MoMA の冬の特設は「ジャクソン・ポラック(Jackson Pollock)」。2 月 2 日までの展示となっています。
絵の具をまき散らしたような画風で有名なポラックですが、戦前(結婚前)の作品は、「暗いカンジンスキー」という感じ(笑)ちょっとミロが入っていたり、ピカソっぽかったり、カリグラフィックな作品があったりと、いろんなポラックがあります。モノトーンのカリグラフィックなものは、日本の「書道」を思わせるところもあり、ポラックの鋭敏な感受性が現れているようです。
戦争中の作品で、ポラックの最も大きな作品では、短期間に一気に書き上げたといわれていて、カリグラフィーと組み合わされて、後に確立されるペイント法「pouring and dripping」につながる画風で、スケールの大きな、しかも悲しみがあふれるような作品となっています。少し離れたところに立って観ると、信じられないバランスの良さで、計算されつくした作品なんだとあらためて実感。私は「怒り」すら感じたのですが、ホントのところはどうでしょうか。
ちょうど終戦時、結婚したポラックの作品は、色が明るくなり、タッチにも尖ったものがなくなります。うふふ(^_^)そして、1947 年の終わりからは、いよいよ「pouring and dripping」が登場。床にキャンバスを寝かせ、絵の具を文字通り「注いだり垂らしたり」しながら端から端まで描ききる画法。チューブから直接使うことも。とても立体的でエネルギッシュ、色のバランスもいいんですよね~。ナチュラルカラーの中にピンクが効いていたり、白と黒の対比が効果的だったりと、感心します。吸い込まれるような奥行きが感じられるものもあります。
結局、飲酒運転で事故を起こして即死してしまったわけですが、とても残念なことです。でも、最後の方の作品は、まるで死を予感していたかのように、人生総集編ともいえるような、ピカソ風、セザンヌ風、それに自らの若いころの作風に近いカリグラフィックなもの、とヴァリエーションに富んだものとなっています。
ところで、MoMA では、この同じ期間にミロ展も開催。「Black and Red Series」はいいですね(^_^)そこにはミロロ~ン(^o^)らしい世界があります。きっと、ファンにはたまりませんよね~(^o^)
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