August 2009アーカイブ

 Yankeesは、Fenwayでの3連戦を2勝1敗と勝ち越し、Red Soxとの差を7.5ゲームに広げました。この3試合は、両チームの打線が爆発した試合で、特に最初の2試合は、締まりのない時に見るに耐えない試合でした。結果として、このシリーズを制したYankeesがアリーグ東地区優勝に向けて一歩前進したといえるかもしれません。しかし、Yankeesに不安材料がないわけではありません。

 初戦は、20対11というFootballの試合を彷彿させるスコアでした。打線は、A-Rodが4安打、JeterとTeixeiraが3安打を放ち、Matsuiが2本の3ランホームランを含む7打点を記録し、怪我で1打席で退いたDamonを除いて、その代役のHinskeを含めた先発全員が打点を記録するほど爆発しました。しかし、先発のPettitteは、5回まで12点の援護をうけながら、攻撃時間が長過ぎて投球のリズムを崩したのか、5回で7失点(自責点5)を与え降板しました。その後、自責点が記録されていないものの、Bruneyが乱調で3四球を与え、DLから復帰したMarteは好リリーフをしましたが、最後に登板したMitreは、2回で4失点を献上しました。守備においても、Damonに替わってレフトについたHinskeとセンターのCabreraが何でもない飛球をお見合いしてヒットにしてしまうお粗末なプレーもありました。Yankeesは勝利を得ましたが、実にSloppyな試合でした。
 
 第2戦は、初戦の勝利で気がゆるんだYankees打線が、Red Soxの先発、ルーキーのTazawaに6回無得点と沈黙し、結果は、14対1でRed Soxの大勝でした。前回ホームでの第2戦でTazawaと対戦(A-Rodのサヨナラホームランで勝利)して、ヒットを含めよい感触を得ていたYankees打線が、相手を甘くみていたのがこの結果を生んだといえます。先発のBurnettは、自己ワーストの9失点(5回)で、今後のビッグゲームにおける先発に不安を残しました。この試合で特に注目されたのは、BurnettとPosadaとの呼吸が全く合っていない点です。Burnettは、Ortizにホームランを献上した後、マウンドで、"Why?"という言葉を6回も発し、"Why would you throw that?"と自分が投じた速球に疑問を投げかけたのです。試合後、Burnettは、自分の投球を責めたと応えていましたが、明らかに、その場面で速球を要求したPosadaへの不満の声でした。この試合で、Burnettは、制球が定まらない速球ではなく、カーブやスライダーを多投したかったのですが、バランスを重視したPosadaは、変化球を連投するのでは相手に見破られるので、時折速球を要求しました。そこで、2人の間に溝ができ、この試合の行方に大きな影響を与えました。Girardiは、この2人がこれまでよい結果を残していると主張し、今後も2人を引き離すことはないといっています。果たして、その方針がよい結果につながるか疑問が残ります。
 また、この試合のGirardiの采配で不可解な面がひとつあります。怪我でスタメンをはずれたDamonに替わって、Hinskeをレフトで起用したことです。Hinskeは、外野両翼が守れるということですが、これまでの出場はライトに限られ、その守備も極めて不安定なものです。前日、センターのCabreraとの息が合わずにヒットにした状況を考えれば、当然ながら、守備の上手いHairstonを先発で使うべきです。案の定、この試合でも、Hinskeは、記録に残らないエラーを2つしています。彼の守備は、見るに耐えないものです。

 最終戦は、SabathiaとBeckettとのエース対決で、白熱した投手戦が期待されました。しかし、結果は、両者ともに本来の力を十分に発揮することができませんでした。ただし、Sabathiaは、6.2回、4失点で試合をつくり、8回8失点のBeckettに投げ勝ちました。Beckettは、前回のBlue Jays戦でも7失点をして、不調の波に飲み込まれているようでした。Yankeesは、Beckettの乱調に助けられ、5本のホームランを浴びせて、8対4の勝利を収めたのです。

 このシリーズを終えて、両者の今シーズンの成績は、Red Soxの9勝6敗となりました。ここ7試合では、Yankeesの6勝1敗です。残りは、9月終盤のYankee Stadiumでの3連戦だけです。それまでに、両者の差がどのようになっているのでしょうか。これから、まだまだ、ひと山もふた山もありそうな気がします。

ヤンキース好調を維持

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 Yankeesは、ホームでBlue Jaysとの3連戦を2勝1敗で勝ち越し、後半戦、ひとつの山場であるWest Coast Road Tripにでました。結果は、Marinersに3勝1敗、Athleticsに2勝1敗と何れも勝ち越し、Red Soxの本拠地Fenway Parkに乗り込んで来ました。両者のゲーム差は、Yankee Stadiumでの対決後と変わらず、6.5ゲームです。
 
 Red Soxを4−Game Sweepした後、Yankeesは、いわゆる気のゆるみ(Letdown)が心配されました。Blue Jaysとの初戦では、その心配が的中し、先発のMitreのエラーが試合を決める結果となりました。しかし、その後の2試合、7対5、4対3(延長11回)という接戦を制し不安をを一蹴しました。ロードに出て、Athleticsとの初戦で、Yankeesから事実上解雇されたTomkoとブルペンに完封された試合でも荒いバッティングが目立ちましたが、その他の試合では安定した力を発揮し、Marinersとの2試合とAthleticsとの最終戦は何れも接戦でしたが、確実に勝利を収め好調を維持しました。

 この間、先発3本柱は、安定した投球をみせました。しかし、投球回数制限を言い渡されたJobaは、通常の登板間隔で2試合に先発したのですが、何れも不安定な投球をしました。成績は、6回4失点で勝利と5回4失点で敗戦の1勝1敗でした。次回は、登板間隔が8日も空く、ホームでのRangers戦です。どうも投球回数制限の話が出てから、Jobaのリズムが崩れたような気がします。5番手のMitreは、5回5失点の敗戦と5.1回2失点の勝利という結果でした。また、Jobaの代役として先発したGaudinは、4.1回で無失点という成績でした。今後もこの2人が5番手とJobaの穴埋めの役割を担うことになりそうです。チームが好調であるからこその余裕の起用といえそうです。

 打線は、それほど好調であるとはいえませんが、効果的なホームランがチームの勝利につながっています。MatsuiとPosadaの連発、Matsuiの1試合2発、Teixeiraの決勝弾2発、SwisherとJeterのホームランなど、日替わりでのLongballがよい結果を生み出しています。果たして、ライバルのRed Soxに対して、どのような試合をするか楽しみです。
 

後半戦のメッツ

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 Metsは、後半戦に入り、最初のロードトリップを4勝6敗と負け越しました。その後、ホームでRockiesに3勝1敗と勝ち越して、後半戦の成績を5割としましたが、7月最後の試合で、Diamondbacksに敗れ、7月を12勝14敗と負け越して終えました。
 後半戦、復活の兆しが見られないMetsでしたが、GMのMinayaは、7月31日のトレード期限までに、全く動きを見せませんでした。

 Metsは、8月に入り、Diamondbacksとの4連戦残りの3試合を1勝2敗と負け越し、Cardinalsとの2連戦を1勝1敗で分けましたが、ロードに出てPadres(1勝3敗))とDiamondbacks(1勝2敗)に負け越し、ホームに帰りGiantsとの4連戦を2勝2敗で終えました。8月の成績は6勝10敗、後半戦の成績は13勝18敗、今季ここまでの通算成績は55勝63敗で、ナリーグ東地区首位のPhilliesに12.5ゲームの差をつけられ、ワイルドカード1位のRockiesに10ゲームの差をつけられ、ポストシーズン進出が絶望的な状態となりました。

 後半戦に入っても、何かに取り付かれたように怪我人が続出しました。YankeesとのSubway Seriesからローテーションを守ってきたNieveが走塁で足を怪我してDL入りし、その代役としてメジャーに復帰したRookieのJon Nieseも先発3試合目に1塁へのベースカバーの際、足を怪我して脱落しました。これまで、チームの主軸として活躍してきたSheffieldも、足の状態がおもわしくなく、一時DL入りしました。また、Reyesの穴を埋めてきたCoraまでもが、両手親指の怪我で、今季の復帰を断念しました。さらに、追い討ちをかけるような出来事が起こりました。チームリーダーとして孤軍奮闘してきたWrightが、15日の試合で、Giantsの先発投手Cainが投じた速球を左側頭部(ヘルメット)に受け、退場したのです。しばらく、その場で立ち上がることができませんでしたが、幸いなことに脳しんとうという診断で、大事にいたることはありませんでした。しかし、Metsは、Wrightを15日間のDLに入れました。この結果、開幕から故障することなく、また、不振でスタメンをはずれることなくラインナップに名を連ね続けている選手は、ひとりもいなくなったのです。このような状態では、今季のポストシーズンを諦めざるを得ないでしょう。

 Metsは、今後、来季を見据えた試合をする必要があります。まず、先発投手については、Nieseの代わりにブルペンからParnellを入れました。Parnellは、Putzの代役としてSet-upの役割を期待されたのですが結果を出せず、その後もブルペンであまりよい仕事をしていませんでした。先発に回り2試合目で、6回無失点という結果を出し、今後が楽しみです。しかし、その他の選手で、来季を視野に入れて育てる人材が見当たりません。3Aでよい成績を残しメジャーに再昇格したNieseは、DL入りしてしまいました。Nieseも来季の先発候補でした。野手についても、期待されていたFernando MartinezがDL入りしてしまい、来季に備えることができません。現在のラインナップで、将来を考えるべき選手は、DelgadoのDL入り後、Tatisとともに1塁を守るMurphyです。今季、レフトのスタメンでスタートしましたが、外野の守備に不安を抱え、1塁へコンバートされました。今後、1塁で起用するのか、来季、外野に戻すのか、チームは、早めの決断をすべきでしょう。

 今季の目標を失ったチームにとって、今後の試合は、かなり難しいものとなるでしょう。特に、先発の柱として大活躍してきたSantanaとクローザーのK-Rodが気持ちを切らずにどこまでプロとしての仕事をすることができるか、とても気がかりなところです。2人とも今まで同様の力を発揮してくれると信じたいものです。また、DLから復帰可能な選手には、これまでの借りを返すような大活躍を期待したいものです。Metsは、新球場のオープンにより今季のチームに多くを期待したファンにひとつでもよい試合を見せなければなりません。

 

ボストンに4連勝

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 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesは、宿敵Red Soxをホームに迎え、4連戦をSweepして、今シーズン8連敗という嫌な流れを断ち切るとともに6.5ゲームの差をつけました。

 初戦は、13対6というスコアの乱打戦でしたが、残りの3試合は、白熱した投手戦でした。Yankeesの3人の先発投手は、BurnettとSabathiaが各7.2回、Pettitteが7回を無失点に抑える完璧な投球を示し、好投したRed Soxの先発陣、Beckett(7回無失点)、Buchholz(6回2失点)、Lester(7回1失点)に投げ勝ったのです。最も、3人全員に勝ち星がついたのではなく(Sabathiaのみが勝利投手)、ブルペンの踏ん張りと貴重なホームランがチームに勝利をもたらしたのでした。
 第2戦は、Burnettの後を継いだブルペン全員がRed Sox打線を封じ込み、延長15回裏のA-Rodのサヨナラ2ランホームランを生み出しました。第3戦もSabathiaをリリーフした、HughesとRobertsonが相手打線を完璧に抑えました。2日連続で、Red Soxを2対0、5対0と完封したのです。最終戦は、PettitteをリリーフしたCokeが8回に打たれ逆転を許しましたが、その裏、DamonとTeixeiraの連続ソロホームランで逆転して勝利をおさめました。

 結果としては、YankeesがRed Soxを圧倒したのですが、初戦を除いた3試合は、どちらが勝利してもおかしくない接戦でした。Yankeesにとっては、Boston打線が後半に入り不調であることが幸いしたともいえますが、Yankeesが接戦をものにする強さを示したともいえます。しかし、この両者の状態が今後も続いていくとは思われません。今月21日からのFenwayでの対決がさらに熱気を帯びていくでしょう。そこで、YankeesがSweepするようなことになれば、アリーグ東地区の行方が見えてきそうです。
 Yankeesは、後半戦に入り8連勝という最高のスタートを切り、ホームスタンドで9勝1敗、その後、ロードに出てRaysに2勝1敗、White Soxとの4連戦で3連敗しましたが、最終戦に勝利した後、Blue Jaysとの2連戦をSweepして、ロードを5勝4敗で終えました。この間、3ゲーム差で首位を走っていたRed Soxが予想外に失速(7勝10敗)して、Yankeesは、逆に、2.5ゲーム差をつけて、2位のRed SoxをYankee Stadiumで迎え入れることになりました。

 Yankeesが好調な要因は、紛れもなく、先発陣の安定した投球です。後半戦19試合で、先発投手が5回を投げきることができなかったのは、わずかに3試合です。6回を3失点以内に抑えたQuality Startをしたのは、11試合でした。エースのSabathiaとBurnettは、それぞれ、持ち前の力を発揮しました。特に心配されたJobaは、All-star Breakでの気分転換が功を奏したのか、3試合で3勝、21.2回を投げて失点2という完璧な投球をしました。また、同じく不安視されていたPettitteも、4試合で26.2回を投げて失点8という安定した投球をしました。その内で、4失点を記録した試合では、自らが残した3人のランナーをブルペンがすべてかえした3失点でした。この満塁のピンチにおける交替は、疑問が残るもので、この3失点がなければ、ほぼ完璧に近い内容でした。Wangの代役としてローテーションに加わったMitreは、4試合で、5.2回4失点、5回4失点、3回5失点、4.1回3失点という成績で、決してよいものではありませんが、その内、3試合は、チームが勝利を収めました。最低限、試合をつくることができたということでしょう。
 ブルペンもチームの躍進に大きく貢献しました。特に、序盤の7連勝中は、すべて3点差以内の接戦で、その間でも、2対1という僅差のゲームが3試合続きました。特に目立った活躍をしたのは、Hughesです。この間、4試合で6回を投げ、失点なしの好投をして、メジャー初セーブも記録しました。

 このような好調の波に乗って7月を18勝9敗で終えたYankeesは、31日のNon-waiver Trade Deadlineまでに、特に目立った動きを見せませんでした。Utility Playerとして、RedsからJerry Hairston, Jr.を獲得しただけでした。Hairstonは、一塁以外の内外野、どこでも守ることができ、機動力を発揮できる貴重な戦力です。その後、Yankeesは、8月6日に、PadresからChad Gaudin投手を獲得しましたが、今シーズン、4勝10敗という成績の先発投手が、どれほどチームに貢献できるか疑問が残ります。

 後半戦、好調なスタートを切ったYankeesですが、不安材料がないわけではありません。そのひとつは、好調なJobaの投球回数制限です。多くのチームが、初めて1年間ローテーションを任せた若い先発投手を怪我から守るために、通常の200イニングよりも少ない投球回数を想定しています。Jobaの場合は、150−160イニングといわれています。これまで、すでに110.2回を投げていますから、1試合6回で計算すると、残りの先発回数は、7−8回となります。55試合を残しているYankeesは、ローテーション投手に後11回の先発を期待していることになります。Jobaの先発をいかに減らし、誰がその役割を担うか、大きな課題です。
 また、先発5番手、Mitreが今後もローテーションを守ることができるか、甚だ疑問です。Gaudinがその代役となるのか、あるいは、3Aから誰かを上げてくるのか、今後、首脳陣を悩ますことになるでしょう。
 
 

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