成績は、ブルペン次第といえるような気がします。

 
 

ヤンキース絶好調

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 5月8日にA-Rodが復帰し、その試合でいきなり初球をホームラン(3ラン)して勝利を導いて以来、ヤンキースは、11勝2敗という成績で、現在9連勝中です。地区1位のBlue Jaysに1.5ゲーム差、同2位のRed Soxに1ゲーム差と迫り、地区の首位争いが激化してきました。

 ヤンキース好調の原因は、やはり、A-Rodの復帰といえるでしょう。彼の13試合の成績は、打率でみると、171 Ave.で、かなり不調のようにみえますが、ホームラン5本、打点10、四球12、出塁率382 Ave. という結果を残し、チームの勝利に大きく貢献しています。特に、5本のホームランがすべて、大事な場面で生まれています。初回の先制パンチ、追い上げの一発、そして、劇的なサヨナラホームランもあります。個人成績を上げるだけの無駄なホームランがひとつもないのです。
 また、クリーンナップ(4番打者)が固定したことで、打線に軸ができて、他の打者にもよい影響がでています。特に、3番打者Teixeiraの好成績は、彼自身が上昇気流に乗ってきたともいえますが、それ以上に、A-Rodの存在感がもたらす効果によるものでしょう。相手投手は、A-Rodが後ろに控えていることを意識して、その前の打者との勝負を急ぎ、結果として、甘い球を配球してしまうのです。A-Rod復帰前と後のTeixeiraの成績を比較すると、その差は歴然としています。25 試合で、198 Ave. 5HR、15RBIの成績に対して、13試合で、48打数17安打、354 Ave. 6HR、17RBIという数字です。開幕から絶不調で、ホームでもブーイングを浴びていたTeixeiraが実力通りの活躍をするようになったのは、A-Rodのおかげでもあるのです。

 この13試合、先発陣が安定した成績を残していることも勝利につながっています。特に、エース、Sabathiaがようやく、額面通りの働きをするようになってきました。A-Rodの復帰戦では、完封勝利をあげ、その後2試合でも、8回2失点、7回1失点と、相手打線を抑え、3連勝中です。クリーンナップとエースがその名にふさわしい役割をはたしているチームは、やはり強いです。

 9連勝は、決して楽な勝利の積み重ねではありません。その間、1点差ゲームが4試合、サヨナラ勝ちが3試合です。特に、Twinsとの4連戦では、3試合連続サヨナラ勝ちという劇的な試合が続きました。こうした神懸かり的な勝利を呼び込むチームには、誰も止められない勢いがあります。

 しかし、ヤンキースには、いくつかの課題も残されています。先発のWangと捕手Posadaの復帰は、今後、勝利を重ねる上で不可欠な要素です。Hughesは、最初の先発では、すばらしい投球をしましたが、その後、2回を抑えられず火だるまにあうなど、Quality Startができません。また、2A上がりの捕手、若手のCervelliが活躍していますが、Posadaの穴を埋めることは出来ません。
 さらに、A-Rod復帰後、話題となっているのは、5番打者の確立です。Matsuiは、太腿裏のはりの影響によるのか、全く5番打者としての役割を果たしていません。この13試合、ソロホームランを2本打っているものの、打率は、167 Ave.です。その前の3試合を含めると、得点圏では、8打数0安打です。5番打者のこの成績が、A-Rodの打率の低さに少なからず影響をあたえているのです。
 故障者の早期復帰と中軸の確立が、今後のヤンキースに求められています。

ヤンキース5連敗

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 ヤンキースは、5月に入り、Angelsに1勝した後、5連敗という最悪のスタートを切りました。Red Soxには、2連戦をSweepされ、今シーズン、5戦5敗です。その後、Raysにも2連戦をSweepされたのです。5月には、DL入りの選手も復帰し、4月に不調であった選手も力を発揮すると思われていました。しかし、結果は、悲惨な状態です。問題はどこにあるのでしょうか。
 
 この5連敗の間、先発陣の不安定な投球が顕著でした。Quality Startをしたのは、6日のRays戦に先発したBurnett(6回、3失点)だけでした。5日のRed Sox戦で、Jobaが初回の4失点後、別人のような投球をして、5.2回を投げて、自己ベストの12三振を奪う力投をしましたが、6回を投げきることなく4失点ですから、先発投手の役割を果たしたとはいえません。2日のAngels戦に先発したエースのSabathiaは、またしても、期待に応えられず、5.2回を5失点という内容で、3敗目を喫しました。先発投手陣が、額面通りの働きをしない限り、Yankees浮上のきっかけをつかむことはできないでしょう。

 また、この間、攻撃陣も精彩を欠きました。特に問題なのは、得点圏に走者を置いた場面で、ヒットが生まれないことです。5連敗中のチーム得点圏打率は、43打数6安打で、140 Ave.です。残塁は、40にも及んでいます。このところ打線の中軸を任される3選手のシーズン得点圏打率は、Teixeira 200、Matsui 250、Cano 195 Ave.です。これでは、勝利につながる可能性が低くなります。6日のRaysとの試合でも、8回、3番Teixeiraが2死満塁の場面で、走者一掃の2塁打を放ちましたが、その後、4番のMatsuiが凡退しました。延長10回も、同点のチャンスで、得点圏に走者をおきながら、3、4番が結果を残せなかったのです。

 昨夜、7日のRays戦では、6対6の同点で登板したRiveraが、Career初の連続被弾を浴び、負け投手になりました。この起用には不可解な面がありました。8回にDamonの同点2点本塁打で追いついたYankeesは、9回表、7回から登板したVerasをマウンドに送りましたが、時間稼ぎをしたあとに、Riveraに替えたのです。準備不足に見えたRiveraを送ったことに敗因があった気がします。以前にも指摘しましたが、今シーズンのRiveraは、本人も試合後認めているように、100%の状態ではありません。特に球威が十分でないのです。そのような選手を準備不足で、マウンドに送る監督の采配には疑問が残ります。
 
 さらに、Yankeesにとって大きな問題は、正捕手のPosadaが、4日のRed Sox戦で、控え捕手のMolinaが、昨夜の試合で、走塁中に足を負傷し、ふたりともにDL入りしたことです。特に、Posadaは、昨年の肩の怪我を克服し、好調な滑り出しをしていました。この2人の穴を埋めることは容易ではありません。投手陣にも影響を与える可能性もあり、前途多難といえるでしょう。

 しかし、今日、8日のBaltimoreでのOrioles戦から、A-Rodが復帰する予定です。彼が、チームの悪い流れを変える起爆剤となるか、注目したいところです。
 

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