Yankeesは、Fenwayでの3連戦を2勝1敗と勝ち越し、Red Soxとの差を7.5ゲームに広げました。この3試合は、両チームの打線が爆発した試合で、特に最初の2試合は、締まりのない時に見るに耐えない試合でした。結果として、このシリーズを制したYankeesがアリーグ東地区優勝に向けて一歩前進したといえるかもしれません。しかし、Yankeesに不安材料がないわけではありません。
初戦は、20対11というFootballの試合を彷彿させるスコアでした。打線は、A-Rodが4安打、JeterとTeixeiraが3安打を放ち、Matsuiが2本の3ランホームランを含む7打点を記録し、怪我で1打席で退いたDamonを除いて、その代役のHinskeを含めた先発全員が打点を記録するほど爆発しました。しかし、先発のPettitteは、5回まで12点の援護をうけながら、攻撃時間が長過ぎて投球のリズムを崩したのか、5回で7失点(自責点5)を与え降板しました。その後、自責点が記録されていないものの、Bruneyが乱調で3四球を与え、DLから復帰したMarteは好リリーフをしましたが、最後に登板したMitreは、2回で4失点を献上しました。守備においても、Damonに替わってレフトについたHinskeとセンターのCabreraが何でもない飛球をお見合いしてヒットにしてしまうお粗末なプレーもありました。Yankeesは勝利を得ましたが、実にSloppyな試合でした。
第2戦は、初戦の勝利で気がゆるんだYankees打線が、Red Soxの先発、ルーキーのTazawaに6回無得点と沈黙し、結果は、14対1でRed Soxの大勝でした。前回ホームでの第2戦でTazawaと対戦(A-Rodのサヨナラホームランで勝利)して、ヒットを含めよい感触を得ていたYankees打線が、相手を甘くみていたのがこの結果を生んだといえます。先発のBurnettは、自己ワーストの9失点(5回)で、今後のビッグゲームにおける先発に不安を残しました。この試合で特に注目されたのは、BurnettとPosadaとの呼吸が全く合っていない点です。Burnettは、Ortizにホームランを献上した後、マウンドで、"Why?"という言葉を6回も発し、"Why would you throw that?"と自分が投じた速球に疑問を投げかけたのです。試合後、Burnettは、自分の投球を責めたと応えていましたが、明らかに、その場面で速球を要求したPosadaへの不満の声でした。この試合で、Burnettは、制球が定まらない速球ではなく、カーブやスライダーを多投したかったのですが、バランスを重視したPosadaは、変化球を連投するのでは相手に見破られるので、時折速球を要求しました。そこで、2人の間に溝ができ、この試合の行方に大きな影響を与えました。Girardiは、この2人がこれまでよい結果を残していると主張し、今後も2人を引き離すことはないといっています。果たして、その方針がよい結果につながるか疑問が残ります。
また、この試合のGirardiの采配で不可解な面がひとつあります。怪我でスタメンをはずれたDamonに替わって、Hinskeをレフトで起用したことです。Hinskeは、外野両翼が守れるということですが、これまでの出場はライトに限られ、その守備も極めて不安定なものです。前日、センターのCabreraとの息が合わずにヒットにした状況を考えれば、当然ながら、守備の上手いHairstonを先発で使うべきです。案の定、この試合でも、Hinskeは、記録に残らないエラーを2つしています。彼の守備は、見るに耐えないものです。
最終戦は、SabathiaとBeckettとのエース対決で、白熱した投手戦が期待されました。しかし、結果は、両者ともに本来の力を十分に発揮することができませんでした。ただし、Sabathiaは、6.2回、4失点で試合をつくり、8回8失点のBeckettに投げ勝ちました。Beckettは、前回のBlue Jays戦でも7失点をして、不調の波に飲み込まれているようでした。Yankeesは、Beckettの乱調に助けられ、5本のホームランを浴びせて、8対4の勝利を収めたのです。
このシリーズを終えて、両者の今シーズンの成績は、Red Soxの9勝6敗となりました。ここ7試合では、Yankeesの6勝1敗です。残りは、9月終盤のYankee Stadiumでの3連戦だけです。それまでに、両者の差がどのようになっているのでしょうか。これから、まだまだ、ひと山もふた山もありそうな気がします。
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