Metsは、今月の初旬、7連勝して、地区の首位に踊りでるほどの勢いを示していました。そして、ホームでBravesに1勝2敗と負け越した後に、今シーズン最も過酷なロード10連戦に挑み、結果として5勝5敗で終え、現在23勝20敗で、地区首位のPhilliesに1.5ゲーム差の2位です。
この10連戦の間、Delgado(DL入り)、Putz(復帰)Reyes、Cora(DL入り)、Beltran(DHで出場)、Church、K-Rodと相次いで、故障者がうまれ、チームは悲惨な状態で戦い抜きました。まず、Giantsには、3勝1敗で勝ち越しましたが、Dodgersには、何れも接戦を落とし、3連敗しました。しかし、ホームで極めて強いRed Soxを相手に2勝1敗と勝ち越し、傷だらけのチームは、過酷なロードを終えたのです。
この間のチーム状態を如実にあらわす試合は、Dodgersとの初戦です。延長11回裏、この回2つ目のエラー(この試合5つ目のエラー)で、決勝点を与え、3対2のスコアでサヨナラ負けを喫しました。その試合では、信じ難い走塁ミスもありました。11回表、ヒットで、3塁を回り、勝ち越しのホームを踏んだChurchが、3塁ベースを踏み忘れ、アウトになったのです。この前代未聞のボーンヘッドが、その裏のエラーによるサヨナラ負けにつながったのでした。
Metsは、元来、エラーや走塁ミスが多いチームですが、この試合のエラー4個は、故障者の影響によるものです。代役の遊撃手、Ramon Martinez(3Aから急遽招集)が犯した2個、1年振りにメジャーに上がったAngel PaganがBeltranへの外野フライを邪魔したエラー。そして、決勝点となったエラーは、急造の1塁手、Reedの本塁への悪送球でした。Churchの走塁ミスは、言い訳することはできませんが、4つのエラーは、チーム状態が生んだもので、当事者を責めることはできません。
Dodgersに3連敗を喫し、そのまま連敗を重ねる可能性もありました。そのようなチームを救ったのは、紛れもなく、エースのSantanaでした。Red Soxとの初戦、味方の3個のエラーにも関わらず、Santanaは、118球(シーズン最多投球数)を投げ、7回を3失点(自責点2)に抑え、5対3の勝利に貢献しました。Santanaが先発した9試合では、援護点が少なく、エラーが多い(12)というデータがあります。しかし、エースとしての自覚をそなえたメジャー最高の左腕は、不利な状況を克服し、粘りの投球をして、絶えずチームの勝利につなげています。彼の存在が、これまでのチームを支えているのです。
今後のMetsは、故障者の復帰が鍵を握っているでしょう。特に、Red Soxとの初戦で、12個目のセーブ(今季失敗なし)を記録した守護神K-Rodが突然の背筋痛を訴えた点が気がかりです。翌日のセーブ機会は、Putzが役割をはたしましたが、K-Rodなくして、Metsのブルペンを語ることはできません。昨日の様子では、大事には至っていないようですが、少なくとも数日間は、出場しないことが予測されます。K-Rodの早期復帰がMetsの明暗を分けるかもしれません。
何れのチームにも故障者がいます。その際、控えのベテラン、あるいは、マイナーから昇格した若手が、いかに故障者の穴を埋めるかが重要となります。Metsにも新しいヒーローが生まれてほしいものです。