July 2009アーカイブ

 Yankeesは、7月に入り、MinnesotaでTwinsをSweepして7勝2敗の好スタートを切り、地区首位のRed Soxに追いつきました。そして、All-Star Break前最後の3連戦に向けて、Anaheimに乗りこみました。結果は、Angelsに3連敗を喫して、その間、3連勝したRed Soxに3ゲーム差をつけられました。前半戦終了直前にSweepされたのは、何とも後味の悪いものでした。通算成績は、51勝37敗です。

 Angelsとの3試合は、すべて勝利するチャンスがありました。最初の2戦は、5対1、4対0と序盤から主導権を握っていましたが、各試合先発のJoba(4.1回、5失点)とPettitte(4.1回、6失点)が5回を保たずに降板し、その後、ブルペンも打ち込まれて、10対6、14対8と大敗しました。最終戦は、5対4の接戦となりました。先発のSabathiaは、6.2回まで粘りの投球をみせましたが、5失点という内容でエースの働きをすることができませんでした。しかし、Yankeesは、7回、8回と2度の無死満塁のチャンスを得ていました。8回は、2得点を上げることができましたが、7回は、Teixeiraが三振とA-Rodが併殺打でチャンスを潰してしまいました。Yankeesにとっては、非常に惜しい試合でした。
 Yankeesは、今シーズン、地元でAngelsに2勝1敗と勝ち越しましたが、このところ、Angelsには大きく負け越しています。2004年からこれまでの対戦成績は、Angelsの33勝18敗で、特に、Anaheimでは、18勝7敗となっています。なぜかAngelsを苦手としています。Small Baseballを巧みに取り入れたScioscia監督の采配に翻弄されているのです。
 Angelsに限らず、今シーズンのYankeesは、各地区1位のチームとの対戦成績がよくありません。Red Sox(0-8)、Angels(2-4)、Phillies(1-2)、Tigers(2-1)に対して、5勝15敗です。さらに、同地区昨年の覇者、Rays(4-4)を加えると9勝19敗となります。さらに、注目すべき点は、先発4本柱がこうした強豪チームを相手に結果を残していないことです。Sabathiaは、0勝4敗、Burnett、Joba、Pettitteの3投手は、各1勝2敗です。Yankeesの後半戦のひとつの鍵は、Red Soxをはじめとした強敵にいかに立ち向かうかということでしょう。

 Yankeesは、今年、Post-Seasonに進出することができるでしょうか。前半の成績を振り返りながら、考えてみたいと思います。まず、オフェンスのStatsを見てみましょう。495得点、132本塁打(Rangersと同数)、出塁率(358 Ave.) は、いずれもMLBで一番の成績です。打率(276 Ave.)は、Angelsについで2位です。数字は、申し分ないものです。しかし、勝負の分かれ目は、好機に結果を残すことができるかという点に絞られます。特に、強敵を相手にしたときは、尚更のことです。その役割は、何といっても主軸に求められます。主軸の前半戦の成績を見てみましょう。Teixeiraは、4月の大スランプを乗り越え、Yankees打線で最もよい成績を残しました。21HR、63RBI、275 AVE.です。A-Rodは、5月に怪我から復帰した後、6月にスランプに落ち入りましたが、17HR、50RBI、256 AVE.とまずまずの結果を残しました。次に、後半戦、5番でスタメンに登場する機会が多いと予想されるMatsuiの成績です。両膝の状態が万全ではない中で、14HR、40RBI、265 AVE.という成績でした。しかし、5番打者としては、物足りない数字です。以前にも指摘しましたが、Yankees打線の1つの問題は、A-RodをProtectする信頼できる5番打者が存在しないことです。Matsuiがその役割を果たすことができるか、注目したいところです。この3人は、好機でどのような結果を残しているでしょうか。得点圏打率は、Teixeira(245 AVE.)、A-Rod(278 AVE.)、Matsui(238 AVE.)です。Yankeesの主軸としては、お粗末な数字です。彼ら3人が好機で結果をだすことが、勝利への近道です。
 オフェンスでもうひとつ気がかりな点は、Outfielderの配置です。6月30日に、PiratesからトレードでEric Hinskeが入団しました。怪我で今シーズン復帰が不可能となったNadyの代わりとみなされています。外野(両翼)だけでなく内野(1、3塁)も守れるUtility Playerとしても期待されています。ところが、代打を含めて3試合で打席に立ったHinskeは、3本のホームランを放ち、存在感を示しました。監督のGirardiは、Damon、Cabrera、Gardner、Swisherを含めた5人のOutfieldersを交互に出場させると明言しました。はたして、そのような起用がよい結果を生むのでしょうか。現時点では、Damon、Cabrera、Swisherがレギュラーで、他の2人は、控えとして使う方がよいと思います。

 さて、Yankeeの大きな問題は、やはり、投手陣です。前半戦の成績は、チーム防御率、4.54で、MLB30球団で23位です。その下に25位のPhilliesと27位のAngelsがいますから、この数字だけで、チーム力を判断することはできません。Yankeesの場合、特に、序盤、絶不調のWangが大量失点で破れる試合が数試合ありましたし、ブルペンが崩壊した試合も多くありました。その結果が、通算の防御率に反映されています。最近は、ブルペンが安定してきていますから、後半戦には、よりよい数字が期待されます。
 投手陣の問題としてまず上げられるのは、7月4日の試合で怪我をして再びDL入りしたWang(1-6、9.64 ERA)の代わりを誰にするかという点です。Hughesは、8回のSet-upとして活躍が見込まれるので、先発に復帰することはないでしょう。Acevesも、前半最後の登板で先発しましたが、リリーフの方が適しているように思われます。Halladayのトレード話が注目されていますが、Yankeesは、おそらく、その話から距離を置くでしょう。そうなると、3Aで結果を残しているメジャーでの先発経験もあるSergio Mitreが有力な候補となります。はたして、Mitreがローテーションを守ることができるか。Yankeesにとっては、ひとつの不安材料です。
 その他の先発投手陣にも不安は残ります。特に、Joba(4-2、4.25ERA)とPettitte(8-5、4.85 ERA)は、最近、不安定な投球が続いています。Jobaは、制球難により、6、7回と長いイニングを投げきれず、勝敗なしの試合が極めて多い投手です。Pettitteは、昨年、後半戦に失速した経験があり、今シーズンもその不安を払拭することができません。この2人が試合を作ることができるかは、Yankeesの後半戦にとって、とても重要な要素です。
 エースのSabathiaは、8勝6敗、防御率3.86という数字で、必ずしも期待通りの仕事とは言い難いものですが、それなりの結果を出しました。Sabathiaの場合、例年、後半に期待がもてる投手ですから、額面通りの働きをしてくれるでしょう。一方、Burnettは、8勝4敗、防御率3.77と、先発陣で最もよい成績を残しました。特に、このところ、安定した投球が目立ちます。さらなる活躍が期待されます。

 攻撃陣と投手陣の問題点を指摘しましたが、勝敗の分かれ目は、ちょっとした1つのプレーに集約されることがあります。強いチームは、Fundamentalsがしっかりとしていて、Situational Hittingを確実にこなします。ひとつの犠打や進塁打が勝負を決めることがあります。YankeesがPost-Seasonに進むためには、その辺りも改善する必要があるでしょう。

 

前半戦終了(メッツ)

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 Metsは、All-Star Break前、7月を5勝6敗、前半戦を42勝45敗で終え、首位Philliesに6.5ゲーム離され地区4位です。果たして、後半戦に巻き返すことができるでしょうか。微妙な状況です。

 Metsは、7月を2連勝でスタートした後、首位のPhilliesにSweepされ、西地区で首位を独走するDodgersに負け越しましたが、Redsとの前半戦最後のSeriesを2勝1敗で勝ち越しました。
この間、2人の選手がRoasterに加わり、チームの勝利に貢献しました。Dodgersとの第2戦に先発したのは、不調により66日間DL入りしていた、元来のローテーション投手Oliver Perezです。5回、2失点の内容で勝利投手となりました。しかし、相変わらずの制球難で、与えた四球は7を数えました。もう1人は、Bravesとの交換トレードでRedsとの第2戦目から打線に加入したJeff Francoeurです。最初の試合で、貴重な2ランタイムリーヒットを放ち、翌日の試合でも2安打しました。今シーズン、Bravesでの成績は、250 Ave.、5HR、35RBIでした。替わりに放出した選手は、280 Ave.、2HR、22RBIの成績を残していたChurchです。果たして、このトレードにどれほどの意味があるのでしょうか。Francoeurは、Gold Gloveを受賞したこともある優れた守備を誇る選手で、また、2006年、2007年と続けて100打点を記録しました。しかし、昨年から不調となり、今年もよい結果を出すことができませんでした。まだ25歳と若く、今後に期待できる選手といえますが、Metsの打線にインパクトを与える選手とは思えません。

 今のMetsに必要な選手は、ホームランの打てる強打者とエースクラスの先発投手です。Francoeurの獲得もPerezの復帰もその必要性を満たすものではありません。GMのMinayaは、トレードで新たな選手を獲得するつもりはないと公言しています。Metsは、今シーズンを諦めてしまったのでしょうか。今のところ、Reyes、Delgado、Belranの早期復帰が確約されているわけではありません。これまで、マイナーから若手の有望選手が数人デビューしました。しかし、誰もセンセーショナルな活躍をすることはできませんでした。Post-Seasonへ向けて、体制を整えるためには、メガトレードによる大型補強以外に選択肢はないといわざるを得ません。
 

6月のヤンキース

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 Yankeesは、6月の終盤を6連勝で終え、今月の成績を15勝11敗としました。通算成績は、44勝32敗で、首位Red Soxを2.5ゲーム差で追う展開です。6月は、序盤、よいスタートを切りましたが、Red Soxに3連敗して勢いを失い、インターリーグでは、Metsに5勝1敗と大きく勝ち越しましたが、Nationals、Marlins、Bravesを相手に4勝5敗と負け越したことが影響して、Red Soxに首位を明け渡しました。

 今月、特に話題となったのは、「Yankees打線は、初物に弱い」という評判です。実際には、初対戦の先発投手が登板した試合の勝敗は、必ずしも悪いわけではないというデータがあります。しかし、6月のインターリーグでは、MetsのNieve(6.0, 2R)NationalsのLannan(8.1, 2R)、Stammen(6.1, 0R)、MarlinsのVolstad(6.0, 3R)、BravesのHanson(5.1, 0R)という5人の投手に抑えられ、Yankeesは敗戦しています。さらに、Nationalsとの初戦でも、勝利を収めたものの、先発のMartisに6回、2点に抑えられました。MarlinsのJosh Johnsonは、確立された投手として評価が高いので、必ずしも初物として数えられませんが、Yankees打線にとっては、ほとんど対戦したことない投手です。Johnsonにも7回、1点と抑えられ、勝利を献上しました。
 このような結果となった理由は、いくつか考えられます。ベテランが多いYankees打線は、対戦により得たデータや経験をもとに、相手に立ち向かう傾向があるという点です。また、この時期、Yankees打線全体が不調の波にのみ込まれていたことも上げられます。さらに、DHを使えないナリーグ主催のゲームが続いたこともYankeesにとって不利な状況でした。ただし、Yankeesは、従来、インターリーグで成績が最もよいチームですから、やはり、打線が沈黙していた時期という理由が、敗戦の大きな原因でしょう。
 
 特に、6月、成績不振に悩まされていたのは、5月初旬にDLから復帰したA-Rodでした。6月の成績は、207 Ave.、5HR、22RBIでした。本塁打と打点は、5月の7本、17打点と比べて、それほど変わりません。しかし、A-Rodは、フロリダへのロードに出るまで、極度のスランプに落ち込んでいました。5月、打線に復帰後、DHでの出場があったものの、全く休むことなく試合に出続けていたのです。疲労困憊が不振の原因でした。フロリダで2試合スタメンを外れたことにより、充電することができたA-Rodは、6月の終盤8試合で、3本塁打、13打点と固め打ちをしました。Clean-up Hitterの活躍が、6連勝に大きく貢献したのです。打線の軸が強固であることは、勝利には欠かすことができません。A-Rodの調子が7月以降のYankeesの浮沈の鍵をにぎっているといえるでしょう。

6月のメッツ

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 Metsは、6月の終盤を5連敗で終え、今月、9勝18敗と大きく負け越しました。幸いなことに、首位Philliesの調子が上がらないので、Metsは、通算成績、37勝39敗で、Philliesを3ゲーム差で追っています。今月、悲惨な結果をもたらした原因は、故障者リストに新たに3人も加わったこと、また、相変わらず、Foundamentalsが欠如していることです。

 すでに以前のブログで指摘したように、先発のMaineとSet-upのPutzが6月初旬にDL入りしました。加えて、以前から右膝の痛みに耐えながらプレーしていた主軸のBeltranが22日にその仲間入りをしました。これで、開幕戦の1番(Reyes)、4番(Delgado)、5番打者を欠く打線となり、得点能力がさらに落ちることになったのです。唯一残された中軸のWrightは、打率においては、6月もAve.365という好成績を残しましたが、打点がわずかに12点に留まりました。精神的な負担が増した結果といえるかもしれません。また、4月に控えの外野手として入団したベテランのSheffieldは、Delgadoの穴を埋め、5月には、Ave.348、15RBIと活躍しましたが、6月になると、膝の故障の影響もあり、Ave.286、11RBIと成績がかなり落ちました。Beltranの代役は生まれず、3、4番合わせてて23打点では、かなり厳しい試合を強いられ、投手への負担も増大したのです。
 Maineの代役としてローテーション入りしたNieveは、Subway Series第1ラウンドで今季初先発初勝利を記録した後も好投を続け、次の2試合も6回ずつ投げ、合わせて失点1という成績を残し、3連勝のスタートを切りました。6月、最後の登板では、3.1回、3失点で敗戦投手となりましたが、ここまで、ERA2.25という立派な先発投手の役割を果たしています。今月、Metsにとって唯一の収穫といえるでしょう。しかし、Putzの代役として期待されたBobby Parnellは、6月、8回で12失点、ERA13.50という悲惨な結果を残し、8回Set-upの役割を果たすことができませんでした。その結果、Set-up不在のブルペンとなり、K-Rodへつなぐ中継ぎ陣の不安定な状況が続いています。

 6月のMetsは、故障者の影響もあり、守備の乱れで試合をおとすことも多くありました。典型的な試合は、30日のBrewers戦、6対3で敗戦した試合です。4回、無死1塁の場面で、Beltranの代わりにセンターを守っていた若手のFernando Martinezが、普通のフライを足を滑らせて取り損ねてしまいました。そのプレー(2塁打により、無死2、3塁)が、その回の4失点へとつながったのです。Subway SeriesにおけるCastilloのエラーや1イニング3エラーなど、Metsは、Foundamentalなベースボールができていません。その結果が6月の悲惨な成績を生み出したのです。
 

 

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