Yankeesは、Fenwayでの3連戦を2勝1敗と勝ち越し、Red Soxとの差を7.5ゲームに広げました。この3試合は、両チームの打線が爆発した試合で、特に最初の2試合は、締まりのない時に見るに耐えない試合でした。結果として、このシリーズを制したYankeesがアリーグ東地区優勝に向けて一歩前進したといえるかもしれません。しかし、Yankeesに不安材料がないわけではありません。

 初戦は、20対11というFootballの試合を彷彿させるスコアでした。打線は、A-Rodが4安打、JeterとTeixeiraが3安打を放ち、Matsuiが2本の3ランホームランを含む7打点を記録し、怪我で1打席で退いたDamonを除いて、その代役のHinskeを含めた先発全員が打点を記録するほど爆発しました。しかし、先発のPettitteは、5回まで12点の援護をうけながら、攻撃時間が長過ぎて投球のリズムを崩したのか、5回で7失点(自責点5)を与え降板しました。その後、自責点が記録されていないものの、Bruneyが乱調で3四球を与え、DLから復帰したMarteは好リリーフをしましたが、最後に登板したMitreは、2回で4失点を献上しました。守備においても、Damonに替わってレフトについたHinskeとセンターのCabreraが何でもない飛球をお見合いしてヒットにしてしまうお粗末なプレーもありました。Yankeesは勝利を得ましたが、実にSloppyな試合でした。
 
 第2戦は、初戦の勝利で気がゆるんだYankees打線が、Red Soxの先発、ルーキーのTazawaに6回無得点と沈黙し、結果は、14対1でRed Soxの大勝でした。前回ホームでの第2戦でTazawaと対戦(A-Rodのサヨナラホームランで勝利)して、ヒットを含めよい感触を得ていたYankees打線が、相手を甘くみていたのがこの結果を生んだといえます。先発のBurnettは、自己ワーストの9失点(5回)で、今後のビッグゲームにおける先発に不安を残しました。この試合で特に注目されたのは、BurnettとPosadaとの呼吸が全く合っていない点です。Burnettは、Ortizにホームランを献上した後、マウンドで、"Why?"という言葉を6回も発し、"Why would you throw that?"と自分が投じた速球に疑問を投げかけたのです。試合後、Burnettは、自分の投球を責めたと応えていましたが、明らかに、その場面で速球を要求したPosadaへの不満の声でした。この試合で、Burnettは、制球が定まらない速球ではなく、カーブやスライダーを多投したかったのですが、バランスを重視したPosadaは、変化球を連投するのでは相手に見破られるので、時折速球を要求しました。そこで、2人の間に溝ができ、この試合の行方に大きな影響を与えました。Girardiは、この2人がこれまでよい結果を残していると主張し、今後も2人を引き離すことはないといっています。果たして、その方針がよい結果につながるか疑問が残ります。
 また、この試合のGirardiの采配で不可解な面がひとつあります。怪我でスタメンをはずれたDamonに替わって、Hinskeをレフトで起用したことです。Hinskeは、外野両翼が守れるということですが、これまでの出場はライトに限られ、その守備も極めて不安定なものです。前日、センターのCabreraとの息が合わずにヒットにした状況を考えれば、当然ながら、守備の上手いHairstonを先発で使うべきです。案の定、この試合でも、Hinskeは、記録に残らないエラーを2つしています。彼の守備は、見るに耐えないものです。

 最終戦は、SabathiaとBeckettとのエース対決で、白熱した投手戦が期待されました。しかし、結果は、両者ともに本来の力を十分に発揮することができませんでした。ただし、Sabathiaは、6.2回、4失点で試合をつくり、8回8失点のBeckettに投げ勝ちました。Beckettは、前回のBlue Jays戦でも7失点をして、不調の波に飲み込まれているようでした。Yankeesは、Beckettの乱調に助けられ、5本のホームランを浴びせて、8対4の勝利を収めたのです。

 このシリーズを終えて、両者の今シーズンの成績は、Red Soxの9勝6敗となりました。ここ7試合では、Yankeesの6勝1敗です。残りは、9月終盤のYankee Stadiumでの3連戦だけです。それまでに、両者の差がどのようになっているのでしょうか。これから、まだまだ、ひと山もふた山もありそうな気がします。

ヤンキース好調を維持

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 Yankeesは、ホームでBlue Jaysとの3連戦を2勝1敗で勝ち越し、後半戦、ひとつの山場であるWest Coast Road Tripにでました。結果は、Marinersに3勝1敗、Athleticsに2勝1敗と何れも勝ち越し、Red Soxの本拠地Fenway Parkに乗り込んで来ました。両者のゲーム差は、Yankee Stadiumでの対決後と変わらず、6.5ゲームです。
 
 Red Soxを4−Game Sweepした後、Yankeesは、いわゆる気のゆるみ(Letdown)が心配されました。Blue Jaysとの初戦では、その心配が的中し、先発のMitreのエラーが試合を決める結果となりました。しかし、その後の2試合、7対5、4対3(延長11回)という接戦を制し不安をを一蹴しました。ロードに出て、Athleticsとの初戦で、Yankeesから事実上解雇されたTomkoとブルペンに完封された試合でも荒いバッティングが目立ちましたが、その他の試合では安定した力を発揮し、Marinersとの2試合とAthleticsとの最終戦は何れも接戦でしたが、確実に勝利を収め好調を維持しました。

 この間、先発3本柱は、安定した投球をみせました。しかし、投球回数制限を言い渡されたJobaは、通常の登板間隔で2試合に先発したのですが、何れも不安定な投球をしました。成績は、6回4失点で勝利と5回4失点で敗戦の1勝1敗でした。次回は、登板間隔が8日も空く、ホームでのRangers戦です。どうも投球回数制限の話が出てから、Jobaのリズムが崩れたような気がします。5番手のMitreは、5回5失点の敗戦と5.1回2失点の勝利という結果でした。また、Jobaの代役として先発したGaudinは、4.1回で無失点という成績でした。今後もこの2人が5番手とJobaの穴埋めの役割を担うことになりそうです。チームが好調であるからこその余裕の起用といえそうです。

 打線は、それほど好調であるとはいえませんが、効果的なホームランがチームの勝利につながっています。MatsuiとPosadaの連発、Matsuiの1試合2発、Teixeiraの決勝弾2発、SwisherとJeterのホームランなど、日替わりでのLongballがよい結果を生み出しています。果たして、ライバルのRed Soxに対して、どのような試合をするか楽しみです。
 

後半戦のメッツ

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 Metsは、後半戦に入り、最初のロードトリップを4勝6敗と負け越しました。その後、ホームでRockiesに3勝1敗と勝ち越して、後半戦の成績を5割としましたが、7月最後の試合で、Diamondbacksに敗れ、7月を12勝14敗と負け越して終えました。
 後半戦、復活の兆しが見られないMetsでしたが、GMのMinayaは、7月31日のトレード期限までに、全く動きを見せませんでした。

 Metsは、8月に入り、Diamondbacksとの4連戦残りの3試合を1勝2敗と負け越し、Cardinalsとの2連戦を1勝1敗で分けましたが、ロードに出てPadres(1勝3敗))とDiamondbacks(1勝2敗)に負け越し、ホームに帰りGiantsとの4連戦を2勝2敗で終えました。8月の成績は6勝10敗、後半戦の成績は13勝18敗、今季ここまでの通算成績は55勝63敗で、ナリーグ東地区首位のPhilliesに12.5ゲームの差をつけられ、ワイルドカード1位のRockiesに10ゲームの差をつけられ、ポストシーズン進出が絶望的な状態となりました。

 後半戦に入っても、何かに取り付かれたように怪我人が続出しました。YankeesとのSubway Seriesからローテーションを守ってきたNieveが走塁で足を怪我してDL入りし、その代役としてメジャーに復帰したRookieのJon Nieseも先発3試合目に1塁へのベースカバーの際、足を怪我して脱落しました。これまで、チームの主軸として活躍してきたSheffieldも、足の状態がおもわしくなく、一時DL入りしました。また、Reyesの穴を埋めてきたCoraまでもが、両手親指の怪我で、今季の復帰を断念しました。さらに、追い討ちをかけるような出来事が起こりました。チームリーダーとして孤軍奮闘してきたWrightが、15日の試合で、Giantsの先発投手Cainが投じた速球を左側頭部(ヘルメット)に受け、退場したのです。しばらく、その場で立ち上がることができませんでしたが、幸いなことに脳しんとうという診断で、大事にいたることはありませんでした。しかし、Metsは、Wrightを15日間のDLに入れました。この結果、開幕から故障することなく、また、不振でスタメンをはずれることなくラインナップに名を連ね続けている選手は、ひとりもいなくなったのです。このような状態では、今季のポストシーズンを諦めざるを得ないでしょう。

 Metsは、今後、来季を見据えた試合をする必要があります。まず、先発投手については、Nieseの代わりにブルペンからParnellを入れました。Parnellは、Putzの代役としてSet-upの役割を期待されたのですが結果を出せず、その後もブルペンであまりよい仕事をしていませんでした。先発に回り2試合目で、6回無失点という結果を出し、今後が楽しみです。しかし、その他の選手で、来季を視野に入れて育てる人材が見当たりません。3Aでよい成績を残しメジャーに再昇格したNieseは、DL入りしてしまいました。Nieseも来季の先発候補でした。野手についても、期待されていたFernando MartinezがDL入りしてしまい、来季に備えることができません。現在のラインナップで、将来を考えるべき選手は、DelgadoのDL入り後、Tatisとともに1塁を守るMurphyです。今季、レフトのスタメンでスタートしましたが、外野の守備に不安を抱え、1塁へコンバートされました。今後、1塁で起用するのか、来季、外野に戻すのか、チームは、早めの決断をすべきでしょう。

 今季の目標を失ったチームにとって、今後の試合は、かなり難しいものとなるでしょう。特に、先発の柱として大活躍してきたSantanaとクローザーのK-Rodが気持ちを切らずにどこまでプロとしての仕事をすることができるか、とても気がかりなところです。2人とも今まで同様の力を発揮してくれると信じたいものです。また、DLから復帰可能な選手には、これまでの借りを返すような大活躍を期待したいものです。Metsは、新球場のオープンにより今季のチームに多くを期待したファンにひとつでもよい試合を見せなければなりません。

 

ボストンに4連勝

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 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesは、宿敵Red Soxをホームに迎え、4連戦をSweepして、今シーズン8連敗という嫌な流れを断ち切るとともに6.5ゲームの差をつけました。

 初戦は、13対6というスコアの乱打戦でしたが、残りの3試合は、白熱した投手戦でした。Yankeesの3人の先発投手は、BurnettとSabathiaが各7.2回、Pettitteが7回を無失点に抑える完璧な投球を示し、好投したRed Soxの先発陣、Beckett(7回無失点)、Buchholz(6回2失点)、Lester(7回1失点)に投げ勝ったのです。最も、3人全員に勝ち星がついたのではなく(Sabathiaのみが勝利投手)、ブルペンの踏ん張りと貴重なホームランがチームに勝利をもたらしたのでした。
 第2戦は、Burnettの後を継いだブルペン全員がRed Sox打線を封じ込み、延長15回裏のA-Rodのサヨナラ2ランホームランを生み出しました。第3戦もSabathiaをリリーフした、HughesとRobertsonが相手打線を完璧に抑えました。2日連続で、Red Soxを2対0、5対0と完封したのです。最終戦は、PettitteをリリーフしたCokeが8回に打たれ逆転を許しましたが、その裏、DamonとTeixeiraの連続ソロホームランで逆転して勝利をおさめました。

 結果としては、YankeesがRed Soxを圧倒したのですが、初戦を除いた3試合は、どちらが勝利してもおかしくない接戦でした。Yankeesにとっては、Boston打線が後半に入り不調であることが幸いしたともいえますが、Yankeesが接戦をものにする強さを示したともいえます。しかし、この両者の状態が今後も続いていくとは思われません。今月21日からのFenwayでの対決がさらに熱気を帯びていくでしょう。そこで、YankeesがSweepするようなことになれば、アリーグ東地区の行方が見えてきそうです。
 Yankeesは、後半戦に入り8連勝という最高のスタートを切り、ホームスタンドで9勝1敗、その後、ロードに出てRaysに2勝1敗、White Soxとの4連戦で3連敗しましたが、最終戦に勝利した後、Blue Jaysとの2連戦をSweepして、ロードを5勝4敗で終えました。この間、3ゲーム差で首位を走っていたRed Soxが予想外に失速(7勝10敗)して、Yankeesは、逆に、2.5ゲーム差をつけて、2位のRed SoxをYankee Stadiumで迎え入れることになりました。

 Yankeesが好調な要因は、紛れもなく、先発陣の安定した投球です。後半戦19試合で、先発投手が5回を投げきることができなかったのは、わずかに3試合です。6回を3失点以内に抑えたQuality Startをしたのは、11試合でした。エースのSabathiaとBurnettは、それぞれ、持ち前の力を発揮しました。特に心配されたJobaは、All-star Breakでの気分転換が功を奏したのか、3試合で3勝、21.2回を投げて失点2という完璧な投球をしました。また、同じく不安視されていたPettitteも、4試合で26.2回を投げて失点8という安定した投球をしました。その内で、4失点を記録した試合では、自らが残した3人のランナーをブルペンがすべてかえした3失点でした。この満塁のピンチにおける交替は、疑問が残るもので、この3失点がなければ、ほぼ完璧に近い内容でした。Wangの代役としてローテーションに加わったMitreは、4試合で、5.2回4失点、5回4失点、3回5失点、4.1回3失点という成績で、決してよいものではありませんが、その内、3試合は、チームが勝利を収めました。最低限、試合をつくることができたということでしょう。
 ブルペンもチームの躍進に大きく貢献しました。特に、序盤の7連勝中は、すべて3点差以内の接戦で、その間でも、2対1という僅差のゲームが3試合続きました。特に目立った活躍をしたのは、Hughesです。この間、4試合で6回を投げ、失点なしの好投をして、メジャー初セーブも記録しました。

 このような好調の波に乗って7月を18勝9敗で終えたYankeesは、31日のNon-waiver Trade Deadlineまでに、特に目立った動きを見せませんでした。Utility Playerとして、RedsからJerry Hairston, Jr.を獲得しただけでした。Hairstonは、一塁以外の内外野、どこでも守ることができ、機動力を発揮できる貴重な戦力です。その後、Yankeesは、8月6日に、PadresからChad Gaudin投手を獲得しましたが、今シーズン、4勝10敗という成績の先発投手が、どれほどチームに貢献できるか疑問が残ります。

 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesですが、不安材料がないわけではありません。そのひとつは、好調なJobaの投球回数制限です。多くのチームが、初めて1年間ローテーションを任せた若い先発投手を怪我から守るために、通常の200イニングよりも少ない投球回数を想定しています。Jobaの場合は、150−160イニングといわれています。これまで、すでに110.2回を投げていますから、1試合6回で計算すると、残りの先発回数は、7−8回となります。55試合を残しているYankeesは、ローテーション投手に後11回の先発を期待していることになります。Jobaの先発をいかに減らし、誰がその役割を担うか、大きな課題です。
 また、先発5番手、Mitreが今後もローテーションを守ることができるか、甚だ疑問です。Gaudinがその代役となるのか、あるいは、3Aから誰かを上げてくるのか、今後、首脳陣を悩ますことになるでしょう。
 
 
 Yankeesは、7月に入り、MinnesotaでTwinsをSweepして7勝2敗の好スタートを切り、地区首位のRed Soxに追いつきました。そして、All-Star Break前最後の3連戦に向けて、Anaheimに乗りこみました。結果は、Angelsに3連敗を喫して、その間、3連勝したRed Soxに3ゲーム差をつけられました。前半戦終了直前にSweepされたのは、何とも後味の悪いものでした。通算成績は、51勝37敗です。

 Angelsとの3試合は、すべて勝利するチャンスがありました。最初の2戦は、5対1、4対0と序盤から主導権を握っていましたが、各試合先発のJoba(4.1回、5失点)とPettitte(4.1回、6失点)が5回を保たずに降板し、その後、ブルペンも打ち込まれて、10対6、14対8と大敗しました。最終戦は、5対4の接戦となりました。先発のSabathiaは、6.2回まで粘りの投球をみせましたが、5失点という内容でエースの働きをすることができませんでした。しかし、Yankeesは、7回、8回と2度の無死満塁のチャンスを得ていました。8回は、2得点を上げることができましたが、7回は、Teixeiraが三振とA-Rodが併殺打でチャンスを潰してしまいました。Yankeesにとっては、非常に惜しい試合でした。
 Yankeesは、今シーズン、地元でAngelsに2勝1敗と勝ち越しましたが、このところ、Angelsには大きく負け越しています。2004年からこれまでの対戦成績は、Angelsの33勝18敗で、特に、Anaheimでは、18勝7敗となっています。なぜかAngelsを苦手としています。Small Baseballを巧みに取り入れたScioscia監督の采配に翻弄されているのです。
 Angelsに限らず、今シーズンのYankeesは、各地区1位のチームとの対戦成績がよくありません。Red Sox(0-8)、Angels(2-4)、Phillies(1-2)、Tigers(2-1)に対して、5勝15敗です。さらに、同地区昨年の覇者、Rays(4-4)を加えると9勝19敗となります。さらに、注目すべき点は、先発4本柱がこうした強豪チームを相手に結果を残していないことです。Sabathiaは、0勝4敗、Burnett、Joba、Pettitteの3投手は、各1勝2敗です。Yankeesの後半戦のひとつの鍵は、Red Soxをはじめとした強敵にいかに立ち向かうかということでしょう。

 Yankeesは、今年、Post-Seasonに進出することができるでしょうか。前半の成績を振り返りながら、考えてみたいと思います。まず、オフェンスのStatsを見てみましょう。495得点、132本塁打(Rangersと同数)、出塁率(358 Ave.) は、いずれもMLBで一番の成績です。打率(276 Ave.)は、Angelsについで2位です。数字は、申し分ないものです。しかし、勝負の分かれ目は、好機に結果を残すことができるかという点に絞られます。特に、強敵を相手にしたときは、尚更のことです。その役割は、何といっても主軸に求められます。主軸の前半戦の成績を見てみましょう。Teixeiraは、4月の大スランプを乗り越え、Yankees打線で最もよい成績を残しました。21HR、63RBI、275 AVE.です。A-Rodは、5月に怪我から復帰した後、6月にスランプに落ち入りましたが、17HR、50RBI、256 AVE.とまずまずの結果を残しました。次に、後半戦、5番でスタメンに登場する機会が多いと予想されるMatsuiの成績です。両膝の状態が万全ではない中で、14HR、40RBI、265 AVE.という成績でした。しかし、5番打者としては、物足りない数字です。以前にも指摘しましたが、Yankees打線の1つの問題は、A-RodをProtectする信頼できる5番打者が存在しないことです。Matsuiがその役割を果たすことができるか、注目したいところです。この3人は、好機でどのような結果を残しているでしょうか。得点圏打率は、Teixeira(245 AVE.)、A-Rod(278 AVE.)、Matsui(238 AVE.)です。Yankeesの主軸としては、お粗末な数字です。彼ら3人が好機で結果をだすことが、勝利への近道です。
 オフェンスでもうひとつ気がかりな点は、Outfielderの配置です。6月30日に、PiratesからトレードでEric Hinskeが入団しました。怪我で今シーズン復帰が不可能となったNadyの代わりとみなされています。外野(両翼)だけでなく内野(1、3塁)も守れるUtility Playerとしても期待されています。ところが、代打を含めて3試合で打席に立ったHinskeは、3本のホームランを放ち、存在感を示しました。監督のGirardiは、Damon、Cabrera、Gardner、Swisherを含めた5人のOutfieldersを交互に出場させると明言しました。はたして、そのような起用がよい結果を生むのでしょうか。現時点では、Damon、Cabrera、Swisherがレギュラーで、他の2人は、控えとして使う方がよいと思います。

 さて、Yankeeの大きな問題は、やはり、投手陣です。前半戦の成績は、チーム防御率、4.54で、MLB30球団で23位です。その下に25位のPhilliesと27位のAngelsがいますから、この数字だけで、チーム力を判断することはできません。Yankeesの場合、特に、序盤、絶不調のWangが大量失点で破れる試合が数試合ありましたし、ブルペンが崩壊した試合も多くありました。その結果が、通算の防御率に反映されています。最近は、ブルペンが安定してきていますから、後半戦には、よりよい数字が期待されます。
 投手陣の問題としてまず上げられるのは、7月4日の試合で怪我をして再びDL入りしたWang(1-6、9.64 ERA)の代わりを誰にするかという点です。Hughesは、8回のSet-upとして活躍が見込まれるので、先発に復帰することはないでしょう。Acevesも、前半最後の登板で先発しましたが、リリーフの方が適しているように思われます。Halladayのトレード話が注目されていますが、Yankeesは、おそらく、その話から距離を置くでしょう。そうなると、3Aで結果を残しているメジャーでの先発経験もあるSergio Mitreが有力な候補となります。はたして、Mitreがローテーションを守ることができるか。Yankeesにとっては、ひとつの不安材料です。
 その他の先発投手陣にも不安は残ります。特に、Joba(4-2、4.25ERA)とPettitte(8-5、4.85 ERA)は、最近、不安定な投球が続いています。Jobaは、制球難により、6、7回と長いイニングを投げきれず、勝敗なしの試合が極めて多い投手です。Pettitteは、昨年、後半戦に失速した経験があり、今シーズンもその不安を払拭することができません。この2人が試合を作ることができるかは、Yankeesの後半戦にとって、とても重要な要素です。
 エースのSabathiaは、8勝6敗、防御率3.86という数字で、必ずしも期待通りの仕事とは言い難いものですが、それなりの結果を出しました。Sabathiaの場合、例年、後半に期待がもてる投手ですから、額面通りの働きをしてくれるでしょう。一方、Burnettは、8勝4敗、防御率3.77と、先発陣で最もよい成績を残しました。特に、このところ、安定した投球が目立ちます。さらなる活躍が期待されます。

 攻撃陣と投手陣の問題点を指摘しましたが、勝敗の分かれ目は、ちょっとした1つのプレーに集約されることがあります。強いチームは、Fundamentalsがしっかりとしていて、Situational Hittingを確実にこなします。ひとつの犠打や進塁打が勝負を決めることがあります。YankeesがPost-Seasonに進むためには、その辺りも改善する必要があるでしょう。

 

前半戦終了(メッツ)

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 Metsは、All-Star Break前、7月を5勝6敗、前半戦を42勝45敗で終え、首位Philliesに6.5ゲーム離され地区4位です。果たして、後半戦に巻き返すことができるでしょうか。微妙な状況です。

 Metsは、7月を2連勝でスタートした後、首位のPhilliesにSweepされ、西地区で首位を独走するDodgersに負け越しましたが、Redsとの前半戦最後のSeriesを2勝1敗で勝ち越しました。
この間、2人の選手がRoasterに加わり、チームの勝利に貢献しました。Dodgersとの第2戦に先発したのは、不調により66日間DL入りしていた、元来のローテーション投手Oliver Perezです。5回、2失点の内容で勝利投手となりました。しかし、相変わらずの制球難で、与えた四球は7を数えました。もう1人は、Bravesとの交換トレードでRedsとの第2戦目から打線に加入したJeff Francoeurです。最初の試合で、貴重な2ランタイムリーヒットを放ち、翌日の試合でも2安打しました。今シーズン、Bravesでの成績は、250 Ave.、5HR、35RBIでした。替わりに放出した選手は、280 Ave.、2HR、22RBIの成績を残していたChurchです。果たして、このトレードにどれほどの意味があるのでしょうか。Francoeurは、Gold Gloveを受賞したこともある優れた守備を誇る選手で、また、2006年、2007年と続けて100打点を記録しました。しかし、昨年から不調となり、今年もよい結果を出すことができませんでした。まだ25歳と若く、今後に期待できる選手といえますが、Metsの打線にインパクトを与える選手とは思えません。

 今のMetsに必要な選手は、ホームランの打てる強打者とエースクラスの先発投手です。Francoeurの獲得もPerezの復帰もその必要性を満たすものではありません。GMのMinayaは、トレードで新たな選手を獲得するつもりはないと公言しています。Metsは、今シーズンを諦めてしまったのでしょうか。今のところ、Reyes、Delgado、Belranの早期復帰が確約されているわけではありません。これまで、マイナーから若手の有望選手が数人デビューしました。しかし、誰もセンセーショナルな活躍をすることはできませんでした。Post-Seasonへ向けて、体制を整えるためには、メガトレードによる大型補強以外に選択肢はないといわざるを得ません。
 

6月のヤンキース

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 Yankeesは、6月の終盤を6連勝で終え、今月の成績を15勝11敗としました。通算成績は、44勝32敗で、首位Red Soxを2.5ゲーム差で追う展開です。6月は、序盤、よいスタートを切りましたが、Red Soxに3連敗して勢いを失い、インターリーグでは、Metsに5勝1敗と大きく勝ち越しましたが、Nationals、Marlins、Bravesを相手に4勝5敗と負け越したことが影響して、Red Soxに首位を明け渡しました。

 今月、特に話題となったのは、「Yankees打線は、初物に弱い」という評判です。実際には、初対戦の先発投手が登板した試合の勝敗は、必ずしも悪いわけではないというデータがあります。しかし、6月のインターリーグでは、MetsのNieve(6.0, 2R)NationalsのLannan(8.1, 2R)、Stammen(6.1, 0R)、MarlinsのVolstad(6.0, 3R)、BravesのHanson(5.1, 0R)という5人の投手に抑えられ、Yankeesは敗戦しています。さらに、Nationalsとの初戦でも、勝利を収めたものの、先発のMartisに6回、2点に抑えられました。MarlinsのJosh Johnsonは、確立された投手として評価が高いので、必ずしも初物として数えられませんが、Yankees打線にとっては、ほとんど対戦したことない投手です。Johnsonにも7回、1点と抑えられ、勝利を献上しました。
 このような結果となった理由は、いくつか考えられます。ベテランが多いYankees打線は、対戦により得たデータや経験をもとに、相手に立ち向かう傾向があるという点です。また、この時期、Yankees打線全体が不調の波にのみ込まれていたことも上げられます。さらに、DHを使えないナリーグ主催のゲームが続いたこともYankeesにとって不利な状況でした。ただし、Yankeesは、従来、インターリーグで成績が最もよいチームですから、やはり、打線が沈黙していた時期という理由が、敗戦の大きな原因でしょう。
 
 特に、6月、成績不振に悩まされていたのは、5月初旬にDLから復帰したA-Rodでした。6月の成績は、207 Ave.、5HR、22RBIでした。本塁打と打点は、5月の7本、17打点と比べて、それほど変わりません。しかし、A-Rodは、フロリダへのロードに出るまで、極度のスランプに落ち込んでいました。5月、打線に復帰後、DHでの出場があったものの、全く休むことなく試合に出続けていたのです。疲労困憊が不振の原因でした。フロリダで2試合スタメンを外れたことにより、充電することができたA-Rodは、6月の終盤8試合で、3本塁打、13打点と固め打ちをしました。Clean-up Hitterの活躍が、6連勝に大きく貢献したのです。打線の軸が強固であることは、勝利には欠かすことができません。A-Rodの調子が7月以降のYankeesの浮沈の鍵をにぎっているといえるでしょう。

6月のメッツ

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 Metsは、6月の終盤を5連敗で終え、今月、9勝18敗と大きく負け越しました。幸いなことに、首位Philliesの調子が上がらないので、Metsは、通算成績、37勝39敗で、Philliesを3ゲーム差で追っています。今月、悲惨な結果をもたらした原因は、故障者リストに新たに3人も加わったこと、また、相変わらず、Foundamentalsが欠如していることです。

 すでに以前のブログで指摘したように、先発のMaineとSet-upのPutzが6月初旬にDL入りしました。加えて、以前から右膝の痛みに耐えながらプレーしていた主軸のBeltranが22日にその仲間入りをしました。これで、開幕戦の1番(Reyes)、4番(Delgado)、5番打者を欠く打線となり、得点能力がさらに落ちることになったのです。唯一残された中軸のWrightは、打率においては、6月もAve.365という好成績を残しましたが、打点がわずかに12点に留まりました。精神的な負担が増した結果といえるかもしれません。また、4月に控えの外野手として入団したベテランのSheffieldは、Delgadoの穴を埋め、5月には、Ave.348、15RBIと活躍しましたが、6月になると、膝の故障の影響もあり、Ave.286、11RBIと成績がかなり落ちました。Beltranの代役は生まれず、3、4番合わせてて23打点では、かなり厳しい試合を強いられ、投手への負担も増大したのです。
 Maineの代役としてローテーション入りしたNieveは、Subway Series第1ラウンドで今季初先発初勝利を記録した後も好投を続け、次の2試合も6回ずつ投げ、合わせて失点1という成績を残し、3連勝のスタートを切りました。6月、最後の登板では、3.1回、3失点で敗戦投手となりましたが、ここまで、ERA2.25という立派な先発投手の役割を果たしています。今月、Metsにとって唯一の収穫といえるでしょう。しかし、Putzの代役として期待されたBobby Parnellは、6月、8回で12失点、ERA13.50という悲惨な結果を残し、8回Set-upの役割を果たすことができませんでした。その結果、Set-up不在のブルペンとなり、K-Rodへつなぐ中継ぎ陣の不安定な状況が続いています。

 6月のMetsは、故障者の影響もあり、守備の乱れで試合をおとすことも多くありました。典型的な試合は、30日のBrewers戦、6対3で敗戦した試合です。4回、無死1塁の場面で、Beltranの代わりにセンターを守っていた若手のFernando Martinezが、普通のフライを足を滑らせて取り損ねてしまいました。そのプレー(2塁打により、無死2、3塁)が、その回の4失点へとつながったのです。Subway SeriesにおけるCastilloのエラーや1イニング3エラーなど、Metsは、Foundamentalなベースボールができていません。その結果が6月の悲惨な成績を生み出したのです。
 

 
 Metsの新球場、Citi FieldでのSubway Series第2ラウンドは、Yankeesの3連勝で終わりました。結果として、今年のSeriesはYankeesの5勝1敗となったのです。
 第1ラウンド終了後、Yankeesは、大方の予想に反して、格下のNationalsとMarlinsに負け越し、Bravesとの初戦も落とし、チーム状態は、かなり悪いものでした。しかし、Bravesとの残り2試合に勝利を収め、第2ラウンドに臨みました。一方のMetsも、OriolesとRaysに負け越しましたが、中部地区の強豪、Cardinalsとの4連戦を3勝1敗と勝ち越し、よい流れでYankeesを本拠地に迎えいれました。どちらのチームが、今回のSeriesで弾みを付けて7月攻勢に転じることができるか、注目の3連戦でした。
 
 初戦は、Sabathiaの好投(7回、3被安打、1失点)により、Yankeesが9対1で圧勝しました。しかし、この試合を決めたのは、またしても、Metsのエラーによる失点でした。2回の表、Metsの内野手3人、Wright、CoraとEvansが次々とエラーを犯し、Yankeesの4得点に大きく貢献してしまいました。Wrightのエラーがなければ、得点を許すことはなかったかもしれません。Coraがエラーをしなければ、2失点でその回は終了していました。先発のPelfreyが与えた得点は、その回の4点(自責点2)でした。5回裏にSheffieldのソロホームランがでましたから、仮に2失点で2回を凌いでいたら、この試合の行方はわからなかったかもしれません。
 第2戦も、Burnettが好投(7回、1被安打、0失点)し、その後を継いだTomkoもMets打線を完璧に抑え、Yankeesは5対0の完封勝利を収めました。結局、Metsは、この試合、1安打、3四球と打線が沈黙しました。Mop-up RoleとみなされているTomkoを打ち崩せなかったのは、低調な打線を物語っていました。
 第3戦は、結果として、4対2の接戦でした。Metsの先発、Hernandezは、7回、3失点という内容で、十分な働きをしました。しかし、打線は、今シーズン絶不調で未だに勝ち星のないWangを打ち崩すことができず、4安打で2得点をあげるだけの力しかなかったのです。Wangは、5.1回を投げ、初勝利を得ました。この試合の鍵となったのは、初回3点を上げたYankeesの攻撃でした。これも、ちょっとした守備の乱れが影響しました。先頭のJeterが2塁打で出塁した後、Swisherのファーストゴロを捕球した急造1塁手のMurphyが、Jeterを刺そうとして3塁に送球しましたが、結果はセーフ。このFCが初回の傷口を広げてしまい、Metsは挽回することができなかったのです。

 このSeriesを総括すると、安定したYankeesの投手陣、絶不調なMetsの打線、不安定なMetsの守備陣がYankeesのSweepをもたらしたといえます。

 

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