5 月の最後の日。アパート探しをしようと思い立って、『ニューヨーク便利帳』の「住居」のページをめくり、日本語の通じる不動産屋さんを探していたら、左のページの下半分ほどに、「井上不動産」の広告を見つけました。何気なく住所を見たら、地図があり、グランドセントラルの隣と書いてあるではありませんか。うーん、明日はちょうど OCS に行こうと思っていたから都合がいいな。。。ここにしよう。
6 月の最初の日。月曜日の午後。さっそく「INOUE REALTY」へ。。。シンプルなオフィスの入り口で待っていると、しばらくして出てきたのが佐野さんでした。日本の大学を出たあとこちらの大学も卒業したという佐野さんは、若そうですが、頭の回転がよくて good sense of humor がある、good looking な好青年です。
アメリカの不動産屋さんというのは、いわゆるフリーエージェント制。ブローカーは個人でお客さんに対応し、物件との間を取り持ちます。というわけで、最初に私のお話を聞いてくれた佐野さんが以後、私の担当としてアパート探しを手伝ってくれることになりました。
通常、まずは電話で問い合わせ、というパターンらしく、直接オフィスを訪ねてくる人は少ないとのこと。でも、佐野さんいわく、「そういうパワフルな人ほど早く希望の物件に出会えるんですよね」ということでした。
私の希望はアッパー・ウエスト・サイドで、100th よりも南、ドアマンがいて安全なところ、お部屋の窓が大きく明るい、キッチンがちゃんとしているところ、というような具合。身分と現在の住所、予算などを告げて、さっそく探してもらうことになりました。
ものの本によると、不動産屋さんの段階で、かなり身元のチェックが厳しいようなことが書かれていたのですが、佐野さんは、ほとんど通り一辺のことを尋ねただけで、身分証明などを求めたりはしませんでした。むしろ、おもしろおかしく雑談していただけのような感じでした。このあたりは、ブローカーとしての勘なんだろうなあ、とあとで納得していた私です。
ブローカーフィーは、INOUE REALTY では、年間家賃の 15% とのこと。「家賃 1 ヶ月分よりも多いけど 2 ヶ月分よりも少ないって感じです。」なるほど。
このような段取りで、私のアパート探しが始まりました。
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